児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

PTSDが「致傷」かが争われそうな裁判員事件。しかも否認事件(広島地裁)

 こんなの被害者に配慮してこれまで報道されてなかったのに、裁判員裁判だから報道されるんですよ。

強姦致傷罪で起訴 PTSD、傷害と認定=広島
2009.07.15 読売新聞
 地検は14日、被告(38)(強制わいせつ未遂罪などで起訴)を強姦(ごうかん)致傷と住居侵入の両罪で起訴した。被告は「暴行する気はなかった」などと、起訴事実を否認しているという。
 起訴状によると、被告は2月24日午前4時5分頃、広島市中区のアパートで、帰宅した女性(35)が玄関を開けた際、背後から押し倒すなどした。女性が大声を上げたため逃走したが、重度の心的外傷後ストレス障害(PTSD)を負わせたとしている。

 弁護人は、論文や福岡高裁判例を引用して、「性犯罪の精神的苦痛が長引くことは基本犯に織り込み済みだから、致傷罪は成立しない」と主張して、学者とか被害者が証人で出てくるかもしれませんが、裁判員が判断することになります。
 その主張は、弁護士としては当然だと思うんですが、裁判員は不合理な弁解として重く評価するかもしれませんし、全く怖い裁判です。