児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

公然陳列罪と4項提供罪(不特定多数)は混合的包括一罪という検事さんの本

 そういうなら、いっぺん、4項提供罪(不特定多数)で起訴してみて下さいよ。
 WEB掲載という典型的なネット犯罪について、罰条が二つあるというのは、立法ミスですよ。
 こんなところをチェックして裁判所を困らせるのは奥村弁護人だけですよね。
 逆に、「その児童ポルノの画像データを自己のコンピュータにダウンロードしないで」閲覧できるかというと、できないんですよね。公然陳列行為=4項提供行為(不特定多数)です。既遂時期がずれるだけ。

特別法犯 警察官のための犯罪事実記載例P185
webサーバーのコンピュータのハードディスクに児童ポルノの画像データ(電磁的記録)を記憶・蔵匿させて不特定多数の者がそのデータ
の画像を認識できる状態を設定した場合(当該ハードディスクにアクセス可能な状態にした場合)、当該コンピュータのハードディスクが、児童ポルノを内容とする電磁的記録に係る記録媒体に該当し、児童ポルノの公然陳列罪が成立する(最判平13 7 16刑集55・5・317).その際、不特定多数の者が,当該画像デ-夕を閲覧するために,当該ハードディスクにアクセスして.その児童ポルノの画像データを自己のコンピュータにダウンロードした場合に、当該不特定多数の者の行為を介して,同人らのコンピュータに児童ポルノを内容とする画像デ-夕を提供したこととして,児童ポルノを内容とする電磁的記録の提供罪が成立するか否かについては,様々な考え方があり得るが、混合包括一非として,児童ポルノの公然陳列罪-罪の法定刑の範囲内で処理されることになると考えられる。

裁判に遅刻と特急を止める副検事(共同通信)

 奥村も和歌山地裁田辺支部の事件で白浜まで乗り過ごして戻ったことがありますが、裁判所に事前にそう言って謝りました。
 今度、豊橋支部の事件で「裁判に間に合わない。電車を止めてほしい」と申し出て、豊橋駅に「のぞみ」を停めていいですか?

http://newsflash.nifty.com/news/ts/ts__kyodo_2008012801000328.htm
裁判に遅刻と特急を止める(共同通信)
 長野県のJR篠ノ井線で、長野地検松本支部管内の40代の男性副検事が、特急しなの9号(大阪発長野行き)で松本駅を乗り過ごし、「裁判に間に合わない。電車を止めてほしい」と申し出て、通過駅で特急を緊急停車させていたことが28日分かった。JR東日本などによると、副検事は10日昼すぎ、午後1時半からの長野地裁松本支部での裁判に出廷するため、木曽福島駅から特急に乗った。

 通常の訴訟なら、遅刻したことが致命的なミスになることはありませんよね。遅刻を詫びれば済むことが多いです。
 身柄事件だと、護送の職員もからんで大人数に影響がありますけど。
 謝って済むことと済まないことがありますが、この場合は謝って済むことです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080128-00000079-san-soci
JR東日本などによると、副検事は10日昼すぎ、午後1時半からの長野地裁松本支部での裁判に出廷するため、木曽福島駅から特急に乗った。松本駅には1時ごろに到着したが、副検事は降りずに約10分後、車掌を通じて本来は通過駅の田沢駅で特急を止めて降車した。裁判には間に合ったという。
 同社によると、病人などのほか、受験生など事情を聴いた上で指令が緊急と判断すれば、特急を通過駅で止めることもあるという。
 緊急停車による遅れはなく、約100人の乗客から、苦情はでなかった。
 長野地検の高森高徳次席検事は「事実の確認中で処遇などは決めていない」と話している。

 旅程を考えてあげるとタクシーで引き返して14:46松本支部着となるが、13:00に遅刻がわかるから、連絡さえしておけば、法廷に出てこなくて、休憩しているということになります。

12:22 木曽福島
12:59 松本着
13:39 篠ノ井
13:40 篠ノ井
59.2Km タクシー料金 \18,530 (注意)
14:46 長野地方裁判所松本支部(丸の内)

 もっとも、そうやって遅刻しておいて「被告人の規範意識の欠如は顕著である」なんていうと、意地の悪い弁護人から「開廷時間を守れない検察官が『規範』『規範』と言っても説得力がない」なんてやり返されそうです。

 続報がありますね。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080129-00000111-sph-soci
車掌は、すぐに同支社の輸送指令室に連絡し、通過するはずだった田沢駅(安曇野市)で臨時停車した。副検事は同駅からタクシーで裁判所に直行し、無事公判には間に合ったという。
 緊急停車した田沢駅は、松本駅の次の駅だった。ダイヤ通りなら、次の停車駅は篠ノ井駅長野市)で、午後1時39分到着予定だったため、裁判には大遅刻するはずだった。
 緊急停車による遅れはなく、約100人の乗客がいたが、苦情などは出なかったという。

 旅程ソフトでみると、田沢駅で降りて引き返しても、13:30には間に合わないですね。

13:00松本駅 
13:08田沢駅
13:10田沢
 9.3Kmタクシー料金 \2,960 (注意)
13:35 長野地方裁判所松本支部(丸の内)

