児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童ポルノをインターネット・オークションの落札者にあてて外国から郵送した行為が,「不特定の者に提供する目的で《外国から輸出したものといえるとされた事例判例タイムズ1289号 [2009年4月15日号]

 6項後段の外国から輸出罪。
 立法者は

森山野田「よくわかる改正児童買春ポルノ法P103
第6項で、外国に輸入すること及び外国から輸出することを処罰しているのは、東南アジアで児童ポルノを製造しそれを欧米に輸出するといった実情に対処するためです。ただ、日本国外で行われる犯罪ですので、その処罰は、日本国民による犯罪のみを対象とすることとしています。外国こ輸入すること及び外国から輸出することは、外国でしか実行行為ができませんが、このような犯罪については、「者」と規定すると外国人も対象とされると解釈きれますので、「日本国民」と規定しました。

という想定でしたが、捕まったのは、日本の個人向けに通販していた日本人でした。それは、要するに日本国内の特定人に提供しているだけなので、提供罪のみでいいんじゃないかと思うのですよ。無理して6項輸出罪を適用しようとすると、特定人への輸出に見えるんですよね。

判例タイムズ1289号 [2009年4月15日号]
http://www.hanta.co.jp/hanta-new.htm
[特別刑法]
4(最高裁第二小法廷平20.3.4決定)
児童ポルノをインターネット・オークションの落札者にあてて外国から郵送した行為が,「不特定の者に提供する目的で《外国から輸出したものといえるとされた事例

第7条(児童ポルノ提供等)
4 児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を不特定又は多数の者に提供した者も、同様とする。
5 前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。同項に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記録を保管した者も、同様とする。
6 第四項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを外国に輸入し、又は外国から輸出した日本国民も、同項と同様とする。