児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

適法な上告理由とされた併合罪の主張

 最決H21.7.7の併合罪の主張はどうして適法なのかという質問です。

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090709090953.pdf
なお,所論にかんがみ,本件第1審判示第3の罪に関する第1審の訴因変更手続の当否につき職権により判断する。
1 原判決の認定によれば,上記訴因変更に関する事実経過は以下のとおりである。
(1) 本件第1審判示第3の罪に関する当初の公訴事実の概要は,「被告人は,前後11回にわたり,3名の者に対し,児童ポルノでありわいせつ図画であるDVD−R合計11枚及びわいせつ図画であるDVD−R合計25枚を不特定又は多数の者に販売して提供した。」というものであった。
(2) 次に,検察官は,(1)の提供行為を維持したままで,さらに5回の提供行為を追加し,「被告人は,前後16回にわたり,4名の者に対し,児童ポルノでありわいせつ図画であるDVD−R合計21枚及びわいせつ図画であるDVD−R合計67枚を不特定又は多数の者に販売して提供した。」とする訴因変更を請求し,第1審裁判所はこれを許可した。
・・・・
2 児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律2条3項にいう児童ポルノを,不特定又は多数の者に提供するとともに,不特定又は多数の者に提供する目的で所持した場合には,児童の権利を擁護しようとする同法の立法趣旨に照らし,同法7条4項の児童ポルノ提供罪と同条5項の同提供目的所持罪とは併合罪の関係にあると解される。
しかし,児童ポルノであり,かつ,刑法175条のわいせつ物である物を,他のわいせつ物である物も含め,不特定又は多数の者に販売して提供するとともに,不特定又は多数の者に販売して提供する目的で所持したという本件のような場合においては,わいせつ物販売と同販売目的所持が包括して一罪を構成すると認められるところ,その一部であるわいせつ物販売と児童ポルノ提供,同じくわいせつ物販売目的所持と児童ポルノ提供目的所持は,それぞれ社会的,自然的事象としては同一の行為であって観念的競合の関係に立つから,結局以上の全体が一罪となるものと解することが相当である。
所論は,児童ポルノ提供罪と同提供目的所持罪とが本来併合罪の関係にある以上,そのように解するのは相当でない旨いうが,採用できない。
3 したがって,これと同旨の見解の下に第1審の訴因変更手続に違法はないとした原判断は,相当である。

上告理由第1 法令違反〜訴因変更の違法
1 はじめに
 本件の提供・販売・所持罪の訴因をみると、3/13起訴の販売・提供罪の訴因に、余罪の販売・提供・所持罪が4/18と5/21の訴因変更請求によって追加されている。

 検察官がこのような処理を行うのはわいせつ図画罪(刑法175条)が包括一罪だという古い判例に従っているものと推察されるが、児童ポルノ罪という異質で重い罪が伴っている場合にもその古い判例が妥当するのかは疑問である。
 この問題についての裁判例は次の4通りある。
(1)わいせつ図画罪と児童ポルノ罪の混合的包括一罪となるという考え方
(2)わいせつ図画罪は包括一罪、児童ポルノ罪も包括一罪として、両者が観念的競合となるという考え方
(3)(各児童ポルノ罪は包括一罪とはならないが)わいせつ図画罪は包括一罪、各わいせつ図画の行為と児童ポルノ罪とは観念的競合、かすがい現象によって、結局、全部科刑上一罪となるという考え方
(4)わいせつ図画と児童ポルノ罪は観念的競合となるが、児童ポルノ罪を伴う場合には、わいせつ図画罪は包括一罪とならず、かすがい現象を認めないという考え方
 弁護人の主張は
(4)わいせつ図画と児童ポルノ罪は観念的競合となるが、児童ポルノ罪を伴う場合には、わいせつ図画罪は包括一罪とならず、かすがい現象を認めない
である。

