児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

裁判員裁判、量刑に開き 同一シナリオでも無期〜懲役16年

 裁判官の量刑感覚って、厳然と存在するんですが、裁判員適用事件だけは、解放されるってことですね。
 で、控訴して是正するんですか?

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/071011/trl0710112220005-n1.htm
各地裁で同じ事件を審理したにもかかわらず、最も軽かったのが懲役16年(1地裁)、最も重かったのが無期懲役(8地裁)と、大きな開きが出た。最も多かった量刑は、懲役20年(9地裁)。そのほか、懲役30年(8地裁)、懲役28年(1地裁)、懲役25年(6地裁)、懲役23年(2地裁)だった。
 最高裁は、ばらつきについて「被告役、証人役の演技力に差がある」などの点を挙げ、「ある意味当然」としている。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/071011/trl0710112220005-n2.htm
裁判では、事実認定に加え、被告にとって有利な事情と不利な事情を加味して量刑が決められる。職業裁判官にはケースの似た事件を審理した経験などから、量刑は「だいたいこの辺になる」という“相場観”が形成されているという。
 東京地裁の模擬裁判の評議では、職業裁判官3人は「無期懲役は重すぎる」と判断。量刑は懲役25年が2人、「20〜30年の範囲」が1人だった。一方、裁判員の量刑は無期懲役1人、懲役30年2人、懲役25年3人とばらつきが見られた。結局、判決は裁判員法の規定により懲役25年となった。
 ベテラン裁判官は「今までの相場はプロの裁判官が作ったもので、裁判員裁判がこれに影響された量刑でいいのかという問題がある。裁判を重ねることで、新たな相場が形成されるのではないか」と話している。

チェックリストでわいせつ事件防止

 「教委用」として
・「懲戒免職」はもはや威嚇効果が弱いことを知っているか
・懲戒事例の原因を調査しないと対策を講じることはできない
・福祉犯では被害児童の救済が最優先だ
・教員-教え子の児童淫行罪は実刑である。
というのも作った方がいいですね。

わいせつ事件防止、市町村教委に通達 チェックリスト添付 道教委=北海道
2007.10.11 読売新聞社
 札幌市立小学校の教頭逮捕を受け、道教委は10日、教職員のわいせつ事件防止をすべての道立学校と、所管する市町村教委に通達した。道教委では「事態を重く受け止め、わいせつ事案の根絶を目指す」としており、昨年度の処分事例や刑法、児童買春・児童ポルノ禁止法など関係法令、わいせつ事件防止の「チェックリスト」も添付した。
 通達では、9月19日に道立高教諭が公然わいせつ容疑で逮捕された事件にも言及し、「教職員としての適格性を論ずるまでもなく極めて遺憾」とし、所属職員への指導徹底や、校長・教頭が率先して職員との対話を深める−−などを各学校に求めている。
 チェックリストは、職員指導の留意点9項目を示した「校長・教頭用」と、6項目の自己診断項目を記した「教職員用」に分かれている。活用方法は各学校に任されている。
 道央地方の30歳代の小学校男性教諭は「(わいせつ事件は)一般教員の努力を一瞬で吹き飛ばす」と話している。チェック項目については「子供を預かる職にある以上、他の職と比べて強くとがめられるのは仕方がない」と話した。

道教委のわいせつ事件防止チェックリスト(抜粋)
校長・教頭の教員指導
・密室で児童生徒を指導している教員はいないか
・児童生徒と教員が交際しているとのうわさはないか
・家族関係など生活環境に、教職員にストレスを与えるような大きな変化があったか知る努力をしているか
・わいせつ不祥事の新聞記事などを切り抜いて、教職員に知らせているか
教職員の自己診断用
・通勤電車内で意図的に女性客に近づいたり、酔って電車に乗った時に、意図的に女性客の隣に座ったりすることはないか
児童ポルノを扱った雑誌やインターネットに興味を持ち始めていないか
・児童生徒に対するわいせつ行為は、同意の有無を問わず、懲戒免職となることを知っているか

「失礼ですが、奥村弁護士は出会い系サイトや出会い喫茶をご利用になったことないですか?」「出会い系を利用されている弁護士を知りませんか?」という報道機関の取材

 無礼者。
 被疑者・相談者から聞いていますが、行ったことはありません。
 出会い系を使う弁護士はいるかも知れないが知りません。

 自分で潜入取材でもしたら?

