児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

未検挙の半数、ネットカフェ発=不正アクセス、匿名性隠れみの−警察庁

 公衆電話使うのにID確認するようになる感じですが。犯罪捜査と言われれば反対しづらいところですね。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070329-00000039-jij-soci
2005年に警察が認知した不正アクセス行為592件のうち、昨年5月末時点で未検挙(277件)の半数に当たる139件がインターネットカフェなどのコンピューターから実行されていたことが29日、警察庁のまとめで分かった。いずれも店舗での本人確認などをしておらず、容疑者特定に至らなかった。
 ネットカフェの匿名性が捜査の壁になっているとして・・・

押収のわいせつDVD複製、巡査長「上司らに頼まれ」

 「2人に手渡す」と多数になりますから、4項提供罪(不特定多数)×2(併合罪)。
 その目的でダビングするのは5項製造罪(不特定多数)×2(併合罪
処断刑期の上限は懲役7年6月、
 一般人なら逮捕されて罰金〜懲役1年(執行猶予3=4年)ですよね。
 薬物並みの厳しさですから、証拠物の薬物を回し打ちしたくらいの不祥事ですね。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070329-00000407-yom-soci
関係者によると、同署は今年2月、違法なわいせつDVDやビデオを制作、販売していた羽生市の業者を家宅捜索し、証拠品としてDVDやビデオテープのほか、DVDを複製する機械を押収した。巡査長は、この事件の捜査班の一員で、家宅捜索後、署内で、DVDのうち十数枚を業者から押収した機械を使って複製。3月上旬、上司ら2人に手渡したという。

第7条(児童ポルノ提供等)
児童ポルノを提供した者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を提供した者も、同様とする。
2 前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。同項に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記録を保管した者も、同様とする。
3 前項に規定するもののほか、児童に第二条第三項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第一項と同様とする。
4 児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を不特定又は多数の者に提供した者も、同様とする。
5 前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。同項に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記録を保管した者も、同様とする。
6 第四項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを外国に輸入し、又は外国から輸出した日本国民も、同項と同様とする。

 いいわけとしては、研究目的だったとか、フォレンジックの手法としてまず複製して分析するのが鉄則だとか。

<児童ポルノ>対策シンポ開かれる スウェーデン大使館で

 いよいよ単純所持罪のようです。
 一向に減らないし、反対勢力も表に出てこないしということで、導入へ。劇薬でもなんでも使う。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070329-00000099-mai-soci
 ユニセフ議員連盟会長の谷垣禎一財務相が「法制度にも課題が残されており、対策を急ぐ必要がある」と述べた。
 児童ポルノとインターネットの問題について、パーション捜査官は「ネットに画像が公開されると、取り除くことができない。虐待された事実が被害者の人生に永遠についてまわる」と指摘。違法なホームページを閲覧できないようにするブロッキングと呼ばれる手法が「画像の拡散を防ぐ唯一の方法だ」と語った。こうした対策がネットの自由を規制するとの声には「これはネットの規制の問題ではなく、人権の問題だ」と説明した。

 被描写者(被害児童)の権利侵害ということで広く・重い規制が合理化できると思うんですが、大阪地裁には3項製造罪(姿態とらせて製造)の保護法益は個人的法益ではないとキッパリいう判決(実刑)があります。



追記
「個人的には、改正よりも、新法を立てるべきだと思う」とは、野田先生も少し勉強されたようです。児童ポルノ法と分けるところについては応援します。
 製造罪と児童淫行罪の罪数についても、立法者から一言欲しいところです。

http://internet.watch.impress.co.jp/cda/event/2007/03/30/15252.html
来賓挨拶では、野田聖子衆議院議員が法改正について言及した。野田議員は、児童買春・児童ポルノ禁止法の改正を推進している。「1つ目は、単純所持の禁止を盛り込みたい。2つ目は、子供ポルノアニメ・漫画の取り扱いに関する法律。これは、数年前にチャレンジしたが、インターネットで散々叩かれた。いずれにしても、児童ポルノ法や児童虐待防止法などを改正して対応したい」と述べた。
 また野田議員は、「児童ポルノ法や児童虐待防止法は現実の児童を対象にしたもので、アニメなどフィクションなものに対応するには、かなりの法改正が必要となり、時間がかかってしまう。個人的には、改正よりも、新法を立てるべきだと思う。そこで重要なのは、国際的な基準に合わせること。アニメや漫画などを日本の輸出産業に位置づけていくのであれば、世界的な基準に合致したモラルを確立するのは重要なこと」と語った。
違法画像が投稿された掲示板自体を摘発対象に入れるべきではないかという質問に対し、インターネット・ホットラインセンターの吉川誠司シニアアナリストは、「法的には、違法な画像が投稿された時点で公然陳列にあたるので、検挙は可能だと思う。ただし、ホットラインセンターでは、違法画像を見つけた場合に削除要請をする立場なので、取り締り対象を決めるのは難しい」と説明する。

 現場では、掲示板の管理者が有罪であって、ただ、正犯か従犯の問題だけです。