児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

控訴申立書は第一審裁判所に出すんです。

 「福岡高裁控訴申立書を郵送した」なんて言われると
   えーっ?
という感じです。
 報道の真偽は知りませんが、法律はこうなっています。

刑訴法第374条〔控訴提起の方式〕
控訴をするには、申立書を第一審裁判所に差し出さなければならない。

 転送してくれたとしても期限内に第一審裁判所につかないとだめ。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080401-OYT1T00053.htm
踏み字」で有罪判決の元警部補が控訴
特別公務員暴行陵虐罪に問われ、福岡地裁で懲役10月、執行猶予3年の判決を受けた元鹿児島県警警部補被告(45)の弁護人は31日、判決を不服として、福岡高裁控訴申立書を郵送したことを明らかにした。

 これが普通。

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008033100888
2008/03/31-19:05 元警部補が控訴鹿児島県議選「踏み字」事件
 被告12人全員の無罪が確定した2003年の鹿児島県議選に絡む「踏み字」事件で、特別公務員暴行陵虐罪に問われ、福岡地裁で懲役10月、執行猶予3年(求刑懲役10月)の有罪判決を受けた元県警警部補(45)側は31日、判決を不服として控訴申立書を福岡地裁に郵送した。

青少年条例違反で罰金、後、児童淫行罪で逮捕した事例(沖縄)

 被害児童が男性、被疑者が女性というのも時々見かけますが、処分は変わらない。
 先行した青少年条例違反との関係が一応問題になりますね。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080331-00000063-yom-soci
容疑者は1月23日から2月7日まで生徒を自宅に泊まらせたとして、県青少年保護育成条例違反容疑で逮捕されていた。

県青少年愛護条例違反の元私立高校教諭に懲役1年 (福井地裁H20.3.31)

 師弟関係の影響力云々を言うなら児童淫行罪で起訴すべきでした。
 実質的にみて、児童淫行罪の量刑としてはこんなもんです。
 青少年条例違反に起訴すると、被告人・弁護人は執行猶予を期待してしまいますよね。

http://sankei.jp.msn.com/region/chubu/fukui/080401/fki0804010230000-n1.htm
県青少年愛護条例違反の元私立高校教諭に懲役1年 福井地裁
2008.4.1 02:29
 福井市内で18歳未満の女子高生と知りながらみだなら行為をしたとして、県青少年愛護条例違反に問われた被告(32)に対して福井地裁・吉岡大地裁判官は31日、懲役1年(求刑懲役1年6月)の実刑を言い渡した。
 吉岡裁判官は「部活の顧問としての影響力を利用し、被害者らを呼び出してみだらな行為に及んでいたもので、犯行は悪質。複数の犯行で被害者やその家族、地域社会に与えた影響は大きい」とし、「懲戒免職などの社会的制裁を受け、反省していることを考慮しても刑の執行を猶予することはできない」と述べた。
 判決などによると、被告は昨年11月10日に福井市内のホテルで、同21日に同市内の駐車場の乗用車内で、それぞれ18歳未満の女子高生にみだらな行為をしたほか、一昨年6月21日に、当時の同市内の自宅で同様の行為をした。

 教員の性犯罪・福祉犯の実刑事案は多いのですが、被告人は知らないし、弁護士も知らないことも多くて、特段の弁護活動もなく、量刑相場通りだが被告人弁護人にとっては「予想外に重い」判決だった(「弁護士も執行猶予だと言ってたのに・・・」)という相談が相次いでいます。
 奥村が受任した事件では、最初から実刑の確率(○%)を意識して方針を決めて、過剰だと言われる程度までやりますので、実刑判決を受けても、被告人は動じませんね。
それでも最近は保護観察付が多くなってますが。

法テラス副所長が抗議辞任 コピー代も出ない「なり手いなくなる」

 国選弁護は費用はもらえない割に責任は重いので、奥村は受けません。抗議の意味合いはなく、弁護士業務が持たないからです。
 私選でも、「謄写費用1枚40〜60円でした」というと、高額になってトラブルこともあります。
 弁護人立証はコピーを検察官に送らされて、検察官立証は、閲覧に来させる・被告人の費用で謄写させるという不平等を改善する必要があります。
 

http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008033102099696.html
法テラス副所長が抗議辞任 コピー代も出ない「なり手いなくなる」
2008年3月31日 朝刊
 刑事裁判の被告に国選弁護人をあっせんする日本司法支援センター(法テラス)の愛知地方事務所の石井三一副所長(弁護士)が、弁護士過疎地域での弁護活動補助をめぐる本部の方針変更に抗議し、辞任していたことが分かった。被告の弁護に必要な証拠書類のコピー代について、法テラスが行っていた肩代わりを本部が廃止したためだ。

 刑事事件で被告の国選弁護人に選定された弁護士は、検察庁が開示した証拠書類について、閲覧するか必要な分をコピーをする。コピー費用は200枚以内は報酬に含まれているが、それを超えた分は弁護士の負担となる。

 一審国選で実刑事件の場合、記録もないのに依頼にみえることになって、難しいですね。