児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

職場PCでポルノを見たら停職

 テンポラリーに画像が残っているうちは、HDDが児童ポルノやわいせつ物になります。判例の考え方だと、製造し所持したことになる。(目的が備わらないと犯罪ではないが)
 そこから拡散する危険性もあるわけだ。
 そう考えると、重い処分もやむを得ない。

http://newsflash.nifty.com/news/topics/sex_offense/ts__yomiuri_20040522i501.htm
教師が学校のパソコンでインターネットのわいせつ画像を見るケースがあるため、その場合は最高で停職とするよう処分基準を追加した。

テレクラ・出会い系・恐喝・傷害等 東京地裁H15.10.7 いわゆる「美人局」

怖いですね。

社会ニュース - 10月7日(火)17時10分
有罪判決=美人局で会社員ら恐喝−東京地裁時事通信

東京地裁H15.10.7
A、C 懲役2年6月、執行猶予4年(求刑懲役2年6月)
B 懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役3年)
(罪となるべき事実)
被告人3名は
第1
DEFと共謀の上.
甲に,Eと援助交際と称して情交関係を持たせ,これに因縁を付けて甲から金員を喝取しようと企て,平成15年3月12日午後10時30分ころから翌13日午前1時30分ころまでの間,     所在の  シティホテル   において,甲に対し.「俺はこいつの彼氏だ。あんた,Eと何してたんだよ。自分がやったこと分かってるのか。どうやって責任とるんだよ。どうしてくれんだよ。お前ふざけるんじやねえ。」「こいつ,キレると怖いからさあ。こいつに謝ってやれよ。お前ふざけんじやないよ。なめてんじやねえよ。本当に話さないと,ぶっ殺すぞ。こんなことやってただじやずまないの分かってるよなぁ。お前ふざけんじやねえよ。ボロボロになるのは分かってるだろう。「お前,どうするんだよ。警察に突き出すのは簡単だが,そうするとお前の一生はボロボロになるぞ。警察に突き出されたら,援交で捕まって,会社はクビになって,離婚されるぞ。離婚されたら,離婚訴訟で多額の借金を抱えさせられて,再就職できなくなるぞ。そうなったら,お前の一生は終わりだぞ。そうなる前に,どうやって責任とるか考えろ。どうするんだ。償い方があるだろう。俺はある償いをしなければならないときに,30万払って,手をカッターで切った。警察に行くなら,俺達が,朝まで会社とか家に電話かけまくって,それから警察に突きだしてやる。こいつが納得するように,責任とれよ。」などと申し向けて脅迫し,(甲)を同室内のベッド上に仰向けに押し倒して,その腰部に馬乗りになり、その頚部を両手で絞め付けるなどの暴行を加えて金員の交付を要求してこれに応じなければ同人の生命・身体,名誉等にいかなる危害を加えられるかもしれない旨畏怖させて金員を喝取しようとしたが,甲がこれに応じなかったため,その目的を達せず,その際,前記暴行により,同人に加療約1週間を要する右頚部損傷の傷害を負わせ

第2
DGと共謀の上、乙にGと援助交際と称して情交関係を持たせ、これに因縁を付けて甲から金員を喝取しようと企て,平成15年4月26日午後10時ころから翌27日午前零時ころまでの間, 所在のホテル             号室において,(乙)に対し,「俺はこいつの彼氏だ。お前人の女に手を出して,どう落とし前つけるんだ。ぶっ殺ずぞ。ふざけんなこのやろう。どうしてくれるんだよ」「そんなことしていいと思ってるの。ただじやすまないよ。とにかく謝って,話をしようよ。」「こんなことやっていいと思ってるのか。ふざけんな。どう落とし前つけるんだ。指落とせ。ぶっ殺すぞ。どう責任とるんだ。奥さんに知られたら離婚されるだろう。養育費や慰謝料を払うの大変だろ。会社に知られたらすぐにクビだよ。警察に言ったら,助交ですぐに拝まるよ。家族や会社に知られる前に,お前が解決する方法を考えろ。その方がいいだろう。いくら持ってるんだ。お前いくらなら用意できるんだ。とりあえず,有り金全部出せ。」などと語気鋭く申し向けるなどして脅迫して金具の交付を要求し,(乙)をしてこれに応じなければ同人の生命身体名誉にいかなる危害を加えられるかもしれない旨畏怖させ,よってそのころ,同所において,同人から現金3方5000円の交付を受けてこれを喝取したものである。


