無限責任というと、被害を受けた者は無限に賠償金を支払ってもらえるようなイメージを持たれるのですが、それは非現実的で、結局は責任者の資力によって有限になります。しかも賠償請求をめぐって事態が紛糾してお金が容易に出ない場合もあります。本来、保険というものは一定の条件が揃えば自動的に支払われるところが利点であり、責任者が懐から出す場合はそう簡単にお金は出ないものです。
海外でも、ドイツ法とスイス法は、後に有限責任から無限責任に改正されましたが、持っている資力は、日本が六百億円であるのに対して、ドイツは約三千二百億円と、桁違いです。また、近くフィンランドとスウェーデンが無限責任を採用するようです。