児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童買春と獣医師

[24時]児童買春容疑で獣医師を逮捕 /静岡
2004.09.29 地方版/静岡 27頁 (全192字)  毎日新聞社

 2罪だと公判請求。
 「獣医師としての品位を損ずるような行為」なら免許取消・業務停止(8条2項)。
 これは未知の論点ですが、農林水産省です。
 参考までに厚生労働によれば薬剤師は薬物関係以外の処罰では行政処分にしないようです。患者に触れることはないから。
相手は飼育動物なんだから、痴漢獣医でも児童買春獣医でもいいんじゃないとも言えそうです。少しは。

 予想される行政処分についても弁護人とよく相談して、そこまで考えた弁護方針を立てる必要がある。
まず行政処分の前例を調査するんだな。

医師法
第一章 総則
(獣医師の任務)
第一条 獣医師は、飼育動物に関する診療及び保健衛生の指導その他の獣医事をつかさどることによつて、動物に関する保健衛生の向上及び畜産業の発達を図り、あわせて公衆衛生の向上に寄与するものとする。

第五条 左の各号の一に該当する者には、第三条の免許を与えないことがある。
 一 精神病者又は麻薬、大麻若しくはあへんの中毒者
 二 身体に障害のある者であつて獣医師としての業務を行うのに支障があるもの
 三 罰金以上の刑に処せられた者
 四 前号に該当する者を除く外、獣医師道に対する重大な背反行為若しくは獣医事に関する不正の行為があつた者又は著しく徳性を欠くことが明らかな者
 五 第八条第二項第四号に該当して免許を取り消された者
2 前項各号の一に該当する者から免許の申請があつたときは、農林水産大臣は、獣医事審議会の意見を聴いて免許を与えるかどうかを決定しなければならない。

(免許の取消し及び業務の停止)
第八条 獣医師が第四条各号の一に該当するとき、又は獣医師から申請があつたときは、農林水産大臣は、その免許を取り消さなければならない。
2 獣医師が次の各号の一に該当するときは、農林水産大臣は、獣医事審議会の意見を聴いて、その免許を取り消し、又は期間を定めて、その業務の停止を命ずることができる。 一 第十九条第一項の規定に違反して診療を拒んだとき。
 二 第二十二条の規定による届出をしなかつたとき。
 三 前二号の場合のほか、第五条第一項第一号から第四号までの一に該当するとき。
 四 獣医師としての品位を損ずるような行為をしたとき。

http://www.maff.go.jp/www/counsil/counsil_cont/tikusan/juiji/h15_dai2_menkyo.pdf
(2)獣医師法(昭和24年法律第186号)第8条第3項の規定に基づく意見の聴取について
医師法第8条第2項第3号に該当する獣医師に対する意見の聴取は、当該獣医師の出頭のもとに意見の聴取が行われ、当該獣医師の行政処分に係る審議が行われた。

http://www.maff.go.jp/www/counsil/counsil_cont/tikusan/juiji/h15_menkyo.pdf
(1)獣医師法第5条第1項第1号該当者の免許の交付に関する処理について
医師法第5条第1項第1号に該当する申請者よりの免許交付の処理経過について報告が行われた。
(2)獣医師法第5条第1項第3号該当者の免許の交付に関する処理について
医師法第5条第1項第3号に該当する申請者よりの免許交付の処理経過について報告が行われた。
(3)獣医師法(昭和24年法律第186号)第8条第3項の規定に基づく意見の聴取について
医師法第8条第2項第3号に該当する獣医師に対する意見の聴取は、当該獣医師の出頭のもとに意見の聴取が行われ、当該獣医師の行政処分に係る審議が行われた。
(4)その他
獣医事に関する不正行為をした獣医師に対する行政処分について検討が行われ、都道府県に対する指導の強化が必要であるとされた。また、広告違反の現状を把握し、引き続き検討することとされた。

行政処分事例はこのへんにあります
http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20041007#p13
http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20041007#p27