(量刑理由)
本件は,被告人らが,多数の仲間と共にいわゆる美人局による恐喝を行い,1件は未遂に終わったものの,その際被害者に傷害を負わせ(判示第1)、1件は現金を喝取した(判示第2)とい事案である。
被告人らはあらかじめ書面でマニュアルまで作成して相談するなどし,テレフォンクラブに電話をして被害者と援助交際被名目の情交関係を結ぶ女性,その後ホテルの部屋に入り込み,女性の交際相手を演じ.被害者に怒りをぶつける彼氏役の男性,当該男性をなだめる友人役の男性,その先輩などとして被害者を脅しつけ,金具を喝取する男性,見張り監視役の男性など多数の共犯者間で綿密な役割分担をを定めて周到に準備した上で,これに従って巧妙に被害者をホテルに誘い込み筋書きどおり恐喝に及んでいたもので、その犯行態様は,相手方の弱みにつけ込むことを前提とした卑劣かつ狡猾ではなはだ組織性が強い計画的なものである上、実際の脅迫や暴行も執拗で、かなり程度の高い強烈なものがあり,悪質というほかない。被告人らの犯行による被害ついても軽視することはできず、判示第1の犯行では軽視できない傷害まで負わせ,判示第2では実際に相当額の現金を喝取しているほかホテルの狭い室内で複数の若い男性から相当時間にわたり繰り返し怒鳴りつけられ脅迫されるなどした被害者らが受けた恐怖感,精神的衝撃も大きく,被害者がいずれも厳重処罰を求めていた心情は容易に理解できる。判示第2については,さらに執拗に被害者に対してサラ金から現金を借り入れさせようとするなど犯行後の情状も良くない。

わいせつ物公然陳列・winmx・罰金40万円札幌簡裁h16.1.30

 mxの場合、中央サーバーがないので、犯人のHDDを陳列したという法的構成になります。
 自宅と役所から同一pcを陳列したということは、自前のノートpcなんでしょうね。
 sという「インターネット利用者」は道警の方だと思います。
 画像ファイルが相手方に丸ごと行ってしまうので、実質は「頒布」です。
 児童ポルノでこんな事をすると、公判請求だと思われます。

わいせつ画像ネットで流す容疑で香川県警の巡査長逮捕/北海道・札幌西署-読売新聞2004年1月22日(木)
略式命令
主文
被告人を罰金40万円に処する。
公訴事実
 被告人は,自己のパーソナルコンピュータによりインターネットを利用していたものであるが
1 平成15年12月3日午後5時22分ころから同日午後6時2分ころまでの被告人方において,他のインターネット利用者のコンピュータとファイルの共有を可能とするコンピュータプログラムである「WinMX」を利用して,自己の前記パーソナルコンピュータの記憶装置であるハードディスク内の指定フォルダ内に記憶・蔵置させた男女の性器等を露骨に撮影したわいせつ画像データを,電気通信向線を経由し,同プログラムの機能を使用して同コンピュータにアクセスしてくる不特定多数のインターネット利用者が受信して再生閲覧することが可能な状態とし,そのころ,同コンピュータにアクセスしてきた不特定のインターネット利用者であるsに対して同わいせつ画像データを送信して再生閲覧させ,もってわいせつ物を公然と陳列し
2同月4日午前9時4分ころから同日午前9時6分ころまでの間,同県m警察署において,前同様の方法により前記パーソナルコンピュータを用いて,男女の性器及び性交場面を露骨に撮影したわいせつ画像データを不特定多数のインターネット利用者が再生閲覧することが可能な状態とし,そのころ,同コンピュータにアクセスしてきた前記sに対して同わいせつ画像データを送信して再生閲覧させ,もってわいせつ物を公然と陳列したものである。
罪名及び罰条
わいせつ物陳列
刑法第175条前段

HDD上で没収すべきデータを特定できるか?