 遅刻してもしなくても、検察官が来ても来なくても、事件の本筋にはなんの影響もないと思いますが、奥村が弁護人なら、裁判所に止められるまで

 公共交通機関の100人の乗客の迷惑が窃盗事件の公判の開始が1時間遅れることによる関係者数人の迷惑と比べものにならないほど大きいことが明白であり、そのために特急を田沢に臨時停止させるとはまことに身勝手である
 寝過ごしたという言い訳も結局は自分の不注意であって、それを多数の乗客への迷惑をかえりみずに隠蔽しようとしたことはきわめて自己中心的であって斟酌する余地が全くない。
 次席検事に謝らせておいて自分は謝らないというのは、反省の態度が微塵もうかがえない。
 特急で先を急ぐ約100人の乗客に迷惑をかけて、社会的影響も大きい。
 実害を生じているかもしれない。被害者は厳重処罰を望んでいるに違いない。もうこんな副検事が乗っている特急には乗りたくないなどと述べているかもしれない。

とぶつぶつ言い続けるかもしれません。
 だいたい、検事は罪人に謝らせるばっかりで謝ることに慣れていない。

インターネット上の安全確保に関する世論調査 内閣府大臣官房政府広報室

 児童を処罰すべしという回答はないんんですね。現行法でも児童に罰則があるのに、裏付ける世論はなし。
 保護者の義務は重くできそうですね。被害者側の帰責事由だと主張しても、世論の33.5%が味方です。

http://www8.cao.go.jp/survey/h19/h19-inter/index.html
http://www8.cao.go.jp/survey/h19/h19-inter/2-2.html
(2) 児童が出会い系サイトで被害に遭わないための対策
 18歳未満の児童が出会い系サイトを利用して被害に遭わないようにするために,どのような対策が必要と思うか聞いたところ,「児童の利用ができなくする機器の開発やシステムの技術を促進する」を挙げた者の割合が48.1%と最も高く,以下,「サイトを開設することができる者を制限する」(43.1%),「サイト開設者がおこなうべき被害防止のための措置を強化する」(39.2%),「保護者に対して児童による利用を防止するよう義務づける」(33.5%)などの順となっている。なお,「わからない」と答えた者の割合が10.3%となっている。(複数回答,上位4項目)
 都市規模別に見ると,「サイト開設者がおこなうべき被害防止のための措置を強化する」を挙げた者の割合は中都市で高くなっている。
 性別に見ると,「児童の利用ができなくする機器の開発やシステムの技術を促進する」,「サイト開設者がおこなうべき被害防止のための措置を強化する」を挙げた者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
 年齢別に見ると,「児童の利用ができなくする機器の開発やシステムの技術を促進する」を挙げた者の割合は30歳代,40歳代で,「サイトを開設することができる者を制限する」を挙げた者の割合は30歳代から50歳代で,「サイト開設者がおこなうべき被害防止のための措置を強化する」を挙げた者の割合は20歳代から50歳代で,それぞれ高くなっている。
 性・年齢別に見ると,「児童の利用ができなくする機器の開発やシステムの技術を促進する」を挙げた者の割合は男性の30歳代,40歳代,女性の30歳代,40歳代で,「サイトを開設することができる者を制限する」を挙げた者の割合は男性の30歳代から50歳代,女性の20歳代から40歳代で,「サイト開設者がおこなうべき被害防止のための措置を強化する」を挙げた者の割合は男性の40歳代,女性の20歳代から50歳代で,それぞれ高くなっている。
 職業別に見ると,「児童の利用ができなくする機器の開発やシステムの技術を促進する」,「サイトを開設することができる者を制限する」,「サイト開設者がおこなうべき被害防止のための措置を強化する」を挙げた者の割合は管理・専門技術・事務職,労務職で,それぞれ高くなっている。(図7,表7)

 ↓この辺は、商売人ですから、コストと見合うかが問題ですね。違反しても制裁が弱ければ確認しないでしょう。

 ア 出会い系サイト開設者に義務づけるべき措置
 18歳未満の児童が出会い系サイトを利用して被害に遭わないようにするための対策として,「サイト開設者がおこなうべき被害防止のための措置を強化する」を挙げた者(1,179人)に,出会い系サイト開設者に対して,どのような措置を義務づけることが必要と思うか聞いたところ,「児童を誘うような書き込みをした投稿者をサイト開設者が判断し利用を停止する」を挙げた者の割合が73.2%と最も高く,以下,「児童を誘うような書き込み内容をサイト開設者が判断し削除する」(63.9%),「身分証明書の写しなどの提出により,利用者が18歳以上であることを厳格に確認する」(57.3%)などの順となっている。(複数回答,上位3項目)
 性別に見ると,「児童を誘うような書き込みをした投稿者をサイト開設者が判断し利用を停止する」,「児童を誘うような書き込み内容をサイト開設者が判断し削除する」を挙げた者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。
 年齢別に見ると,「児童を誘うような書き込みをした投稿者をサイト開設者が判断し利用を停止する」を挙げた者の割合は30歳代,40歳代で,「児童を誘うような書き込み内容をサイト開設者が判断し削除する」を挙げた者の割合は40歳代,50歳代で,「身分証明書の写しなどの提出により,利用者が18歳以上であることを厳格に確認する」を挙げた者の割合は30歳代で,それぞれ高くなっている。
 性・年齢別に見ると,「児童を誘うような書き込みをした投稿者をサイト開設者が判断し利用を停止する」を挙げた者の割合は男性の40歳代,女性の30歳代,40歳代で,「児童を誘うような書き込み内容をサイト開設者が判断し削除する」を挙げた者の割合は女性の30歳代から50歳代で,「身分証明書の写しなどの提出により,利用者が18歳以上であることを厳格に確認する」を挙げた者の割合は女性の20歳代,30歳代で,それぞれ高くなっている。
 職業別に見ると,「児童を誘うような書き込み内容をサイト開設者が判断し削除する」を挙げた者の割合は家族従業者で高くなっている。(図8,表8)

