児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

増田啓祐「常習性と量刑」判例タイムズ1325号P44

 常習の事件が来たら、弁論要旨に書いてみよう。

3 性犯罪(強制わいせつ,強姦罪等)
性犯罪(強制わいせつ,強姦等性的自由を侵害する罪を念頭に置いている。)は,行為者の性的傾向に基づく犯罪であり.反復されることが少なくない犯罪類型といえよう。 強姦罪等は,法定刑も重く,被害も重大で、あって. 1件のみでも重い刑が科され.複数犯行が起訴されて有罪とされた場合には,相当程度重く処罰されることとなるが.これは,主として複数犯行による行為責任の増大によるものであろうが,犯行回数や手口の類{以性等から推認される常習性自体も量刑上考慮されているものと思われる。
また,同種前科が存在する場合には一層重く処罰されるが,これは,これまで述べてきたのと同様,同種前科が常習性を推認させるとともに.特に強姦罪の場合には,以前に重く処罰されてそれだけ強く刑の感銘力を受けたのに犯行を思い止まらなかったという意味において.窃盗罪の場合等に比べても,より強い責任非難を受けるからであると考えられる。
さらに,被告人の供述から認められる同種余罪も常習性を推認させる事情とはなり得ようが,そのことによって手口の巧妙さや犯意の強さが推認できる場合であればともかく.同種余罪の存在から常習性が推認できるというだけで,刑が大きく加重されることは少ないのではなかろうか。