児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

上告は棄却される〜土本武司「インクのしずく-vol.124 痴漢上告審判決」捜査研究698号P111

 「まだ最高裁がある」という話も聞きますが、「高裁判決が事実上の判例だ」という話も聞きます。

 上告審の事後審性・法律審性をベースにして考えたとき、多数意見が指摘するような理由のみではBの供述の信用性を否定することはできず、犯行を否認している被告人の供述に不自然さ、不合理さが残ることも合わせ考慮すると、むしろ原審判断を支持する反対意見をもって正当とすべきであったと思われる。
 「疑わしきは罰せず」は刑事裁判の鉄則である。しかし一審・控訴審で有罪と判断されたケースにつき、原判決の認定が論理則・経験則に照らして不合理といえるものでない限り、原審の判断を支持・維持すべきなのである。本件は、証拠が僅少で、一、二審が有罪判断をした場合の上告審判断のあり方を考えさせられるものである。

土本先生って、擬律とか質問すると教えてくれますよね。数罪の児童ポルノ販売罪は包括一罪だとか。