児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

司法書士:広告急増、苦情も…日司連、ガイドライン検討

 「喜びの声」ですか。

http://mainichi.jp/kansai/news/20090406k0000e040008000c.html
大阪司法書士会によると、昨年ごろからテレビや新聞、電車内などで司法書士の広告が目立ち始めた。利息制限法の上限(年15〜20%)を超える金利で借金した債務者に、過払い金の返還請求を呼びかけるものが大半。中には、相談件数を実績としたり、「ボーナスをもらえたようでうれしい」と依頼者の「喜びの声」で勧誘する事例もある。
 一方、同会には「仕事を依頼したのに何カ月も連絡がない」「『相談件数が年間1万件』など過大な実績を示している」「実在しない司法書士の名前を掲載している」などの苦情が増加。同会が事実確認のため、会員の司法書士から聴取をしたのは08年3月までは0件に対し、今年3月までの1年間では、すでに8件に上っている。
 同会は日司連の動きとは別に5月にも、名前や事務所所在地などの明示を定めたガイドラインを作成する予定だ。東京司法書士会は07年に「誇大または過度の期待を抱かせる広告」などを禁止する指針を策定している。
 過払い金請求を巡っては、利息制限法の上限と出資法の上限(年29.2%)の間の「グレーゾーン金利」を無効とする最高裁判決(06年)を契機に、相談者が急増。司法書士が新規の仕事として注目し「手間のかからない『おいしい仕事』だが、引き受けすぎて手が回らないこともある」との声も出ている。

画像の撮影→現像→焼付は形式的には製造罪2罪で、犯意が同一の場合は包括一罪

 単純一罪というのは誤りです。

阪高裁H14.9.10
児童ポルノとは,「写真,ビデオテープその他の物」であって「視覚により認識することができる方法により描写したもの」であることを要するが,有体物を記録媒体とする物であれば,必ずしもその物から直接児童の姿態を視覚により認識できる必要はなく,一定の操作等を経ることで視覚により認識できれば足りるから,写真の場合は現像ないし焼付け等の工程を経てこれが可能になる未現像フイルムや現像済みネガフィルム(以下,撮影済み及び現像済みネガフィルムを「ネガ」という。)は,これに当たると解するべきであるから,本件の場合,児童ポルノ製造罪は撮影により既遂になると解するのが相当である。また,上記第1記載の児童ポルノの頒布,販売目的等による製造等を処罰することにした趣旨からみて,新たに児童ポルノを作り出すものと評価できる行為はいずれも製造に当たると解するのが相当であるところ,これを写真についてみてみると,上記のとおり児童ポルノ製造罪は撮影によって既遂となるが,現像,焼付けもまたそれぞれ製造に当たるものと解され,各段階で頒布,販売等の目的でこれを行った者には児童ポルノ製造罪の適用があり,ただ,先の行為を行った者が犯意を継続して彼の行為を行った場合には包括一罪となるものと解される。従って,本件では現像行為は不可罰的事後行為とはならないから,現像行為を製造とした原判決には法令適用の誤りはない(もっとも,原判決は撮影,現像を単純一罪とするものか包括一罪とするものか定かではないが,単純一罪とするものであるとしても判決に影響しない。)。

13未満にわいせつ行為をするのは、強制わいせつ罪ではないのか?

 青少年条例違反の公訴事実なんですけど、そのままでも強制わいせつ罪(176条後段)ですよね。

公訴事実
被告人は
平成21年4月6日午後4時10分ころ,A県B市内ホテル1234号室において,C(当時10年)が18歳未満の者であることを知りながら,単に自己の性的欲望を満たす目的で,同女の乳房をもむなどした

 こんなの、強制わいせつ罪で裁けばいいものを、青少年条例違反で起訴されています。条例は法律に反することができないから、こういう行為を強制わいせつ罪で処罰するという刑法にも反してはならないと思うのですが、どうなんでしょうか?

 そういう棲み分けというか守備範囲論に注目すると、強制わいせつ罪(176条前段)では意思に反してわいせつ行為を行う程度の暴行脅迫が要件となっていることと比べると、条例の場合は「青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う「わいせつ行為」のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められないような「わいせつ行為」」だとして被害者の自由意思がある程度残っている場合というのだから、強制わいせつ罪(意思に反してわいせつ行為を行う程度の暴行脅迫が必要とされる)との重複を避けるために、条例の「わいせつ行為」が限定されているように読めますよね。

 最高裁大法廷昭和60年10月23日
事件名 福岡県青少年保護育成条例違反被告事件
本条例一〇条一項の規定にいう「淫行」とは、広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきではなく、青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められないような性交又は性交類似行為をいうものと解するのが相当である。
けだし、右の「淫行」を広く青少年に対する性行為一般を指すものと解するときは、「淫らな」性行為を指す「淫行」の用語自体の意義に添わないばかりでなく、例えば婚約中の青少年又はこれに準ずる真摯な交際関係にある青少年との間で行われる性行為等、社会通念上およそ処罰の対象として考え難いものをも含むこととなつて、その解釈は広きに失することが明らかであり、また、前記「淫行」を目して単に反倫理的あるいは不純な性行為と解するのでは、犯罪の構成要件として不明確であるとの批判を免れないのであつて、前記の規定の文理から合理的に導き出され得る解釈の範囲内で、前叙のように限定して解するのを相当とする。このような解釈は通常の判断能力を有する一般人の理解にも適うものであり、「淫行」の意義を右のように解釈するときは、同規定につき処罰の範囲が不当に広過ぎるとも不明確であるともいえないから、本件各規定が憲法三一条の規定に違反するものとはいえず、憲法一一条、一三条、一九条、二一条違反をいう所論も前提を欠くに帰し、すべて採用することができない。

消防士が女子高生買春?「一緒にいただけ」と否認

 行為否認
 レンタルルームとか、ネットカフェ。
 消防士の児童買春事件って、ときどきあって、秘密裏に自首した人もいます。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090406/crm0904062000030-n1.htm
逮捕容疑は昨年12月4日、東京都町田市のレンタルルームで生徒に2万円を手渡し、同月23日には同じレンタルルームで現金を渡さずに、それぞれわいせつな行為をした疑い。
県警によると、2人は携帯電話の出会い系サイトで知り合った。