犯罪者の規範意識↑→

 再犯危険ある人や再犯した人が多いので、こういう図を書いてみました。
 犯罪に至る、規範意識が低下していく過程を経て、犯罪に至り、刑事手続の最中は規範意識が急激に覚醒するのですが、刑事手続が完了した後に努力しないと従前の規範意識に戻るということが言いたいんですが。

Q&A類型別刑事弁護の実務

 買いましたが、初心者向け。
 福祉犯の記述はなし

http://www.sn-hoki.co.jp/shop/product/book/detail_50629.html
■第4章 個別犯罪類型
22. 殺人事件
○殺意を争う場合の情況証拠
○殺意を争う場合の弁護活動
23. 暴行・傷害・公務執行妨害事件
○暴行・傷害事件
公務執行妨害事件
24. 窃盗事件
○窃盗事件の特徴
●コラム「ピッキング防止法とは」
○近接所持に基づく犯人の認定
25. 強盗・恐喝事件
○暴行・脅迫の程度が軽い場合
○財物奪取の意思がない場合
○恐喝事件における被害者供述の弾劾
26. 詐欺・背任事件
○詐欺事件の弁護活動
○背任・特別背任事件の特徴
○背任・特別背任の共犯事件における注意
27. 放火事件
○放火事件の弁護活動
○放火事件の自白を争う場合の注意
●コラム「出火場所の特定」「燃焼実験」
28. 贈収賄事件
○贈収賄事件の特徴
○賄賂の授受を争う場合の注意
29. 交通事犯
○交通事犯の特徴
●コラム「被害者との示談交渉」
○現場の調査
○事故時の速度等の推定
○注意義務違反の検討
30. 薬物事犯
○薬物事犯に対する法規制
覚せい剤の薬理作用と検出方法
覚せい剤の検出期間と訴因の特定
○薬物事犯における弁護活動
○薬物事犯における情状弁護
31. 痴漢事件
○痴漢否認事件における捜査段階の弁護活動
○痴漢否認事件における公判段階の弁護活動
○痴漢自白事件の情状弁護
●コラム「示談の金額」「マスコミ対応」
32. 公職選挙法違反事件
公職選挙法違反事件の特徴
○買収・供応接待を争う場合の注意
33. 外国人事件
○外国人との接見
●コラム「他民族・多言語国家」「外国人事件の事情聴取の工夫」
出入国管理法の知識
○通訳人の確保
○外国人事件の証拠の確保
○取調べの際の通訳に問題がある場合
○法廷通訳内容の検証

「医師に対する行政処分一覧(平成19年9月27日 医道審議会医道分科会)」日本医事新報 第4354号 2007年10月6日

 判決書の犯罪事実が掲載されています。
 罪種と量刑はわかりませんが、事実と処分を対応させれば、相場がわかります。

児童ポルノ販売:わいせつDVD、6被告に有罪判決(米沢支部H19.10.11)

 撮影していない場合は、裁判所も被害者を意識しないので、こんなもんです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071012-00000122-mailo-l06
 わいせつな映像のDVDを販売したとして児童買春・ポルノ禁止法違反(児童ポルノ販売)の罪などに問われた6被告の判決公判が11日、地裁米沢支部であった。石川真紀子裁判官は懲役1〜1年6月、執行猶予3年を言い渡した。
 判決によると、6被告はリーダー格の被告(36)=同罪などで起訴=とともに4月、新庄市の男性にわいせつな映像のDVD14枚(計1万2000円)を販売。東京都内に同様のDVD314枚と販売目的で作製した児童ポルノのDVD25枚を所持していた。

理想的な在宅事件の流れ

 悪いことやっておいて逮捕だけは勘弁してくれと申し出た人の処分です。
 逮捕されれば23日で終わるんですが、在宅になると事件処理期間としては長期戦になります。

1/3 犯行(児童買春・青少年条例違反)
1/15 委任契約・弁護人選任
(弁護人、事実調査・証拠収集など)
(弁護人、警察と調整)
1/26 自首・取り調べ(弁護人、同行して自首調書まで見届け)
3/19 取り調べ(弁護人、事前事後の相談)
4/10 取り調べ(弁護人、事前事後の相談)
5/20 送検
(弁護人、被害弁償など)
5/30 検事調(弁護人、事前事後の相談)
(弁護人、検事と調整)
6/7 不起訴
8/12 不起訴告知書

 家族・会社には漏れていない。
 弁護士が被害者に謝罪とか尽くしても、重い罪なので、逮捕は免れても、不起訴の可能性は極めて低いこと
 不用意に出頭して逮捕される例があることに注意。

 
 

淫行規制条例と児童買春罪との関係(補訂)〜風俗・性犯罪シリーズ捜査実務全書9第3版P359

 延々と説明されていますが、児童ポルノ・児童買春法のおかげで条例でも法律でも処罰されない行為が生じています。児童ポルノ・児童買春法の考えの至らない点ですね。

情報劣化〜マスメディアの現状が抱える問題点

 テレビがくだらんというお話でしょうか?

http://www.rikuryo.or.jp/talkrelay/takeda89.html
六稜トークリレー Talk Relay【第48回】2007年12月1日
情報劣化〜マスメディアの現状が抱える問題点
山田五郎(本名:武田正彦@89期)さん