1個のHDDに1000枚児童ポルノ画像があって、1番〜20番は提供したが、21番〜1000番は秘蔵していたということもあるのだから、実際に提供しているのに、提供目的所持を否認するというのも理論的には可能です。
しかし、判例の児童ポルノ有体物説によれば、そのHDDの一部画像(1〜20)を提供する目的があれば、HDD全体について提供目的が肯定されます。1画像FDDなら別々に考えてくれるんですけど。
もう一段の主張を考えるとすれば
- 特定少数へ提供する目的であった
- HDD自体を提供するのではない(ダビングして提供する)から、提供目的に当たらない
- 所持と提供は包括一罪
というのもありですね。
児童ポルノ罪は対立利益が少ないので何でも有罪になりますけど。判例も公開されないし。
「女児愛好団」被告、懲役1年6月求刑 さいたま地裁公判=埼玉2006.12.23 読売新聞社
インターネットで知り合い、女児のわいせつ画像を交換していた「女児愛好団」が摘発された事件で、児童買春・児童ポルノ禁止法違反(提供、提供目的所持)の罪に問われた被告(30)の論告求刑公判が22日、さいたま地裁(吉川昌寛裁判官)であった。検察側は「児童の人権を無視し、児童を対象にした犯罪行為を助長する極めて悪質な行為」として、懲役1年6月を求刑した。
被告は「(児童ポルノ画像は)自分のコレクションとして持っていた」と述べ、提供目的所持にはあたらないと主張した。