児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

刑法一七五条にいう「猥聾ノ図画ヲ公然陳列シタル」場合にあたる事例

「男女性交の状態を露骨に描写した税務署と題する映画」だったそうです

宮崎昇 刑法175条にいう猥褻の図画を公然陳列したる場合にあたる事例 警察研究31-10
昭和三三年九月五日第一小法廷判決刑集一二巻一三号二八四頁
〔事実〕 被告人は、第一審相被告人等と共謀の上、昭和三二年七月三一日午後四時二五分頃、Y被告人方二階三疊の間において、不特定の客であるW外四名の面前で男女性交の状態を露骨に描写した税務署と題する映画を上映して同人等に観覧させ、以て公然猥葱の図画を陳列したものであるとされ、第一、二審において、刑法一七五条をもつて処断された。ちなみに、W外四名は、いずれも米兵であつた。

「公然猥蓼図画陳列のばあいの公然性について、「特定」というときは、行為者と個人的関係にある者を指すと解され」るそうです。

 児童ポルノ罪は、個人的法益性を重視すると、「対不特定多数」「公然性」の要件は不要ですから、「公然陳列罪」ではなく、「陳列罪」でもいいはずです。