刑事事件は、法廷での言渡しが「判決」であって、判決書はその記録に過ぎない。
そのせいか、判決書の謄本交付は有料。
刑事訴訟法第46条
被告人その他訴訟関係人は、自己の費用で、裁判書又は裁判を記載した調書の謄本又は抄本の交付を請求することができる。
被告人は法律の事よりも量刑にしか関心がなく、通常、上訴しないかぎり、判決書を求めない(当職担当事件では執行猶予でも、感銘力確保のために必ず判決書を渡しています。)
稀に、手続上、判決書が要求されることがあって、それが上告審としての事件受理申立。
第406条〔上告審としての事件受理〕
最高裁判所は、前条の規定により上告をすることができる場合以外の場合であつても、法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件については、その判決確定前に限り、裁判所の規則の定めるところにより、自ら上告審としてその事件を受理することができる。
規則第258条の3
(1) 申立人は、前条第二項の規定による謄本の交付を受けたときはその日から、前条第一項但書の場合には第二百五十七条の申立をした日から十四日以内に理由書を原裁判所に差し出さなければならない。この場合には、理由書に相手方の数に応ずる謄本及び原判決の謄本を添附しなければならない。
要するに判決書のコピー代が用意できないと、上訴できない。
1枚60円で、枚数は不定。免除規定もない。
規則で義務付けるのであれば、無償にしてもらえないか?
法律上の主張でいえば、
有償で判決書謄本を交付したことは憲法32条に違反する。
また、判決書に関する限り、刑事訴訟法46条の、「自己の費用で、」という部分は刑法32条に違反し、無効である。
ということになるだろう。