児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

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2013年12月25日のツイート

「京都府迷惑行為防止条例の一部を改正する条例」(案)について

 軽犯罪法の窃視罪との関係が気になりますね。盗撮については拘留科料という軽い刑罰にするというのが法律ですので。

軽犯罪法
第1条〔軽犯罪〕
左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
二十三 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者
刑法
第16条(拘留)
拘留は、一日以上三十日未満とし、刑事施設に拘置する。
第17条(科料
科料は、千円以上一万円未満とする

伊藤栄樹・勝丸充啓 軽犯罪法新装第2版
P167
本号の趣旨
正当な理由がなくて,人の住居,浴場,更衣場,便所その他人が通常衣服を着けないでいるような場所をひそかにのぞき見た者が処罰の対象である。
本号は,人の個人的秘密を侵害する抽象的危険性のある行為を禁止しひいては,国民の性的風紀を維持しようとするものである。
本号に相当する規定は,警察犯処罰令にはなかった(注1
(注1) 立案者は,本号の立案趣旨について次のように説明している(第2回国会参議院司法委員会会議録第6号5頁)。
「人の私生活の秘密,特に肉体を人に見られないという権利は,これは厚く保護きれなければならないのでありますから,妄りに他人の隠すべき肉体の部分を覗き見るということは,この権利を侵しますし私生活の平穏を害するものである。そこでこのような規定を設けることにいたしました。この罪は性的犯罪の一種だと見ることができょうかと思います。」

P168
3 禁止される行為
禁止される行為は,正当な理由がなくて,ひそかにのぞき見ることである。
(1) 『正当な理由がなくて』
「正当な理由がなくて」の意義については,第l号の解説3参照。本号の行為の主たる部分は,ひそかにのぞき見るという,それ自体違法性のあることが明らかな事柄であるので,本号の行為が正当な理由に基づく事例は,犯罪捜査の必要上ひそかにのぞき見るような場合以外には,ほとんど考えられない。
(2) 『ひそかに』
「ひそかに」とは,見られないことの利益を有する者に知られないようにすることをいう。見られる者以外の者に知られると否とを問わない。不特定多数の人の面前で、行っても,見られる者に知られないようにすれば,「ひそかに」のぞき見たことになる。見られる者の承諾があれば,「ひそかに」には当たらないことはいうまでもない。
(3) 『のぞき見る』
「のぞき見る」とは,物陰や隙間などからこっそり見ることをいう。何の作為もしないのに,自然に見えてしまったような場合は,「のぞき見る」には当たらない。望遠鏡で見ることはもちろん,カメラやデジタルカメラ,ビデオカメラ,それらの機能を備えた携帯電話機によってひそかに写真や動画を撮ることも「のぞき見る」に当たるものと解する(注2)。この場合,のぞき窓や機器に映し出された画面を通してのぞいた時点で「のぞき見た」といえるであろうから,その時点で既遂に達するものと解することができょう。
カメラやビデオカメラをトイレ内に隠して設置し行為者が直接視認しないまま隠し撮りや遠隔操作の方法で撮影し,その後,記録媒体を回収してから再生するような場合には,「のぞき見た」といえるかが問題となる。この点については,直接視認することによりのぞき見られた場合でもカメラ等で撮影された場合でも,被害者のプライパシーが侵害されたことには変わりがなく,むしろ,カメラ等で撮影された場合の方が,繰り返し何度も見られたり,第三者にデータが渡ったりする危険性があり,プライパシー侵害の程度が高いのであるから,人の個人的秘密を侵害するような行為を禁止するという本号の趣旨からは,カメラ等による撮影自体が「見た」に当たり,撮影の時点で既遂となると解すべきであろう(注3.4)。
なお,のぞき「見る」ことを要するから,隠しマイク等によって話し声,物音等をひそかに聞き,あるいは録音する行為は,本号に当たらない。

(注2) なお.女性が一般の入浴客のように公衆浴場に入り,持参のカメラをタオルで隠して,他の入浴中の女性らの裸体を撮影する行為については,本号が本来予想した類型の行為ではないが,「浴場をひそかにのぞき見た」ものに当たるといえよう。

4 他罪との関係
人の住居をのぞき見るため, その囲緯地, つまり, 庭先などに立ち入ったときは, 本号のほかに住居侵入罪( 刑法第130条) も成立する。この場合の両罪の関係につき, 最判昭57.3 .16刑集36巻3号260頁は, 牽連犯となるとする(注5)。

[002/002] 2 - 参 - 司法委員会 - 6号
昭和23年03月25日
○政府委員(國宗榮君) 輕犯罪法につきまして概括的な御説明を申上げたいと思います。
次は二十三號でありますが、本號はこれは新らしい規定でありまして、人の私生活の秘密、特に肉體を人に見られないという權利は、これは厚く保護されなければならないのでありますから、妄りに他人の隠すべき肉體の部分を覗き見るということは、この權利を侵しますし、私生活の平穩を害するものである。そこでこのような規定を設けることにいたしました。この罪は性的犯罪の一種だと見ることができようかと思います。用語の問題でございますが、「通常衣服をつけないでいるような場所」、こういうのがございますが、これは全く裸、裸體のみならず、通常隠しておる肉體の一部を露出するような場所をも含む趣旨でありまして、例えば醫者の診療室であるとか、或いは手術室であるというようなものがこれに含まれるものと思つております。それから「ひそかにのぞき見た者」とありますが、これは覗き見られる方の本人に知られないように物の間から窺い見るというようなことを「ひそかにのぞき見た者」というふうに解釋いたしております。
・・・・

