児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

子を追いつめる携帯電話 米、画像流出で自殺のケースも

 アメリカでは児童を処罰する方向のようです。
 日本では児童に罪を問わないのが判例です。

(世界発2010)子を追いつめる携帯電話 米、画像流出で自殺のケースも
2010.01.07 朝日新聞
 ●恋人に送った裸、転々
 2008年7月、米オハイオ州シンシナティの高校を出たばかりの少女が、自室で首をつった。携帯電話で写した1枚の写真が原因だった。
 「娘は、つきあっていた男の子に頼まれ、自分の裸を携帯で撮影して送ったんです。それがあっという間に学校中に広まってしまった」
 一人娘のジェシカさん(当時18)を失った母親のシンシア・ローガンさん(50)は、電話口で声を詰まらせた。
 「愛の証しに君の裸の画像を送ってほしい」。そんな誘い文句に乗せられて、男女間で性的な画像をやりとりする行為が、米国の中高生の間で流行している。携帯でショートメールを送る意味の「テクスティング」という言葉をもじって、「セクスティング」と呼ばれるが、その画像が携帯やインターネットを介して流通し、いじめや恐喝の材料になっているという。

 ローガンさんによると、ジェシカさんが送った画像は、その後、仲たがいしたボーイフレンドから、彼の女友達の4人に送られた。遊び半分で次から次へと転送され、気づいた時には、ジェシカさんの高校だけでなく、近隣の学校にまで広まっていたという。

 「学校や遊び先で、知らない人に『あばずれ』『豚』とののしられた。明るく活動的な子だったのに、日に日にふさぎ込んでいった」とローガンさん。学校に行っても教室に入れず、授業を欠席するようになった。何とか卒業はしたが、直後に命を絶った。遺書はなく、なきがらのそばには携帯が転がっていた。

 娘の死をきっかけに、こうした画像流出の危険性を訴えているローガンさんは言う。

 「いったん流出した個人情報や画像は、ネット上に蓄積され、一生つきまとう。誘惑に流され、先のことが見えない多くの子供たちが、消せない傷を負っているんです」
 ●自治体、法整備急ぐ
 米国では12〜17歳の7割以上が携帯を持っているとされる。ピューリサーチセンターが昨年末に公表した調査では、この年代で携帯を持つ男女の約6人に1人が、裸などの画像を携帯で受信したことがあると答えた。
 ネット上のいじめ問題などを専門とするNPOのパリー・アフタブ代表は「10〜12歳くらいの少女が、年上の男子生徒の関心を引くために不特定多数に送る場合もある。その後、男子から女子に画像が流れ、いじめの一環として女子同士の間で転送を繰り返す事例が目立つ」と話す。
 アフタブさんによると、画像を携帯からネットに簡単に投稿できる機能の普及で、性的な画像が安易に公開される傾向が加速したという。こうした画像を口実に交際を迫ったり、関係を強要したりする例が増加しているとも話す。
 こうした少年少女のセクスティング行為は、米国の大多数の州の現行の児童ポルノ取締法では重罪とされてしまう。このため、バーモント州などでは、18歳未満や初犯の場合に減刑となるよう改正し、オハイオ州ではセクスティングを取り締まるための法整備を検討中だ。連邦議会にも、少年らに対する啓発活動やサイバー教育の普及を促進する法案が提出されている。