児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

学校裏サイトでこれだけ書かれて慰謝料50万円(大阪地裁H20.5.23)

 死亡慰謝料を上限とすると、名誉毀損慰謝料はこの程度ということです。

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080708095956.pdf
大阪地裁平成20年05月23日

(3) 本件スレッドの作成及びその削除の経緯
ア平成18年8月20日,本件掲示板に,「中1のF(原告の氏名)について」とのタイトルのスレッド(以下「本件スレッド」という。)が立ち上げられた。冒頭の書き込みは,「中1のF死ぬ程うざい。マジ,しね!!バリ,ブスやし。あいつの顔見たらはきそうななる!!誰か,Fをしめて〜!!」という内容であり,これに対し,実名を挙げて悪口を言うことを非難する書き込みや,冒頭の書き込みに同調する書き込みなど,同年10月18日にかけて,同スレッドに88回の書き込みがなされた。(甲1)

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3 損害
証拠(甲7,9)及び弁論の全趣旨によれば,原告は,本件当時,中学一年生であり,本件スレッドの影響で,通学する学校の他の生徒から,本件スレッドに書かれている人物として,好奇の目に晒されるなどした結果,精神的なショックを受けて,中学校を転校し,通っていた塾もやめ,相当の精神的苦痛を被ったことが認められる。
前記1(4)イのとおり,本件掲示板は,原告の在籍する学校の生徒が閲覧,書き込みすることが想定される掲示板であったこと,本件スレッドには,平成18年9月7日以降にも約30回の書き込みがあること(甲1)からすると,被告の前記管理義務違反により,本件スレッドが,より多数の学校関係者の目に触れることとなったと推認される。他方,被告は本件掲示板の管理人であり,原告の権利を侵害する書き込みを行った者と比べれば,その責任は,間接的・限定的なものといえる。その他本件に現れた一切の事情を総合考慮すると,被告が本件スレッドの削除を迅速に行わなかったことによって生じた原告の精神的苦痛に対する慰謝料としては,50万円が相当であると認められる。また,認容額等に照らすと,被告の前記不法行為と相当因果関係がある弁護士費用は5万円が相当であると認められる。