児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

教員免許更新 広がる不満 県教委「技術向上の機会」

 免許だけ持っている人用の講習がないので、失効するようです。
 これで淫行教師が減るのかは疑問です。

http://news.goo.ne.jp/article/kahoku/region/20071124t11033.html
2009年度に導入される教員免許更新制が、関係者にさまざまな影響を与え始めている。現職教員は10年ごとに長時間の講習を受けなくてはならず、仕事の合間に受講できるかどうか懸念を募らせる。一般の免許保持者も、教職に就いていなければ免許が失効することになり、戸惑いが広がっている。

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/koushin/07110201/002.htm
教員免許更新制Q&A−免許状を所持している一般の皆様へ−
 このQ&Aは、現時点における文部科学省の見解を示すものであり、今後中央教育審議会の議論等により見解が変更されることがあります。
【講習の受講対象者】
Q. 免許の更新に必要な講習は、誰でも受けられるのですか。
A. 講習が受講できるのは、教員、採用内定者のほかに、校長、教頭、教員として勤務した経験のある者で教育委員会等の機関に出向している方、臨時任用教員リスト登載者とすることを検討しています。教員でなく、また教員になる予定もない方は、教員免許を持っていても受講できません。

【任用】
Q. 現在、教員採用試験では、免許取得(見込み)が受験資格になっていますが、有効期間が満了して免許状が失効している人も、教員採用試験を合格すれば講習を受講できるのですか。また、免許状が失効した人が採用で不利にならないような措置・通達等は講じられるのですか。

A. 教員としての採用内定を得た方や、教育委員会・学校法人等の非常勤・臨時採用者のリストに掲載されている方については、免許状更新講習を受講できるようにする方向で検討を進めています。教育委員会等の教員の任命権者に対しては、有効期間の満了により免許状が失効している者であっても、そのことを理由に採用試験を受けさせない、あるいは採用しないことのないよう要請していく予定です。

Q. 講師等の任用に当たって、教員免許状が有効であることが条件となると、急に教員を採用する必要がある場合に対応することができるか心配です。任用が円滑に行われるよう配慮してください。

A. 臨時任用教員リスト等に登載されれば講習を受講できることとなりますので、任命権者において、リスト登載者に講習の受講を促すことなどが考えられます。なお、通信制による講習の開設を認めることなど、受講しやすい環境を整備するため検討を進めてまいります。
<第50回中教審教員養成部会(8月31日開催)資料7 P25参照>

3項製造罪(姿態とらせて製造)と強制わいせつ罪は併合罪であることの論証

 逆に、併合罪にする理屈を考えています。
 撮影型の強制わいせつ犯人は、性的傾向の発露として撮影しているわけだから、自然的にみて一個の行為ですよね。
 東京高裁なんかは撮影しなくても性交等できるから児童買春罪とは併合罪とかいうんですけど、強制わいせつの場合は、切り離せないですよね。
 強いて併合罪にしたいのなら、
  脱がす・触る行為→強制わいせつ罪
  撮影行為→3項製造罪
という風に、公訴事実・犯罪事実を書き分けてもらわないと。検察官の訴追裁量でどこを強制わいせつで、どこを製造罪で起訴するかは自由だという理屈で。
 それでも見る人が見れば、全部わいせつ行為だから、混合的包括一罪とかになりそうですけど。

※ 3項製造罪(姿態とらせて製造)と強制わいせつ罪の関係=併合罪
(1) 刑法54条1項の「一個の行為」の意味について(林正彦判事の分析)
(2)3項製造罪(姿態とらせて製造)と強制わいせつ罪の構成要件の重なり合い
①強制わいせつ罪の構成要件
②3項製造罪(姿態とらせて製造)の構成要件
イ 「姿態をとらせて」を実行行為とするもの
札幌高裁H19.3.8
札幌高裁H19.9.4
東京高裁H17.12.26
ロ「姿態をとらせて」を実行行為としないもの
名古屋高裁金沢支部H17.6.9
最高裁h18.2.20
ハ 判断つきかねるとしたもの
東京高裁H19.11.6
③構成要件の重なり合い
(3)構成要件が重なり合っても社会見解上一個の行為とはならない。
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 これは難しい問題であるが、児童ポルノの害悪を強調して、「とりわけ,児童ポルノの製造は,それ自体が児童に対する性的搾取及び性的虐待であり,児童に対する侵害の程度が極めて大きいものがあるからこそ,わいせつ物の規制と異なり,製造過程に遡ってこれを規制するものである。この立法趣旨に照らせば,各罪はそれぞれ法益侵害の態様を異にし,それぞれ別個独立に処罰しようとするものであって,販売等の目的が共通であっても,その過程全体を牽連犯一罪として,あるいは児童毎に包括一罪として,既判力等の点で個別処罰を不可能とするような解釈はとるべきではない。」(東京高裁H15.6.4)とか、「観念的競合関係を肯定するとすれば,いわゆるかすがい作用により,科刑上一罪とされる範囲が不当に広がる恐れも否定できない」(東京高裁H19.11.6)とか、実際上の不都合を指摘するしかない。

また、児童ポルノ罪は、児童ポルノが児童に対する性的搾取及び性的虐待であり,児童に対する侵害の程度が極めて大きいから特に特別法として設けられた趣旨に鑑みれば、児童ポルノ罪を成立させることによって、従来的性犯罪の処断刑期が軽減されるような解釈は許されないとも言えるであろう。


(4)判例併合罪
阪高裁H14.9.10
東京高裁H15.6.4
東京高裁H19.11.6
名古屋高裁金沢支部H17.6.9
名古屋高裁金沢支部H14.3.28

 弁護人がこうやって無理矢理「併合罪」だといえば、検察官と裁判所は弁護人の主張を否定するためにやむなく「観念的競合」にしてくれる。そう思えば、被告人に有利な主張。