児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「再度の執行猶予がついたとしても,前刑の執行猶予が取り消される可能性もあります」とか「刑法に明確な規定がありまして、前回の執行猶予のときの刑が1年を超えているので、執行猶予の可能性はない」とかいう回答

 再度の執行猶予の要件は25条2項。今回の刑期が1年以下であるというのが要件。
 再度の執行猶予の宣告によって、前刑の執行猶予が取り消されることはないことは26条1号。任意的取消もないことは26条の2。取り消されるのであれば意味無いよね。

第25条(執行猶予)
1次に掲げる者が三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間、その執行を猶予することができる。
2 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあってもその執行を猶予された者が一年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときも、前項と同様とする。ただし、次条第一項の規定により保護観察に付せられ、その期間内に更に罪を犯した者については、この限りでない。

第26条(執行猶予の必要的取消し)
次に掲げる場合においては、刑の執行猶予の言渡しを取り消さなければならない。ただし、第三号の場合において、猶予の言渡しを受けた者が第二十五条第一項第二号に掲げる者であるとき、又は次条第三号に該当するときは、この限りでない。
一 猶予の期間内に更に罪を犯して禁錮以上の刑に処せられ、その刑について執行猶予の言渡しがないとき。
二 猶予の言渡し前に犯した他の罪について禁錮以上の刑に処せられ、その刑について執行猶予の言渡しがないとき。

第26条の2(刑の執行猶予の裁量的取消し)
次に掲げる場合においては、刑の執行猶予の言渡しを取り消すことができる。
一 猶予の期間内に更に罪を犯し、罰金に処せられたとき。
二 第二十五条の二第一項の規定により保護観察に付せられた者が遵守すべき事項を遵守せず、その情状が重いとき。
三 猶予の言渡し前に他の罪について禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を猶予されたことが発覚したとき

 なお、刑の一部の執行猶予が施行されると法文が変わる。

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO86597580Q5A510C1CR8000/
薬物使用者や初めて刑務所に入る受刑者らが早めに出所することになる「刑の一部執行猶予制度」が来年6月までに始まる。保護観察対象となる薬物依存者が急増する見込みで、専門家は「再犯防止のためにも治療態勢の拡充を急ぐ必要がある」と指摘する。

http://www.bengo4.com/hanzai/1095/b_344247/
Q 再度の執行猶予の要件2015年04月27日 20時08分

Y弁護士の回答2015年04月27日 21時45分
保釈中であるということは,正式起訴されたものと思われます。
となると,再度執行猶予がつく可能性はかなり低いと思います。仮に執行猶予がついたとしても,前刑の執行猶予が取り消される可能性もありますので,懲役に行く可能性は高いと思っておいた方がいいかもしれません。

T弁護士の回答2015年04月27日 23時37分(東京地検公判部など検事歴4年。検察・警察の手の内を熟知。それを先読みした弁護をします)
刑法に明確な規定がありまして、前回の執行猶予のときの刑が1年を超えているので、執行猶予の可能性はないように記憶しているのですが、間違えているかも知れません。