清和大学様からいただきました。
「児童ポルノ法も刑法改正案も、有体物へのこだわりを捨てきれないのが潔くない。web掲載罪、メール送信罪を作れ」ということですよね。
渡邊卓也「電脳空間におけるわいせつ情報とわいせつ罪の行為態様」清和法学研究第12巻第1号
第五章 結語
以上のように、二つの立法は、必ずしも妥当とはいえない。「提供」ないし「頒布」は複数の意味を含むものとなり、明確な行為態様を規定すべきという観点から問題がある。また、特に「頒布」については、従来の解釈を大きく変更するものであり、その文言からはおよそ予測できないものであるように思われる。
このことは、従来の有体物を客体とする規制構造との連続性を重視しすぎた立法態度に原因があるように思われる。有体物を客体とする場合と無体物を客体とする場合とでは、異なった文言による規制を模索すべきであろう。客体の特性に応じた的確な行為態様を含む立法が為されることが望まれる。