児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

少女自らポルノ画像提供広がる 携帯使い「小遣い稼ぎ」

 この程度で児童を犯人として扱わないのが法律の趣旨であったはずです。児童による児童ポルノの製造販売を処罰するなら、援助交際児童も補導して保護処分にすることになって、児童保護はどこ行ったんでしょうか。
 大阪高裁H21.12.3は児童が有償で製造販売していた事案ですが、児童は被害者であるから不処罰とされ、買い主が3項製造罪の正犯となると判示されています。
 保護処分の関係でこれらの判例を示せば、児童の処分はかなり軽減されると思います。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/101107/crm1011071602006-n1.htm
児童ポルノ規制が強化される中、18歳未満の少女が自分の裸の画像を売るケースが警察の捜査で確認されるようになった。
 神奈川県警は8月20日、自分の下半身を露出した画像を売ったとして、児童買春・ポルノ禁止法違反(提供)容疑で千葉県の高校の女子生徒(17)を書類送検した。捜査関係者によると、生徒は携帯サイトに「写真売ります」と書き込み、10人前後の希望に応じて自宅で撮影。1枚数百円で売り、稼いだ金をカラオケ代などに使っていた。
 神奈川県警は昨年9月にも、携帯電話で互いに撮り合った画像を売ったとして、17〜18歳の千葉県の女子高生3人を書類送検。今年6月には京都府警が、裸の画像を複数の男に売ったとして埼玉県の無職少女(18)を逮捕した。
 子供とインターネットの問題に詳しい早稲田大の田中博之教授は「『携帯なら誰にも見られない』と罪悪感が薄くなっている。親や教師は、まず実態を知ることが大切だ」としている

阪高裁H21.12.3
第3 控訴趣意中,法令適用の誤りの主張について
 論旨は,本件については,①青少年健全育成条例23条2項の「わいせつな行為を教える」,又は同条1項の「わいせつな行為をし」に該当する条例違反の罪が成立するにすぎないのに,法7条3項の児童ポルノ製造罪の成立を認め,②(ア)被告人に,被害児童が正犯である法7条1項(提供罪)及び同条2項(提供目的製造罪)の教唆犯が成立し,同条3項の児童ポルノ製造罪に該当しないのに,同罪の正犯とし,(イ)仮に(ア)が認められないとしても,被害児童と被告人とは同条3項の児童ポルノ製造罪の共同正犯であるのに,被告人の単独犯とし,さらに,(ウ)被害児童の正犯性が否定されるとしても,被告人は教唆犯であるから共犯の従属性により不処罰であるのに,被告人を処罰した原判決には判決に影響することが明らかな法令適用の誤りがある,というのである。
 しかしながら,①については,関係証拠によれば,原判示の犯罪事実を優に認めることができるから,本件について法7条3項の児童ポルノ製造罪が成立することは明らかである。
②については,同条各項の規定は,平成16年法律第106号による改正前の法に規定がなかったものであるが,旧法施行後の状況等にかんがみ,児童の権利の擁護を一層促進するため新たに犯罪化され,処罰の範囲が拡大されたものであるところ,対象となる行為は,いずれも法2条3項各号に掲げる児童の姿態を描写した児童ポルノを前提とするもので,当該児童の心身に有害な影響を与える性的搾取・性的虐待行為にほかならず,しかも,不特定多数の者に対する提供(法7条4項)及びその目的での製造等(同条5項)の罪ではもとよりその流通が予定され,特定少数の者に対する提供(同条1項)及びその目的での製造等(同条2項)の罪では流通の危険性が大きく,他人に提供する目的を伴わない製造罪(同条3項)にあっては描写された児童の人権を直接侵害する行為であり,流通性は小さいものの,その危険性を創出するものであるから,このような行為が社会に広がるときには,児童を性欲の対象としてとらえる風潮を助長するごとになるため,児童を性的搾取・性的虐待の被害から擁護することを意図して上記各行為を処罰するものとしたのであって,当該児童は,原則的に,その被害者と位置付けられているというべきである。
そうすると,被告人が,携帯電話の下着売買募集のサイトで知り合った被害児童に対し,携帯電話のメールで,被害児童のポルノ画像を買い取る旨執ように働き掛けた上,指示して姿態をとらせた被害児童のポルノ画像を撮影・送信させて,自己の記録媒体に保存させたという本件について,(ア)の点は,被害児童が児童ポルノの提供(同条1項)及びその目的での製造(同条2項)の罪の正犯で,被告人はその教唆犯にすぎないとする点で,(イ)の点は,被害児童と被告人が他人に提供する目的を伴わない児童ポルノ製造罪(同条3項)の共同正犯であるとする点で、(ウ)の点は,被告人が教唆犯にすぎないという点で,いずれも誤っており,所論はいずれも採用することができない独自の見解というほかない。
 その他,所論が主張するところを検討しても,原判決には所論が指摘するような法令適用の誤りがあるとはいえない。
 論旨は理由がない。