児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

沖縄タイムス[少女よ 売買春事件から考える](9)/軽い制裁 /買春常習でも刑猶予/子の被害意識の薄さ 影響

 これだと、奥村弁護士は被害児童側の弁護士みたいになってますね。
 実は、沖縄では援デリの児童福祉法違反(淫行させる行為・児童淫行罪)事件が関心があるようで、児童を売春婦として雇用する型の児童淫行罪の量刑について、「被害実態の調査研究を怠っていて害悪が把握されてないので、専ら調書上の被害感情に依拠して量刑するので軽くなる」ってメールで回答したんですが、こういう文章にされてしまいました。

[少女よ 売買春事件から考える](9)/軽い制裁 /買春常習でも刑猶予/子の被害意識の薄さ 影響
2013.09.19 沖縄タイムス
 今月上旬、白髪交じりの頭に青い作業着姿の男(48)は、法廷の証言台で身じろぎもせずに判決を待った。男は昨年12月と今年1月、17歳の女子高生とホテルに行き、その様子を携帯電話で撮影・保存した。男には、少女と同世代の娘が2人いる。
 裁判官は「ゆがんだ性欲を満足させようとし、青少年の健全育成をはなはだ阻害する悪質なもの」と断罪。児童買春の常習性も認めた。それでも判決は懲役1年6カ月、執行猶予4年、実刑は免れた。初犯、妻による監督、会社を辞めるなどの社会的な制裁を受けたことを考慮した。「次は間違いなく実刑になります」。裁判官はきつく念押しした。
 実は、18歳未満を対象とした売買春で裁かれる場合、初犯は特に刑が軽い。児童買春に詳しい奥村徹弁護士(大阪弁護士会)は「子どもたちの被害感情の乏しさが理由だ」と指摘する。「裁判では、子どもたちがどれだけ“被害”を感じたかが刑の重さを左右する。しかし、子どもたちは、スカウトなどを介し自分で売買春の世界へ入ってしまったと思っているので、大人に利用されているという被害の意識が薄い。そのため刑も軽くなりがちだ」
 100人以上の男と売春を繰り返してきたユア(15)とサクラ(15)もこう話す。「売春がダメなの知ってて、結局やってしまっているから自分が悪いと思う。売春した後の帰り道、寂しい気持ちになるよ。そんなときは二人で、自分が悪いから胸が苦しくなるんだなって時々話してきたよ」
 一方でこうも思う。「業者に誘われなかったら、売春しなかった。うちらが未成年って知ってて、うちらの働きでもうけてるのに。業者は悪くないのかな」

 子どもたちは自分を責め、大人を信じられないまま日々を過ごしている。「児童買春・児童ポルノ禁止法」は、被害に遭った子どもたちの保護や悪影響の調査をするよう定めているが、主体も責任もあいまいなままだ。心と体に与える悪影響についての研究が遅々として進まないことが、子どもを置き去りにし、罪を軽くする一因にもなっている。
 一体、どこが研究するのか。はっきりさせるよう、法改定の動きも出てきた。「きちんとやってもらわないと困るんです。組織的に売買春が行われる分、子どもたちは自分で売春するよりもはるかに心身がむしばまれているのですから」(奥村弁護士
 ユアは、2年近く続けた売春を思い出すたび、後ろめたさから胸が締め付けられる。サクラは、売春を繰り返した結果、子宮の痛みが続いている。二人は今も病院に通い、治療している。
 県内では、子どもの成長を害する犯罪の摘発件数が2002年から10年間でほぼ倍増。特に近年、児童買春などより悪質な犯罪に巻き込まれるケースが増えている。(「少女問題」取材班・文中仮名)