 わいせつ図画罪が伴う場合にも、各罪は併合罪であって、一審判決・原判決の罪数判断には誤りがある。
 また、併合罪を前提にすると、本件の訴因変更許可は違法無効であるから、追加された訴因については実体判断をした一審判決には訴訟手続の法令違反がある。追認した原判決も誤りである。
 併合罪とする裁判例が多数あるのに本件についてのみ一罪としたことは法適用における不合理な差別であるから、一審判決には法令適用に憲法14条違反の違法がある。
 いずれにせよ原判決には判決に影響を及ぼすべき法令の違反があって原判決を破棄しなければ著しく正義に反するから、原判決は破棄を免れない(411条1項)。

 併合罪の主張であるが、3/13起訴の販売・提供罪の訴因に、余罪の販売・提供・所持罪が4/18と5/21の訴因変更請求によって追加されているのであるから、併合罪となることを前提とすれば、4/18と5/21の訴因変更請求にかかる訴因変更許可は違法無効となって、審判対象が大幅に削られるから、被告人に有利な主張である。

2 児童ポルノ罪の罪数
 児童ポルノ罪の保護法益がもっぱら個人的法益であることに照らせば、当然に、複数の児童ポルノ罪相互の関係は併合罪である。
 被害児童1名1罪が理想的であり、1行為1罪が次善、包括一罪は最悪の解釈である。
 わいせつ図画罪が混合した場合でも同様である。


 大規模な児童ポルノ・わいせつ図画販売事件というのは、普通、内偵捜査していても、手堅く捜索に入ったところにあるCDROM数枚とかの所持で現行犯逮捕することが多いですよね。
 まず、その所持罪で起訴して、押収した帳簿類の分析で、提供罪・販売罪を起訴してくる。だから、当初起訴分よりも、追送致されてくる事件の方がでかいことがあって、それを訴因変更で加えたことを論難して落としてしまおうという作戦でした。

児童ポルノ掲載アドレスリスト作成管理団体運用ガイドライン(案)

 ブロッキングの根拠とか限界を考えているうちに、リストを作ってくれるそうです。
 なるべく抜け道がないように。

http://www.iajapan.org/press/20100115guide.pdf
児童ポルノについては、その製造時に個々の児童への著しい性的虐待を伴うことや被害児童に対する脅迫の道具として利用され得るという問題があるほか、児童ポルノがインターネット上に一旦流通した場合には、これを回収することは極めて困難であり、性的虐待の現場を永久に残し、被害児童の心を傷つけ続けることとなるという問題や児童ポルノの流通によって児童を性欲の対象として捉える風潮を助長するという問題がある。そのため、児童ポルノは他の違法情報と明確に区分して対策を行う必要がある。このようなインターネット上の児童ポルノに対して、我が国では、これを流通させた被疑者の検挙、インターネット・ホットラインセンターによる削除依頼等の取組みが行われている。しかし、ウェブサイト等には、依然として多数の児童ポルノが流通しており、インターネット利用者がこれらの児童ポルノを容易に検索、閲覧することが可能な状態となっている1。そのような状況の中、インターネット上の児童ポルノの流通に歯止めをかけるため、あらゆる手段を重層的に講じていく必要がある。例えば、諸外国においては、既に官民が連携した対策が積極的に行われており、英国、イタリア、スウェーデンフィンランドを始めとする多くの欧米諸国では、ホットラインの運用による児童ポルノの削除のほか、ISP によるブロッキング等の対策が実施されている2。その他にも、インターネット上に流通してしまった児童ポルノに対する対策としては、検索エンジンサービス事業者による検索エンジンの検索結果から児童ポルノに関する情報を排除する取組みや、フィルタリング事業者による児童ポルノのURL のリスト(以下、「フィルタリングリスト」という。)への反映等の対策も挙げられる。我が国において、ブロッキングの実施、検索結果からの排除、フィルタリングリストへの反映等の対策を講じるためには、児童ポルノの流通防止対策を推進する事業者等に対して、児童ポルノ該当性についての判断を経た上で作成されたアドレスリストが提供される必要がある。このため、十分な透明性と客観性を確保しつつ、警察庁及びインターネット・ホットラインセンターが把握した児童ポルノに係る情報に基づき、アドレスリストを作成し、児童ポルノの流通防止対策を推進する事業者等にこれらを提供するとともに、当該アドレスリスト上に掲載された児童ポルノに係る情報について検証等を行う機能を有する団体を設けることが重要であることから、リスト作成管理団体を設置することとしたものである。

