児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

国立大学の学生証を偽造したら公文書偽造罪ですよ。

 法廷入ったら裁判官が3人いてビックリ。

国立大学法人法
(役員及び職員の地位)
第十九条  国立大学法人の役員及び職員は、刑法 (明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

刑法第一五五条(公文書偽造等)
 行使の目的で、公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

裁判所法第二六条(一人制・合議制)
?左の事件は、裁判官の合議体でこれを取り扱う。但し、法廷ですべき審理及び裁判を除いて、その他の事項につき他の法律に特別の定があるときは、その定に従う。
二 死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪(刑法第二百三十六条、第二百三十八条又は第二百三十九条の罪及びその未遂罪、暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)第一条ノ二第一項若しくは第二項又は第一条ノ三の罪並びに盗犯等の防止及び処分に関する法律(昭和五年法律第九号)第二条又は第三条の罪を除く。)に係る事件

有印私文書偽造,有印私文書偽造(変更後の訴因 有印公文書偽造),有印公文書偽造,建造物損壊,非現住建造物等放火被告事件

横浜地方裁判所判決平成28年3月17日
       理   由

 【罪となるべき事実】
第1(平成24年12月19日付け追起訴状記載の公訴事実第1関係)
  被告人は,平成23年8月中旬頃から同月下旬頃までの間,鹿児島県内,東京都内又はその周辺において,行使の目的で,ほしいままに,パーソナルコンピュータ及びプリンタ等を使用し,□□大学の学生証様の書式の左側部分にA1の顔写真,所属欄に「医学部医学科」,氏名欄に「A1」,同書式の右下部分に「□□大学医学部長」及び同学部長の公印を模した印影の表示されたデータを作出し,これをプラスチックカードに印刷するなどし,もって□□大学医学部長作成名義の有印公文書である学生証1通(平成25年押第41号の3)を偽造した。
第2(平成24年12月19日付け追起訴状記載の公訴事実第2関係)
  被告人は,平成23年10月上旬頃から同月中旬頃までの間,鹿児島県内,東京都内又はその周辺において,行使の目的で,ほしいままに,パーソナルコンピュータ及びプリンタ等を使用し,□□大学の学生証様の書式の左側部分に前記A1の顔写真,所属欄に「法学部」,氏名欄に「A1」,同書式の右下部分に「□□大学法学部長」及び同学部長様の公印を模した印影の表示されたデータを作出し,これをプラスチックカードに印刷するなどし,もって□□大学法学部長作成名義の有印公文書である学生証1通(平成25年押第41号の4)を偽造した。

 【法令の適用】
1 被告人の判示第1及び第2の各行為は,いずれも刑法155条1項,国立大学法人法19条に,
 【量刑の理由】
1 判示第1から第7までの偽造関係事件の各犯行は,各種文書を偽造する旨を掲載したインターネットサイトを運営していた被告人が,そのインターネットサイトを閲覧した者から各種文書の偽造を依頼されるのに応じ,自動車運転免許証,卒業証明書,学生証その他の身分等を証明する文書を,営業的かつ常習的に偽造していた中で敢行されたものと認められる。偽造の態様は,パーソナルコンピュータ,プリンタ等を用いて,精巧な文書を作成するというものであって,被告人が偽造した文書が,現に,真正な文書として使用されたこともあるなど,公文書及び私文書に対する公共の信頼を害した程度は,非常に大きい。以上の犯情に照らすと,判示第1から第7までの偽造関係事件についての被告人の責任は相当に重い。