児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

性的意図なくても強制わいせつに!? 最高裁大法廷が約半世紀ぶりに判例変更へ

 「あるベテラン刑事裁判官は「もともと評判が悪い判例だった」と話す。」という裁判官もこれまで性的意図必要説で判決してきたわけで、ずるい奴らだ。
 奥村は、正面から性的意図不要説を唱えて、性的必要説の高裁判例
東京高等裁判所H28.2.19(最決H29.2.2)
広島高裁岡山支部H22.12.15(最決H24.4.4)
をもらっていて、これらと本件の原判決の判例違反も生じている

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171106-00000502-san-soci
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171106-00000502-san-soci.view-000
男は、平成27年1月に13歳未満の女児の体を触っている様子を携帯電話で撮影するなどしたとして、児童買春・ポルノ禁止法違反罪や強制わいせつ罪に問われている。問題となっているのは、男の「性的意図」だ。

 強制わいせつ罪について無罪を主張する弁護側の根拠となっているのが、最高裁が昭和45年1月に示した判例。報復目的で女性の裸の写真を撮影したとして、強制わいせつ罪に問われた男の上告審で、同罪の成立には「自分の性欲を興奮させたり満足させたりする性的意図が必要」と判示した。

 最高裁判例の背景には、医療や介護従事者ら性的意図なく相手の身体に接触するような人が、強制わいせつ罪に問われないようにとの配慮があったとみられる。

 今回のケースでも、男は「知人から金を借りる条件として、女児とのわいせつ行為を撮影したデータを送るよう要求された」と供述。弁護側は性的意図はなく、強制わいせつ罪は成立しないと主張している。

 ■「評判悪い判例

 最高裁判例は地裁や高裁の判断に大きな影響を与えるが、あるベテラン刑事裁判官は「もともと評判が悪い判例だった」と話す。

 通常、多くの犯罪は「行為」と「故意」があれば成立する。ただ、この判例を前提とすると、強制わいせつ罪にはそれに加えて、性的意図という「主観」を求めていることになる。

 似た例が通貨偽造罪だ。刑法は「行使の目的で、通用する貨幣、紙幣または銀行券を偽造し、または変造した者は、無期または3年以上の懲役に処する」と規定。通貨の偽造という「行為」と「故意」に加え、行使の目的という「主観」を求めている。

 ただ、通貨偽造罪が「主観」を条文に明記しているのに対し、強制わいせつ罪は明文ではなく判例によって「性的意図という主観が必要」と解釈されてきた。

 ベテラン裁判官は「強制わいせつの場合、被告に性的意図があってもなくても、体に触るなどの行為をしていることに違いはないわけだから、一般的な理解が得にくい」と話す。

 実際、今回の被告について1審神戸地裁判決は「犯人の性的意図の有無によって、被害者の性的自由が侵害されたか否かが左右されるとは考えられない」とし、最高裁判例は「相当ではない」と判断。同罪の成立を認め、2審大阪高裁判決も支持した。

 一方、仮に判例変更をするとしても、最高裁の言及の仕方によって、影響範囲は異なってくる。注目の判断は11月29日に示される。