児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

判例違反を主張している控訴事件で、結審後に「同種事件の裁判例を持ってるんなら持ってこい」と言われたこと

 前にも名古屋で結審後に廊下で呼び止められたことがあります。

 前提性犯罪(青少年条例違反)と3項製造罪(姿態とらせて製造)の罪数の問題。
 一応、持ってる判決は裁判所に見せようと思って証拠請求するんですが、検察官は「固有名詞が出ている。むにゃむにゃ・・・」とか言って不同意。
 弁護人は伝聞例外の323条を考えるんですけど、控訴趣意書の注釈で裁判例の全文を引用したから職権で調べてくれるはずだし、知らないままよそと違う判断して恥をかくのは高裁だからというので、撤回して持って帰ってきた。

第392条〔調査の範囲〕
控訴裁判所は、控訴趣意書に包含された事項は、これを調査しなければならない。
控訴裁判所は、控訴趣意書に包含されない事項であつても、第三百七十七条乃至第三百八十二条及び第三百八十三条に規定する事由に関しては、職権で調査をすることができる。

 帰ったところで「事実上みるから、判決書を持ってこい」という電話。やっぱりよその判決が気になるのか?
 実は、東京高裁が児童買春と5項製造罪(不特定多数)の罪数について判断する予定なんだが、それは併合罪だったら黙っておいて、観念的競合だったら大阪高裁にも教える。
 まあ、大阪高裁は大阪高裁であって、東京高裁でも札幌高裁でもない独自路線だし、理屈っぽくないそれなりの見識があると思うので、それも聞きたいところ。