次はこの第二條でありますが、第二條は「前條の罪を犯した者に對しては、情状に因り、その刑を免除し、又は拘留及び科料を併科することができる」。この點につきましては提案理由で大體御説明申上げた通りでありまして、從來は各罰號によりまして刑を階段的に分けておつたのでございまするけれども、經犯罪法に規定いたしまするところの各種の犯罪は、すべて拘留、科料に當るような極く經微な犯罪でありまするので、全部拘留、科料の刑を以て臨むことにいたしました關係上、同時に又拘留、科料の刑につきましては、執行猶豫の制度もございませんので、情状によりましては、その刑を免除する。又は場合によりましては拘留及び科料の刑を併科する。こういう兩方の刑を經くする場合、刑を免除する場合、又この情状によりまして悪いものに對しましては多少兩方を併科しまして刑罰の効果を擧げる、かように裁量の範圍を廣くいたしましたのが第二條の規定でございます。大體ここに擧げてありまするところの犯罪は、嚴格に取上げますれば日常茶飯事に起つてま凍ことでありまして、この運用は非常に戒心しなければならないものとこう考えておりまするが、假に取上げられましても、多くの場合におきまして情状をよく見まして、その時、その場所、その人についていろいろな點を考えまして、刑の免除の規定を十分に活用し得るように考えまして第二條の規定を設けた次第であります。
 第三條は、「第一條の罰を教唆し、又は幇助した者は、正犯に準する」。これは御承知のように刑法の六十四條によりまして、かような拘留、科料の罰に當るものにつきましては、教唆、從犯の規定は適用はないのでありますが、從來の警察犯處罰令におきまして、これを「本令ニ規定シタル違反行爲ヲ教唆シ又ハ幇助シタル者ハ中本條ニ照シ之ヲ罰ス」とこういうふうな規定がございまして、教唆又は幇助の場合におきましても、本條に照しましてこれを罰するという規定がございましたが、これと同じ趣旨をこの第三條に規定したのでありまするが、舊法の表現法によりますと、從犯は、刑法の六十三條の適用によりまして、刑を減經されるのか、それとも刑法總則の適用を排除する趣旨なのか、この點がはつきりいたしませんから、新法ではこの點を明らかにいたしまして正犯に準ずるということにいたしました。從つて明白に六十三條の適用は排除されまして、その刑は減經され得ない、こういうふうにいたした次第でありまして、ただ舊法の場合をもう少しはつきりさせただけに過ぎないのでございます。

京都府迷惑行為防止条例の一部を改正する条例」(案)について意見を募集します。
http://www.pref.kyoto.jp/fukei/anzen/seitai/meibou/documents/meibougaiyo.pdf
今回の改正の目的
現行条例では適用できない盗撮事案への対応
現在、京都府迷惑行為防止条例(以下「条例」という。)は、第3条に卑わいな行為の禁止規定を設け、盗撮事件はこの規定により検挙しています。
しかし、スマートフォンやアプリケーションの急激な普及などにより、盗撮事案が年々増加傾向にあるほか、現行の条例で適用できない盗撮事案が発生しています。
条例第3条の「卑わいな行為の禁止」規定は公共の場所又は公共の乗物における行為を規制しており、場所的な制限を設けています。
しかし、公共の場所等と認められないような学校の教室や職場等においては、現行条例を適用することができません。
特に盗撮行為については、映像が残り、さらにその映像が流出する可能性があるという点で他の行為より被害が大きく、高い悪質性があります。今回の改正は、このような場所における盗撮行為の規制を強化し、府民の平穏な生活を保持しようとするものです。

具体的な改正項目の内容
卑わいな行為のうち、撮影する行為について規制を強化
1 強化の内容
これまで規制の範囲外となっていた、公共の場所等と認められないような学校の教室や職場等における盗撮行為も規制範囲に含めます。
2 規制対象行為
現行条例では、盗撮に関する規定として公共の場所又は公共の乗物において他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法で、みだりに、着衣で覆われている他人の下着又は身体の一部を
? のぞき見る
? 撮影する
? ?、?の行為をしようとして着衣の中をのぞき込む
? 着衣の中が見える位置に鏡、写真機等を差し出す
? 着衣の中が見える位置に鏡、写真機等を置く
? 写真機等を使用して透視する方法により映像を見る
? 写真機等を使用して透視する方法により撮影をする
ことが禁止されています。
上記のうち、撮影する行為については、撮影により映像が残り、さらにその映像が流出する可能性があるという点で他の行為より被害が大きく、高い悪質性があります。
盗撮行為は年々増加しており、最近は規制の範囲外である公共の場所又は公共の乗物以外の場所における盗撮事件が発生しています。
しかし、公共の場所又は公共の乗物以外の場所ということで現行条例により適切に対応できない事態となっています。
そのため、今回の改正により、公共の場所等と認められないような学校の教室や職場等に対象を広げるほか、通常着衣を着けていない公衆便所、公衆浴場等における盗撮行為も規制できるよう整備します。