児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

併合審理の利益

 教員が教え子にわいせつ行為すると、強姦罪、強制わいせつ罪、児童淫行罪等が成立するのですが、去年12月までは児童淫行罪だけは家裁で審理してました。
 まとめて地裁でやる方が被告人には利益です。

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2009012901000889.html
広島県の小学校内で教え子に乱暴したなどとして、強制わいせつや強姦などの罪に問われた元教諭(43)が「教諭になってから、27人にわいせつ行為をした」と供述していることが29日、分かった。
 同日開かれた公判で広島地裁奥田哲也裁判長)が供述調書を証拠採用。被告はこの日、女児3人への児童福祉法違反の罪で追起訴された件についても「間違いありません」と事実を認めた。
 起訴状によると、被告は教諭だった2002年9月−03年2月までの間、13回にわたり、3人に体を触らせるなどのわいせつ行為をしたとされる。起訴されたわいせつ行為は、これで女児10人への計95回分となった。

 ここまで回数が増えると、併合罪加重したりして処断刑期の上限付近の量刑になりますから、罪数処理がポイントになります。
 逆に言えば、罪数が少ない場合の、罪数処理はいいかげんです。高裁でも「これくらいの事件では、真剣に考えていないから、原審の罪数判断に大した意味はない」と判示されることがあります。
 でも、悪質な事件でもそうでない事件でも、罪数処理が違うというのは、裁判所が法律を知らないということで情けないと思います。
 ↑の裁判長も、ある事件では児童淫行罪と児童ポルノ製造罪を観念的競合としたのに、次の事件では併合罪としていました。