児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

判例では、自撮り(sexting)の製造罪を、受け取った側の単独正犯として検挙しているのに、今頃「自画撮り画像を送信するまでのやり取りや当時の心境」を調査する警察

 刑法の理屈では、児童が製造犯の正犯と理解するしかないですけどね。
 「完全に道具になってました」という結果になってないと納得できないな。

児童ポルノ拡散深刻、「自撮り」1万世帯調査へ
読売新聞 12/10(土) 20:06配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161210-00050073-yom-soci
児童ポルノ拡散深刻、「自撮り」1万世帯調査へ
(写真:読売新聞)
 中高校生を中心に自画撮りのわいせつ写真がインターネット上に拡散する被害の急増を受け、警察庁は全国の中高生らと保護者1万世帯を対象に実態調査を行う方針を固めた。
 ツイッターフェイスブックなどで知りあった相手にだまされ、無料通話アプリ「LINE」などで画像を送信させられるケースが多く、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の利用実態を把握し、抑止につなげるという。
 調査は来年度に実施する方針。1万世帯の子供や保護者を対象に、スマートフォン保有状況、SNSの使用目的や頻度、保護者が子供の利用実態を把握しているかなどを確認する。これとは別に、子供の被害者約500人からも、自画撮り画像を送信するまでのやり取りや当時の心境などを聞き取り、分析する。

 形式的には製造罪・提供罪の正犯になる被害児童に聞き取り調査するには、訴追免責とか考えないとな

児童ポルノ 拡散深刻 「自画撮り」1万世帯調査 警察庁 来年度方針
2016.12.10 東京夕刊 読売新聞
 中高校生を中心に自画撮りのわいせつ写真がインターネット上に拡散する被害の急増を受け、警察庁は全国の中高生らと保護者1万世帯を対象に実態調査を行う方針を固めた。ツイッターフェイスブックなどで知りあった相手にだまされ、無料通話アプリ「LINE」などで画像を送信させられるケースが多く、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の利用実態を把握し、抑止につなげるという。

 調査は来年度に実施する方針。1万世帯の子供や保護者を対象に、スマートフォン保有状況、SNSの使用目的や頻度、保護者が子供の利用実態を把握しているかなどを確認する。これとは別に、子供の被害者約500人からも、自画撮り画像を送信するまでのやり取りや当時の心境などを聞き取り、分析する。

 警察庁によると、昨年1年間に、裸の画像を撮影されるなどした18歳未満の児童ポルノ被害者は、過去最多の905人で、統計を取り始めた2000年の約7倍に激増。うち41・5%にあたる376人は、自分で撮った裸や下着姿の写真を送信させられた「自画撮り」の被害者で、中高生が93・6%を占め、大半はSNSで知り合った相手に裸や下着姿の画像を送信していた。
 「好きだよ」「君のことを知りたい」などと言われた被害者が、自画撮り画像の求めに応じてしまったケースがあった。
 また、発育に悩む女子中学生になりすまし、「私の体と比べたい」と持ち掛けたり、ネット掲示板で女子高生にチケットを渡すと持ちかけたりする手口で、裸の写真を送らせた事件もあった。先月には、「言うことを聞いたらスタンプをあげる」などと小学生女児にメッセージを送り、わいせつ画像をLINEで送信させた疑いで、トラック運転手の男(47)が大阪府警に逮捕された。

 送信した画像が勝手にインターネットに掲示される被害も多く、ネット上に流出後、ダウンロードされ、10年以上にわたって拡散している画像もある。警察庁の担当者は「家庭環境が及ぼす影響など被害を生む背景も綿密に分析し、効果的な対策を講じたい」と話している。

 ◆流出画像 回収ほぼ不可能(解説)
 児童ポルノの被害が深刻なのは、いったんネット上に流出した画像は回収がほぼ不可能になるためだ。
 ネット掲示板や交流サイトに転載され、被害者はいつまでも心に傷を負い続ける。削除しようとしても、手の打ちようがないのが現実だ。
自画撮り画像の被害は、甘言にのせられたり、小遣い欲しさから送信したりするケースが多いが、「自己責任」で片づけるには被害はあまりにも深刻だ。小学生にもスマホが普及する中、利用実態の把握を通じ、早急に対策を講じる必要がある。(社会部 吉田敏行)
 〈自画撮り〉
 スマートフォンなどで自らの画像を撮ること。自分の方に向けて撮影でき、すぐに送信できるスマホの普及に伴い、広まった。18歳未満の児童に自分のわいせつな写真を撮らせる行為は、児童買春・児童ポルノ禁止法の製造罪にあたり、3年以下の懲役または300万円以下の罰金。
読売新聞社

東スポの事情通

http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/627920/
中高生を中心に自撮りわいせつ画像がネット上に拡散される被害が急増し、警察庁は対策に乗り出している。なぜ中高生の自撮りわいせつ画像がネット上に流出してしまうのか。
「(LINE)スタンプをあげる」の誘い文句で小学生の女児に裸の画像を送るよう求め、児童ポルノ禁止法違反容疑で先日逮捕された埼玉県草加市の男(47)は「お小遣いが少ない小学生を狙った。高校生には通じなかった」と供述した。
 事情に詳しい40代男性は「バイト経験のない小中学生は現金のやりとりを怖がるのでゲームソフト、アニメグッズ、ジャニーズのグッズなど“物々交換”が基本です。高校生でも大金をもらうのは怖いけど少額なら親にバレないし罪悪感が薄れるのか、1000円分の図書カードで裸の画像を送ってくる子もいる」という。

