自白事件でも公判請求された事件では、懲役刑が懸かっているわけですし、争う機会を与えられているので、情状に関わる点にはこだわりますよね。
- 対償供与の金額が違う
- 年齢知情の時期や程度が違う
- 行為態様が違う
- 被害感情
など。
これに対して、略式の場合は、被告人は証拠を見ないで略式手続に同意しているので、細かい点は意外といい加減です。こだわったところで罰金に決まったわけですから。
奥村は、略式の事案でも、一応、被告人に関係証拠の概要を確認してもらっています。
こんなこともありました。
被告人Aの児童買春の略式命令の記録で、被害児童B(16)の
平成18年4月29日、
私は援助交際をしたのはこのときが初めてでした。
ホテルなど知らないので、Aが適当に選んで決めました。
援助交際はもうしません。
何も知らない私をたぶらかせて援助交際させたAを許せません。
という調書があった。
被告人Aは
私も土地勘がなかったので
ホテルはBが選んだ。
という。他にも細かいところが違うらしいが、児童買春の事実は間違いないので略式命令確定。
その後、被告人Cの児童買春の略式命令の記録で、被害児童は同じく児童B(16)。Bの
平成18年6月3日、
私は援助交際をしたのはこのときが初めてでした。
ホテルなど知らないので、Cが適当に選んで決めました。
援助交際はもうしません。
何も知らない私をたぶらかせて援助交際させたCを許せません。
という調書があった。
これはおかしいよな。嘘つき。
これも含めて被告人によれば他にも細かいところが違うらしいが、他の客観証拠から児童買春の事実は間違いないので略式命令確定。
略式命令レベルだとこんなことはざらにある。
被告人の供述にも被害者の供述にも、故意か過失か誤りがあることがあるので、やっぱり、弁護人が記録見てから確定させることにしている。