児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

強盗強姦の機会における5項製造罪は、併合罪となる(高松高裁H23.12.13)

 この1審判決は、強制わいせつ罪と5項製造罪(不特定多数)を観念的競合としています。訴因から観念的競合です。
 わいせつ行為は強盗強姦に吸収されますよね。撮影行為というのはわいせつ行為だし、強姦罪の訴因で撮影行為に触れたものが多いので、強盗強姦に製造罪をが吸収されるとか包括されるという考え方もできると思うんですよ。

強盗強姦,強盗強姦未遂(原審認定罪名:強盗強姦未遂,強盗未遂),強盗,強制わいせつ,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反,恐喝被告事件
高松高等裁判所判決平成23年12月13日
LLI/DB 判例秘書登載

第3 弁護人の控訴趣意中,法令適用の誤りの論旨について
 論旨は,?第4の強盗強姦未遂と第5の児童ポルノ製造,?第8の強盗強姦と第9の児童ポルノ製造,?第10の強盗強姦と第11の児童ポルノ製造の各罪は,いずれもそれぞれ包括一罪の関係にあるのに,これを併合罪とした原判決には判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがあるというのである。
 しかしながら,それぞれの犯行の態様及び各罪の保護法益の差異に鑑みれば,上記?ないし?についていずれも包括一罪関係にあるとはいえない。所論は,強盗強姦罪(未遂含む)に吸収される強制わいせつ罪と児童ポルノ製造罪は観念的競合の関係にあるから,強盗強姦罪児童ポルノ製造罪は包括一罪関係にあると主張するようであるが,独自の見解であり,採用することができない。
 したがって,?ないし?について,いずれも併合罪として処断した原判決に所論指摘の法令適用の誤りは認められない。
 論旨は理由がない。