憲法学者が協力してくれて、裁判所が詳細に判断してくれるだけでも、児童ポルノより恵まれていますね。
児童ポルノは、真実児童ポルノであれば、救いようがないって言われています。
梶原健佑「漫画本について刑法175条にいう「わいせつ図画」に当たるとされた事例 公法判例研究(2)九州公法判例研究会」法政研究'04.10
保護法益として曖昧な「性的秩序や性道徳、性風俗」という概念を持ち出す限り、侵害される法益とその行為との因果関係が抽象度の高い議論に終始することになり、いかに実際の性犯罪との関連をにおわせて不安感をあおろうとも、曖昧さゆえにその理論には限界がある。刑法一七五条を正当化するために、保護法益(表現の自由に対する制約根拠)に対する最高裁の判断を維持しつつ、一層の明確化・理論補強を図ろうとした気配は窺えるものの、表現の自由の価値や刑法の諸原則に立ち返るならば、本判決はそうした価値への真摯な態度に欠けるとの誹りを免れないように思われる。