児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

警視庁、初動捜査強化へ月内新設 性犯罪・強盗、急派チーム

 警視庁だけがんばっても、都道府県境をまたいだ連続犯は捜査に障害があることになりますが、廃藩置県のころに固定された境界線が、実態に合わないんですよね。
 警察だけFBI方式にするか、道州制にするかということになります。
 なお、児童買春犯人が110番通報されて逮捕というのもときどき見かけます。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080310-00000066-san-soci
増加の一途をたどる性犯罪(強姦(ごうかん)と強制わいせつ)や広域化の進む強盗への対処能力を高めるため、警視庁は、これらの事件の初動捜査を専門に扱う急派チームを刑事部捜査1課に新設する方針を固めた。3月中に発足させる。事件発生と同時に急派し、警察署の捜査員だけでは不足しがちな捜査力に厚みを加えるとともに、捜査1課が持つ広域の犯行手口情報を反映させて早期検挙を図るのが狙いだ。

児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の改良すべき点

 現行法についてもいろいろあって、判例が右往左往している点をちょっとまとめてみました。
 国権の最高機関であらせられる国会議員の皆さんならご理解いただいて見解をいただけますでしょうか?
 裁判所にわからないような法律を作るような国会が悪いという声も聞きますので。

第1 現行法の問題点 4
1 保護法益はなにか? 4
(1)児童ポルノ各罪の保護法益は共通である。 4
(2)目的規定→個人的法益 5
(3)裁判例(個人的法益否定) 6
?公然陳列罪 東京高裁H16.6.23*3 7
?4項提供罪 福岡高裁那覇支部H17.3.1*4 7
?3項製造罪 大阪地裁H17.7.15*5 7
?奈良地裁H18.1.13*6 7
?岡山地裁H16.12.14*7 7
?和歌山地裁H14.8.27*8 7
?神戸地裁尼崎支部H17.7.4*9 7
?千葉地裁H14.12.10*10 7
?横浜地裁H13.3.7*11 7
?大阪地裁H14.4.25*12 7
?前橋地裁H13.12.27*13 7
?金沢地裁H16.4.9*14 7
?札幌地裁H15.8.27*15 7
?富山地裁高岡支部H19.4.11*16 7
2 児童ポルノ製造罪(7条3項)の実行行為は何か?「姿態をとらせ」は実行行為か? 8
(1)立法時の説明 8
?島戸「児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律について」警察学論集57-08 8
?衆議院法制局第二部第一課 井川良「児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律」法令解説資料総覧(第一法規、2004) 8
?森山野田「よくわかる改正児童買春ポルノ法」P99 9
(2) 裁判例 13
?東京高裁H17.12.26*17 13
?札幌高裁H19.3.8*18 13
?札幌高裁H19.9.4*19(一審函館地裁H19.3.26*20) 14
(3)最高裁H18.2.20*22との関係 15
(4)最高裁調査官の見解 16
(5)学説・裁判例の変遷 18
?積極説〜名古屋高裁金沢支部H17.6.9 18
?消極説〜東京高裁H17.12.26 19
?積極説〜最高裁H18.2.20 19
?積極説〜H18.6.1判例タイムズ1206号 19
?消極説〜札幌高裁H19.3.8 20
?積極説〜札幌高裁H19.9.4 20
?積極説〜H19.11.21判例時報第1980号 20
山口裕之「最高裁刑事破棄判決等の実情(上)−平成18年度−」判例時報 第1980号*25 20
(6)被害児童に命じて撮影させて送信させる行為の擬律  21
3 製造罪と他罪(性犯罪・福祉犯)との罪数 22
(1)観念的競合説 22
?青少年条例違反罪−製造罪(横浜地裁H17.11.29) 22
?児童淫行罪−製造罪も観念的競合 23
ア 横浜家裁横須賀支部H17.6.1*27 23
イ 東京高裁H17.12.26*28(上告棄却) 23
ウ 長野家裁H18.4.20*29 23
エ 札幌高裁H19.3.8 23
オ 奈良家裁H16.02.05*30 24
カ 名古屋家裁岡崎支部H18.12.5*31 24
キ 東京家裁h16.10.25*32 24
ク 札幌家裁小樽支部H18.10.2*33 24
ケ 横浜家裁h16.1.8*34*35 24
?児童買春罪−製造罪も観念的競合 24
ア 富山地裁高岡支部H19.4.11*36 24
イ 函館地裁H19.3.26*37 24
ウ 札幌高裁H19.9.4 24
エ 長野地裁H17.8.31*38 24
?強制わいせつ罪と3項製造罪(姿態をとらせてて製造)を観念的競合とする裁判例 25
ア 長野地裁H19.10.30*39 25
イ 札幌地裁H19.11.7*40 25
?「児童買春法違反事件裁判結果調」法務省刑事局 25
(2)併合罪説 28
? 児童淫行罪と製造罪 28
ア 東京高裁H18.1.10*41 28
イ 大阪高裁H18.10.11*42 28
ウ 大阪地裁H17.7.15*43(大阪家裁h17.4.28*44) 28
?製造罪−児童買春罪は併合罪 28
ア 名古屋高裁金沢支部H14.3.28 28
イ 名古屋高裁金沢支部H17.6.9(製造罪−児童買春罪) 29
ウ 東京高裁H19.11.6*47 29
エ 和歌山地裁H17.1.25*48(製造罪−児童買春罪・強制わいせつ罪) 29
オ 神戸地裁尼崎支部H17.7.4*49(製造罪−児童買春罪・強制わいせつ罪) 29
?青少年条例違反と製造罪 29
ア 大阪高裁H19.12.4*50 29
イ 横浜地裁H17.6.7*51 30
4 製造目的所持罪がないこと 30
5 譲受罪がないこと 30
6 生中継を処罰できないこと 30
7 管理者・プロバイダの責任があきらかでないこと 30
8 青少年条例違反の年齢知情条項が事実上停止している問題。 30
第2 「児童ポルノ単純所持処罰」規定の創設について 31
1 単純所持罪の位置付け 31