 この辺は児童ポルノ規制の強化ということでしょうね。

(2)インターネット上で警察に取り締まりを要望する犯罪
 警察に特に力を入れて取り締まってほしいインターネット上の犯罪は何か聞いたところ,「児童買春・児童ポルノなど児童が性的被害に遭う犯罪」を挙げた者の割合が64.5%と最も高く,以下,「わいせつな画像をインターネット上に公開する行為」(56.4%),「殺人や爆破などの予告」(53.3%),「ワンクリック請求などの架空・不当請求」(51.5%),「麻薬などの規制薬物に関する広告」(51.2%),「銀行口座や携帯電話などの違法な取引」(50.9%),「他人のパスワードを無断で使用するなどの不正アクセス」(50.8%)などの順となっている。(複数回答,上位7項目)
 都市規模別に見ると,「ワンクリック請求などの架空・不当請求」,「他人のパスワードを無断で使用するなどの不正アクセス」を挙げた者の割合は大都市で,「銀行口座や携帯電話などの違法な取引」を挙げた者の割合は中都市で,それぞれ高くなっている。
 性別に見ると,「児童買春・児童ポルノなど児童が性的被害に遭う犯罪」,「わいせつな画像をインターネット上に公開する行為」を挙げた者の割合は女性で,「ワンクリック請求などの架空・不当請求」を挙げた者の割合は男性で,それぞれ高くなっている。 年齢別に見ると,「児童買春・児童ポルノなど児童が性的被害に遭う犯罪」を挙げた者の割合は30歳代から50歳代で,「わいせつな画像をインターネット上に公開する行為」,「殺人や爆破などの予告」を挙げた者の割合は40歳代,50歳代で,「ワンクリック請求などの架空・不当請求」を挙げた者の割合は20歳代から40歳代で,「麻薬などの規制薬物に関する広告」を挙げた者の割合は30歳代から50歳代で,「銀行口座や携帯電話などの違法な取引」,「他人のパスワードを無断で使用するなどの不正アクセス」を挙げた者の割合は20歳代から40歳代で,それぞれ高くなっている。
 性・年齢別に見ると,「児童買春・児童ポルノなど児童が性的被害に遭う犯罪」を挙げた者の割合は女性の20歳代から50歳代で,「わいせつな画像をインターネット上に公開する行為」を挙げた者の割合は男性の50歳代,女性の30歳代から50歳代で,「殺人や爆破などの予告」を挙げた者の割合は男性の40歳代,50歳代,女性の40歳代で,「ワンクリック請求などの架空・不当請求」を挙げた者の割合は男性の20歳代から40歳代,女性の20歳代から40歳代で,「麻薬などの規制薬物に関する広告」を挙げた者の割合は男性の30歳代から50歳代で,「銀行口座や携帯電話などの違法な取引」を挙げた者の割合は男性の40歳代,女性の30歳代,40歳代で,「他人のパスワードを無断で使用するなどの不正アクセス」を挙げた者の割合は男性の30歳代,40歳代,女性の20歳代から40歳代で,それぞれ高くなっている。
 職業別に見ると,「児童買春・児童ポルノなど児童が性的被害に遭う犯罪」を挙げた者の割合は管理・専門技術・事務職で,「わいせつな画像をインターネット上に公開する行為」を挙げた者の割合は労務職で,「ワンクリック請求などの架空・不当請求」を挙げた者の割合は管理・専門技術・事務職,労務職で,「麻薬などの規制薬物に関する広告」,「銀行口座や携帯電話などの違法な取引」を挙げた者の割合は管理・専門技術・事務職で,「他人のパスワードを無断で使用するなどの不正アクセス」を挙げた者の割合は管理・専門技術・事務職,労務職で,それぞれ高くなっている。(図18,表18)

警察に告ぐ。判例は聞いてくれれば教えるから。

 毎日、毎日、早朝深夜に、警察のipで変なキーワードで検索されてるんですが、判例は国民共有だと思っているので、聞いてくれれば教えますから。
それから、捜査した事件については、地裁を傍聴するだけじゃなくて、地裁の判決と、控訴されたら控訴審控訴趣意書と判決も取り寄せて下さいね。