情状立証に困ったら贖罪寄付を考える。
全部の裁判官が、原田判事と同じというわけにはいかないだろうが、今度、原田判事にあたったら、御著書を引用して贖罪寄付させようと思ってます。
原田國男(東京高等裁判所判事)著
量刑判断の実際
http://tachibanashobo.co.jp/mokuroku/html/200306-1.html
法律扶助協会へのしょく罪寄付については,被告人の反省の態度を示す一方法として,その限度で有利な量刑事情となる。量刑の理由を記載するときには,この点にも言及するほうが,被告人の納得を得るためにも,法律扶助制度への国民の理解を得るためにも有益である。
しょく罪寄付のなかでも,損害賠償を被害者が受け取らない場合に,これを行うときは,やや他のしょく罪寄付とは異なった側面がある。最近,筆者が担当した事件で,準強制わいせつの被害者が示談・損害脂償に応じないので,その提示額の80万円をしょく罪寄付したケースがあった。他の1人の被害者との間には80万円で示談が成立していることなどの情状もあり,2項破棄して実刑を執行猶予とした。このような場合には,被害者が示談等にどうしても応じないという点は,被害感情の強さを示すもので,被告人には不利益な情状となるが,反面,被告人としては,最大限の示談への努力をしたが,それができないので,やむを得ず,その分をそのまましょく罪寄付に回している点は,酌むべき情状となる0損害賠償と同等の評価まではできないが,それなりの評価をすべきであろう。