強盗致傷には執行猶予はあり得ないので、弁護人は「致傷」はないとか、「強取」に至らないとか、「致傷は強盗の機会ではない」とか、いろいろ、主張しているんでしょうね。
http://www.zakzak.co.jp/top/2005_02/t2005022229.html
下着“強奪”教諭に6年求刑
強盗致傷、強制わいせつなどの罪
検察側は懲役6年を求刑した。弁護側は最終弁論で執行猶予を求めて結審。
奥村弁護士も、強盗致傷罪では、ダメもとでいろいろ主張します。
大阪名物「ひったくり」で被害者が転倒負傷しても強盗致傷罪、銀行強盗が行員を刺しても強盗致傷罪という風にバリュエーションがあるのに、法定刑の加減が硬直していたのでした。それゆえの刑法改正です。
追記
刑法改正で強盗致傷罪にも執行猶予がつくようになったんじゃないのか?
現在係属中の強盗致傷も刑法6条で、改正にまたがれば執行猶予の可能性も出てくるんじゃないか?
というご質問を受けました。
強盗致傷罪については、改正法の附則で、こうなってます。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M40/M40HO045.html
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。第三条 この法律の施行前にした第一条の規定による改正前の刑法(以下「旧法」という。)第二百四十条の罪に当たる行為の処罰については、なお従前の例による。
2 この法律の施行前に犯した罪の公訴時効の期間については、第二条の規定による改正後の刑事訴訟法第二百五十条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
ということで、施行前の犯行については、従前通りです。
改正前
第240条(強盗致死傷)
強盗が、人を負傷させたときは無期又は七年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。改正後
第240条(強盗致死傷)
強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。