児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

買春製造販売で懲役2年6月執行猶予となった事例(名古屋地裁H16.8.4)

 買春→製造→販売はもっとも悪質で、実刑覚悟しなければならないのですが、示談とかやってやっと執行猶予。
 こんな児童買春の公訴事実は初めてみました。被害児童も製造罪の共謀共同正犯です。量刑に影響しているはずです。
 被害児童も警察で絞られているはずで、「私も悪かったです。」などと言ってたりします。
 保護法益・被害は何かを理解しないと、調書上の被害感情の程度のみに頼ってしまい、量刑を間違えます。

平成年月日午前時分ころから同日午後時分ころまでの問,において, (平成 年 月 日生,当時 年)が18歳に満たない児童であることを知りながら,被告人との性交場面等を収録したビデオテープの売上金のうち6割を同児童に対償として供与することを約束して,同児童と性交するなどし,もって児童買春をしたものである。

 罪数と訴因変更については問題ないようです。東京高裁判例に従っても、わいせつ図画罪で串刺し一罪。
 処断刑が軽くなるのに検察官がどうしてこう立件されるのかが疑問です。原田國男裁判官が泣きます。

起訴状
 H15.12.26児童ポルノ・わいせつ販売
 H15.12.31児童ポルノ・わいせつ販売
 H16.01.20児童ポルノ・わいせつ販売
 H16.01.28児童ポルノ・わいせつ販売

追起訴
 H15.12.21買春
 H15.12.21製造
 H16.01.25買春
 H16.01.25製造
 H14.04.05買春
 H14.04.05製造

訴因変更(追加)
 H16.4.7 児童ポルノ・わいせつ図画所持

判決
 児童ポルノ・わいせつ図画所持1+児童ポルノ・わいせつ販売4は一罪。