児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

被害児童を「道具」とする遠隔操作型製造罪

 やったことの責任は逃れないとして、法的構成としては、「間接正犯」でいいのかは疑問です。

児童ポルノ製造で飲食店員逮捕
2007.04.13 中日新聞社
 【滋賀県】東近江署は11日、児童買春・ポルノ禁止法違反(児童ポルノ製造)の疑いで容疑者(26)を逮捕した。
 調べでは、容疑者は昨年10月2日ごろ、出会い系サイトで知り合った東近江市内の女子中学生=当時(13)=が18歳未満と知りながら、女子中学生の携帯電話のカメラで露出した乳房などを撮影させ、自分の携帯電話に画像を送信させた疑い。関係者が相談して犯行が分かった。犯行時に面識はなかったという。

 被害児童は思慮浅薄だから、ちょっと頼めば送ってくるわけですよ。
 しかし、13歳は刑事無能力。

刑法第41条(責任年齢)
十四歳に満たない者の行為は、罰しない。

 それでも、「意思を抑圧するに足る程度」に至っていなければ共同正犯となりうるというんですけどね。

最高裁判所平成13年10月25日
本件当時B(12歳10ヶ月)には是非弁別の能力があり、被告人の指示命令はBの意思を抑圧するに足る程度のものてはなく、Bは自らの意思により本件強盗の実行を決意した上、臨機応変に対処して本件強盗を完遂したことなどが明らかである。これらの事情に照らすと、所論のように被告人につき本件強盗の間接正犯が成立するものとは、認められない。そして、被告人は、生活費欲しさから本件強盗を計画し、Bに対し犯行方法を教示するとともに犯行道具を与えるなどして本件強盗の実行を指示命令した上、Bが奪ってきた金品をすべて自ら領得したことなどからすると、被告人については本件強盗の教唆犯ではなく共同正犯が成立するものと認められる。したがって、これと同旨の第一審判決を維持した原判決の判断は、正当である。

 一度も会わずしてメールとか電話で被害児童の「意思を抑圧するに足る程度」に至っているかということですよね。