 なぜ少女たちは自分の裸を安売りするのか。「思春期の子は自分のスタイルが気になるみたいで、男目線で自分の体への評価が欲しいみたい。ネットで知り合った男にまくために画像をストックしているのか『送ってよ』と言ったら割とすぐに送るんです」(前出の男性)

 わいせつ画像を巡っては、少女らが平気で犯罪を行っているケースもある。「『更衣室の着替え動画あるよ』などクラスメートをターゲットにした隠し撮り画像を持ってる子がいるんです。都内のある女子校では、校内カースト上位のいけ好かない同級生の着替え写真を名前や利用駅の個人情報付きで送ったりもしている」(同

被害児童も処罰されるという根拠を挙げておきます

http://taroyamada.jp/?p=5741
186-参-法務委員会-024号 2014年06月17日(未定稿)
山田太郎
 もう一つ、ちょっと細かいんですけれども、コスプレーヤーの方から結構今回質問が多くて、非常に心配であると。先ほど着エロなんという話も佐々木議員の方からもあったんですけれども、例えば自画撮りでこの三号ポルノの要件に該当するような写真をホームページでアップした場合に、例えば頒布罪としてこの法律で取り締まられる可能性があるのかどうか、この辺り、これは法務省になると思います。お答えください。
国務大臣谷垣禎一君)
 これは、先ほどから御答弁がありますように、証拠に照らして個別に判断しなければ該当するかどうかというのは申し上げにくいんです。
 ただ、一般論として申し上げれば、いわゆるコスプレ写真であるか否かにかかわらず、この二条三項三号の要件を満たす写真等々をネット上にアップロードしていく、こういう行為は、被写体となっている児童本人がこれを行う場合も含めて、児童ポルノの提供罪あるいは公然陳列罪が成立し得る場合があるというふうに考えております。
山田太郎
 まさにそうなんですね。この法律は、被害者である子供を守るはずが自ら加害者になってしまうケースもあるということで、やはり個人法益なのか社会法益なのか、本来、法律の立て付けをきちっと議論してスタートするべき部分もあったんじゃないかなというふうに実は思っています。

神戸地裁H24.12.12
理由
犯罪事実
被告人は
第1 16Aが18歳に満たないことを知りながら
1 同女と共謀の上 前後2回にわたり ■(Aの住所)において
同女に上半身裸で乳房を露出した姿態をとらせた上 同女において 同女の携帯電話機のカメラ機能を利用して静止画として自ら撮影し、前後2回にわたり その画像データを被告人が使用する携帯電話機に宛てて電子メールの添付ファイルとしてそれそれ送信して
いずれもその頃 大阪府内の被告人方において 同画像データを 同携帯電話機に受信してこれを記憶させて蔵置して 
もって 児童に衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものをとらせ これを視覚により認識する事ができる方法により電磁的記録にかかる記憶媒体に描写し、当該児童に係る児童ポルノを製造し、
証拠の標目
 省略

第1の1の罪に関する主位的訴因について
第1の1の罪の主位的訴因にかかる公訴事実においては被告人が単独で児童ポルノを製造したとされており この点 検察官は被告人が自らの携帯電話機に画像データが添付されたメールを受信してそのデータを保存した行為が児童ポルノ製造の実行行為であると主張する
しかし 当裁判所は、証拠上 被告人が製造行為を行ったとは認められず、 従って単独正犯としての被告人の罪責を問うことはできないと判断し、予備的訴因(被害児童との共同正犯)に基づき有罪と認定した
その理由は次の通りである
 本件のメールの受信については、関係証拠によっても、被告人がその受信の際、自己の携帯電話機を用いて何らかの具体的操作を行ったことを示唆する証拠はない。昨今の携帯電話機のメール機能では、サーバーから自動的に個々の携帯電話機にメールデータが保存される設定となっているのが通常であり(これは公知の事実である。)、被告人の携帯電話機も同様であったとうかがわれること(甲5)からすれば、 被害児童が当該画像データを添付したメールを被告人の携帯電話機宛てに送信したことにより その後 被告人において特段の操作を行うことなく サーバーを介して自動的に同携帯電話機かそのデータを受信し、メールに添付された画像データごと同携帯電話機に保存されたものと推認される
このように メールの受信が自動的に行われ 被告人の側で受信するメールを選別したり 受信するかどうかを決定することができない状態であったこを踏まえれば このような方法で行われるメールの受信(厳密にはメールデータの携帯電話への保存)をもって 被告人による製造行為ととらえることは困難というほかない
 以上の通り 被告人が児童ポルノの製造の実行行為を行ったとは認められず 主位的訴因については犯罪の成立を認めることができないと判断した(なお 付言すると 当時16歳という被害児童の年齢や 被告人は要求の際に欺罔・脅迫等の手段を用いて織らず、被害児童が被告人の要求に応じた主たる理由は被告人への好意にあったことなどすれば 本件については証拠上 間接正犯の成立も認めることができない)。