児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

略式命令の場合の証拠も見てみよう

 自白事件でも公判請求された事件では、懲役刑が懸かっているわけですし、争う機会を与えられているので、情状に関わる点にはこだわりますよね。

  • 対償供与の金額が違う
  • 年齢知情の時期や程度が違う
  • 行為態様が違う
  • 被害感情

など。

 これに対して、略式の場合は、被告人は証拠を見ないで略式手続に同意しているので、細かい点は意外といい加減です。こだわったところで罰金に決まったわけですから。
 奥村は、略式の事案でも、一応、被告人に関係証拠の概要を確認してもらっています。
 こんなこともありました。
 被告人Aの児童買春の略式命令の記録で、被害児童B(16)の

平成18年4月29日、
私は援助交際をしたのはこのときが初めてでした。
ホテルなど知らないので、Aが適当に選んで決めました。
援助交際はもうしません。
何も知らない私をたぶらかせて援助交際させたAを許せません。

という調書があった。
 被告人Aは

私も土地勘がなかったので
ホテルはBが選んだ。

という。他にも細かいところが違うらしいが、児童買春の事実は間違いないので略式命令確定。

 その後、被告人Cの児童買春の略式命令の記録で、被害児童は同じく児童B(16)。Bの

平成18年6月3日、
私は援助交際をしたのはこのときが初めてでした。
ホテルなど知らないので、Cが適当に選んで決めました。
援助交際はもうしません。
何も知らない私をたぶらかせて援助交際させたCを許せません。

という調書があった。
 これはおかしいよな。嘘つき。
 これも含めて被告人によれば他にも細かいところが違うらしいが、他の客観証拠から児童買春の事実は間違いないので略式命令確定。

 略式命令レベルだとこんなことはざらにある。
 被告人の供述にも被害者の供述にも、故意か過失か誤りがあることがあるので、やっぱり、弁護人が記録見てから確定させることにしている。