 オーバーブロッキングで侵害されるのは、そのurlを見に行こうとして見られなかった閲覧者の情報受領権なんですが、例えば、小児科学のサイトがブロッキングされたときの救済手段はどうなるんでしょうか?
 微妙なときは、プロバイダが代理で争ってくれるんですか?
 一番困る閲覧者に争わせる必要があるんじゃないですか? 

3 サイト管理者等及びアドレスリスト利用事業者によるアドレスリストからの除外要請等への対応
(1) 除外要請等の受理
ア サイト管理者等による除外要請の受理
特定のURL について、アドレスリストからの除外要請があった場合、要請者が当該URLに係るサイト管理者等であることの確認を行った上で、当該URL がアドレスリストに掲載されているものか否かの確認を行う。アドレスリストに掲載されている場合には、除外要請を受理する。
イ アドレスリスト利用事業者からの通報の受理
アドレスリスト利用事業者から、特定のURL について、児童ポルノに該当しない可能性がある旨等の通報があった場合、当該URL がアドレスリストに掲載されているものか否かの確認を行う。アドレスリストに掲載されている場合には、通報を受理する。
(2) 存在及び内容の確認の実施
除外要請等を受理したURL について、速やかに児童ポルノの存在及び内容の確認を行う。

裁判長「実刑意見あった」と説諭=猶予判決、評議に言及−守秘義務に触れる?

 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100115-00000261-jij-soci
裁判長「実刑意見あった」と説諭=猶予判決、評議に言及−守秘義務に触れる? ・大阪
1月15日20時58分配信 時事通信
 裁判員法は、裁判員と裁判官が判決を話し合う評議の経過や各人の意見に守秘義務を設けている。裁判員経験者が違反すれば懲役や罰金の刑罰が規定されているが、裁判官には罰則がない。
 被告の男は書店で万引きを見つかり、店員の顔を殴るなどしてけがを負わせたとして強盗致傷罪に問われた。起訴内容を認め、実刑か執行猶予かが争点だった。 

裁判所法
 第三章 裁判の評議
第七十五条 (評議の秘密)  
1 合議体でする裁判の評議は、これを公行しない。但し、司法修習生の傍聴を許すことができる。
2  評議は、裁判長が、これを開き、且つこれを整理する。その評議の経過並びに各裁判官の意見及びその多少の数については、この法律に特別の定がない限り、秘密を守らなければならない。

探偵に相談するより、弁護士の方が安い。

 弁護士は基本的に30分5000円ですから、
 福祉犯の解決で780万だそうです。

無料電話相談:探偵・興信所問題で、弁護士有志があす /大阪
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100115-00000132-mailo-l27
依頼者の弱みに付け入り高額な調査費を請求する悪質な探偵や興信所について、大阪の弁護士で作る「探偵・興信所問題研究会」が16日、消費者からの電話相談を実施する。
 同研究会は04年11月に設置。これまでに4回の電話相談を実施。子どもの交際相手の調査費として780万円を請求した業者もいたという。悪質な探偵が問題化したのを受け、国は07年6月に探偵業法を施行し、業者に対して公安委員会への届け出や契約書の交付などを義務付けた。しかし、同研究会は「表面化を恐れる依頼者に高額な費用を請求する業者は減っていない」としている。
 相談時間は午前10時〜午後3時。無料。電話は06・6361・5100。悪質なケースについては提訴の相談にも応じる。