児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

プラスチック容器に入ったひわいなローションをかけるわいせつな行為

 強制わいせつ罪の実行行為は不定型。

強制わいせつ容疑で逮捕=北九州
2009.11.21 読売新聞
容疑者は9月8日午前8時20分頃、同市内の路上で、登校中の小学6年女児(12)にプラスチック容器に入ったひわいなローションをかけるわいせつな行為をした疑い。容疑を認めているという。

「見せつけてキャー」は公然わいせつ罪、「投げつけてキャー」は強制わいせつ罪か?

仙台高裁H21.3.3
①原判決は,被告人が各被害児童の陰部をデジタルカメラ等で撮影した行為をわいせつな行為と評価しているが,刑法176条のわいせつな行為は身体的接触を伴うものに限定されるから,上記各行為に同条後段を適用した原判決には法令適用の誤りがある,
などと主張する。
(2)しかしながら,
①については,刑法176条のわいせつな行為は,法文上,態様について限定がなく,また,自己の裸体を他人の目に触れさせたくないという気持ちは,人間の本質的部分に由来するものであるから,強制わいせつ罪の保護法益である性的自由には,自己の裸体を他人に見られたり写真等に撮影されたりしない自由を含むものと解される。そうすると,自らの性的欲求を満足させるために,各被害児童の陰部をデジタルカメラ等で撮影した被告人の行為が,同条にいうわいせつな行為に該当することは明らかというべきである。所論は,公然わいせつ罪の主たる保護法益が善良な風俗であるとしても,多少なりとも見せられた者の性的自由が害されているから,強制わいせつ罪と公然わいせつ罪とを区別するためには,強制わいせつ罪については身体的接触を要件とすべきであるなどとも主張するが,所論も認めるとおり,公然わいせつ罪は善良な性的風俗の侵害を本質とするものであり,わいせつ行為を見せられた者の性的自由を侵害する場合があるとしても,それは副次的なものにすぎず,直接的な性的自由の侵害を本質とする強制わいせつ罪とは行為態様において大きな違いがあるといえるのであって,身体的接触を強制わいせつ罪の要件としなければ両者を区別し得ないものではない。所論は独自の見解に基づくものであって採用の限りでなく,この点において原判決に法令適用の誤りはない。