児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

買春+児童ポルノ製造+販売+所持の被疑者からの手紙

 日本海支部の方で逮捕・勾留されている方から手紙で量刑を問いあわせてきました。
 私選弁護人は「罰金」の可能性があると言ったとか。聞きまちがいだと思います。
 一般論しかお答えできませんが、まあ、弁護人とよく相談してください。

 量刑につきましては、貴殿が行ったとされる行為の全体が把握できませんので、貴殿の手紙だけでは判りかねます。起訴状の「公訴事実」、逮捕状拘留状の「被疑事実」をうつして貰えると、参考になる裁判例を検索できます。
 貴殿の弁護人に迷惑がない限りの情報としては、ただ、犯行時点では、改正法(初犯前科無しでも実刑にする目的と説明されています)が施行されており買春罪は懲役5年に引き上げられ、販売目的がない場合の製造罪(懲役3年)が新設されていますので従来よりは厳しくなると予想します。罰金刑は期待できません。
 従来は「懲役2年執行猶予4年」というパターンが多いと思いますが、児童ポルノを製造販売していた公務員が実刑になったこともあります(北海道)。程度問題ですから、比較するには貴殿の事件の全体像が必要です。裁判例に見られる被告人に有利な情状としては、被害者数が少ない・1号ポルノより3号ポルノが軽い・被害弁償・謝罪・法の趣旨の学習・被害感情希薄・懲戒処分等の社会的制裁・販売収益の贖罪寄付・騙しや脅迫がないことなどです。弁護人と相談してください。

 実刑の可能性が否定できないので、コピー代はかかりますが、検察官請求証拠は「全部」弁護人からコピーを入れてもらって、全部内容を確認してください。これは買春事件に限らず、刑事訴訟の鉄則です。証拠に対する不同意は撤回できても、同意は撤回出来ないので、内容を確認せずに弁護人に任せて「全部同意」と言わせることはないようにしてください。疑わしいものは納得できるまで、不同意ないし保留にしてください。実刑にせよ執行猶予にせよ、その刑罰の根拠を知らないと納得できないと思います。納得できない刑罰に改善更生も期待できません。