児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

2016年04月14日のツイート

児童買春罪の被害児童のコメント

 長野県の児童買春事件の被害児童保護は、法律上長野県の義務になっています。「「男に居場所を捜し出され、襲われるのでは」。不安を抱えていても、家族や学校の先生にも相談できず、公的な相談窓口もどこにあるかわからなかった。」というんだから、長野県はやってないですよね。
 法律を守らない自治体が青少年条例を作っても、結局なにもできないと思います。

児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(H26改正後)
第三章 心身に有害な影響を受けた児童の保護のための措置
(心身に有害な影響を受けた児童の保護)
第十五条  厚生労働省法務省都道府県警察、児童相談所、福祉事務所その他の国、都道府県又は市町村の関係行政機関は、児童買春の相手方となったこと、児童ポルノに描写されたこと等により心身に有害な影響を受けた児童に対し、相互に連携を図りつつ、その心身の状況、その置かれている環境等に応じ、当該児童がその受けた影響から身体的及び心理的に回復し、個人の尊厳を保って成長することができるよう、相談、指導、一時保護、施設への入所その他の必要な保護のための措置を適切に講ずるものとする。
2  前項の関係行政機関は、同項の措置を講ずる場合において、同項の児童の保護のため必要があると認めるときは、その保護者に対し、相談、指導その他の措置を講ずるものとする。
(心身に有害な影響を受けた児童の保護のための体制の整備)
第十六条  国及び地方公共団体は、児童買春の相手方となったこと、児童ポルノに描写されたこと等により心身に有害な影響を受けた児童について専門的知識に基づく保護を適切に行うことができるよう、これらの児童の保護に関する調査研究の推進、これらの児童の保護を行う者の資質の向上、これらの児童が緊急に保護を必要とする場合における関係機関の連携協力体制の強化、これらの児童の保護を行う民間の団体との連携協力体制の整備等必要な体制の整備に努めるものとする。
(心身に有害な影響を受けた児童の保護に関する施策の検証等)
第十六条の二  社会保障審議会及び犯罪被害者等施策推進会議は、相互に連携して、児童買春の相手方となったこと、児童ポルノに描写されたこと等により心身に有害な影響を受けた児童の保護に関する施策の実施状況等について、当該児童の保護に関する専門的な知識経験を有する者の知見を活用しつつ、定期的に検証及び評価を行うものとする。
2  社会保障審議会又は犯罪被害者等施策推進会議は、前項の検証及び評価の結果を勘案し、必要があると認めるときは、当該児童の保護に関する施策の在り方について、それぞれ厚生労働大臣又は関係行政機関に意見を述べるものとする。
3  厚生労働大臣又は関係行政機関は、前項の意見があった場合において必要があると認めるときは、当該児童の保護を図るために必要な施策を講ずるものとする。

「条例通じ性被害なくして」 被害の少女 訴え=長野
読売新聞社2016.04.13 
 子どもを性被害から守るための条例の制定に向け、県が意見公募(パブリックコメント)を実施する中、性犯罪の被害に遭った県内の少女(16)が、読売新聞の取材に応じた。少女はスマートフォンの出会い系アプリを通じて会った男から、買春被害に遭った。県の条例案骨子では、性被害を防ぐために「インターネットの適正利用の推進」を盛り込んでいるが、少女は「条例を通じてネットの正しい使い方が広まり、同じような目に遭う子供をなくしてほしい」と訴えている。(伊賀幸太)

 少女が被害に遭ったのは、中学3年の卒業間際。昨年3月のこと。相手は自称30代の会社員だった。出会い系アプリを通じて知り合い、チャット機能を使って「2万5000円で、会えない」などと誘われ、少女は地元でこの男と会った。

 少女はもともと出会い系アプリを利用するのは「乗り気じゃなかった」という。先輩の少女に「(アプリを)やれ」と脅され、利用を始めた。「(先輩は)私に売春させて、男からもらったお金を巻き上げるつもりだったと思う」。怖い目に遭うのでは、との不安もあったが、それでも「何とかなるのではと軽い気持ちで行動していた」と振り返る。

 男からの買春被害は一度だけ。だが、その後も「これからも会えるかな」と何度も連絡があり、恐怖に震えた。「男に居場所を捜し出され、襲われるのでは」。不安を抱えていても、家族や学校の先生にも相談できず、公的な相談窓口もどこにあるかわからなかった。不安な日々は、男が児童買春・児童ポルノ禁止法違反(児童買春)容疑で県警に逮捕されるまで続いた。

 少女は「何も考えずに出会い系アプリを使うことがいかに危険か子供に教え、被害を防ぐのにつながるのなら、条例も一つの方法になると思う」と話した。

 県警によると、2015年中に同法違反(児童買春)容疑で県警が検挙した容疑者は20人で、同法が施行された1999年以来、最も多かった。被害者も5年前の2倍近い13人に上る。いずれの容疑者も、出会い系サイトやアプリなどを通じて被害者の子供と知り合っていたという。

 「子どもを性被害から守るための条例」案の骨子は、県庁などで閲覧できるほか、県ホームページで見ることができる。意見公募は今月25日まで実施中で、郵送かファクス(026・235・7087)、メール(jisedai@pref.nagano.lg.jp)で県次世代サポート課へ意見を送る。