http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0412/07/news066.html
腹部大動脈瘤の人工血管置換術を内視鏡(腹腔鏡)を使ってやろうとしたという医療過誤事件(患者死亡)をやりました。
わが国初の「内視鏡(腹腔鏡)補助下腹部大動脈瘤の人工血管置換術」は患者死亡で終わっています。
外国の論文読んで、ブタで実験して、ヒトのバイパス術でやってみて、ブタで実験して、ヒトの置換術でやって、患者死亡。過失については大阪地裁で審理中。
術者もモニターでしか見ていないので、奥行きが掴めない、血管の裏側が見えない、触覚がない等の問題点があります。
手術ビデオを見ていると、内視鏡下で細い血管を縫合しようとして血管を破り、血液がピューと飛んでカメラに掛かってしまい、見えないまま、心眼で血管縫合したという場面がありました。BLINDでできるなら、内視鏡で「見ていた」というのはなんだったんだ!
先端医療も、技術の伝達・承継というのは、重要でない部位から実地を積んでなされるものだと考えています。
「内視鏡(腹腔鏡)補助下腹部大動脈瘤の人工血管置換術」なんて、国内ではO大学とK大学以外、誰もやりません。破裂すると死ぬ確率が高いという危険性の前ではお腹を切った方が早いし確実だし、たいてい患者は高齢者なのでお腹を数十センチ切っても「ビキニが着れない」なんて言わないからです。