裁判例を挙げると、もっともらしいでしょ。
製造はいずれも販売を目的としていることから、製造罪と提供罪は牽連犯である。
つまり、児童ポルノ製造罪・所持罪には提供等の目的が要件となっていることからは、製造罪・所持罪と提供罪との牽連関係は条文上も明かである。
そして、児童ポルノ法の趣旨にかんがみれば、ある被害児童を被描写者とする児童ポルノが製造・所持・提供されるというのは、その被害児童に対する一連の性的虐待に他ならないから、児童毎に包括して、一連の過程を牽連犯と評価するのが、正当である。
「牽連犯となるためには、犯人が主観的にその一方を他方の手段又は結果の関係において実行したというだけでは足りず、その数罪間にその罪質上通例手段結果の関係が存在すべきものたることを必要とする」というのが確立した判例*1*2*3*4であるが、製造罪はまさに提供目的のもののみが処罰されており、製造しないと販売できないのであるから、罪質上の手段又は結果の関係は自明である。また、本件において主観的にも提供するために製造して、製造したものを提供したという手段又は結果の関係も証拠上明かである。
同種裁判例としては、苫小牧支部判決などがある。
裁判例として製造罪と他の児童ポルノ罪を一罪とするものは多い。①横浜地裁H15(製造罪→所持罪)
製造罪と所持罪は一罪
②千葉地裁H14(製造→販売)
製造罪と販売罪は一罪。
③岡山地裁H16(製造→陳列)
製造と陳列を包括一罪とするもの
④札幌地裁苫小牧支部(製造→販売)
牽連犯
⑤奈良地裁H18
牽連犯