 H11当時、HDD上のわいせつデータを特定することはできなかったようです。
 H16の刑事訴訟法改正案では、特定のデータを差押たり、没収したりします。
 

・・・・・論文から・・・・・
 HDD上のデータの特定については、大阪高裁H11.8.26の判示が有名であるが、技術に無知な過去の判決であり、今日では妥当しない。

大阪高等裁判所判決/平成9年(う)第1052号
平成11年8月26日
判例タイムズ1064号239頁
判例時報1692号148頁
 また、所論は、ハードディスク内のわいせつ画像データのファイルがわいせつ物であり、それで特定することが可能であるのに、ハードディスク全体をわいせつ物と認定した原判決には、そこに蔵置されている無関係な情報をもわいせつ物とした誤りがある、という。
 しかし、ハードディスクは それ自体で一個の完結した記憶装置であるところ、本件ハードディスクの中に、わいせつ画像データと並んでこれと無関係なデータが記憶・蔵置されているとしても、わいせつ画像データは分散して記憶・蔵置されており、その磁気ディスク部分をこれと無関係なデータと物理的に峻別して特定することは極めて困難であると認められるから、原判決が本件ハードディスク全体を一個のわいせつ物とした判断に誤りがあるとは認められない。

メールを押収するのに、pcごと没収するという判決

 HDDだけの没収にしておいてやってもいいんじゃないですか?

東京高裁H14.12.17 東京高裁判例速報3186号
住居侵入,窃盗,ストーカー行為等の規制等に関する法律違反
東京高裁平成14年12月17日被告人上告
○判示事項
トーカー行為に係る電子メールを,ファイルとして保管したパソコン全体を犯罪行為に供した物として没収を認めた事例。
○裁判要旨
1一台目のパソコン(以下,Aのパソコンという)を使用して被害者に,送信したストーカー行為に係る電子メールを,ファイルとして二台目のパソコン(以下,Bのパソコンという)に保管することは,次なる電子メール送信行為の前提となる行為であって,実行行為と密接に関連のある行為といえるので,Bのパソコンも,犯罪行為に供した物であるといえる。
2 本件各パソコン中に記録されている電磁記録のうち,犯罪に関するもののみを抹消するなどして,これを没収とすることは,現行法上は予定していないと解されるので,本件各パソコン全体を没収する。
○備考
本件は,没収に関する規定が制定された当時には全く予想されていなかった事例であり,今後本件と同種の事例(例えば,携帯電話の利用等)が多発するものと予想されるので,犯行に供したパソコン,携帯電話等の没収の根拠,方法等につき,十分検討すべきものと思われる。
なお,研修613号(99/7)の「磁気ディスクの偽造データの入ったファイルの処分について」においても,パソコンのファイルの没収の可否等につき解説がなされている。

月刊ビジネス法務7月号

昨日買ったら、今日、中央経済社からもらいました。

藤谷護人さんは、弁護士で唯一のシステム監査技術者です。

http://www.chuokeizai.co.jp/bjh/index.html
7月号のおしらせ/5月21日発売
特集漏洩事件の連鎖を断ち切る
情報セキュリティ対策の急所
Yahoo!BBによる情報漏洩事件を検証する 藤谷護人
多様化する雇用と情報流出
社内パソコンのセキュリティ対策
コラムアメリカの個人情報防衛
日常業務に潜む落し穴

管理者に必要な個人情報保護法の実務対応

 個人情報ネタは、どこ行っても、顔ぶれが同じですね。

https://ssl.medialive.jp/sfm2004ni/forum_W908.html
2004年7月2日(金) 10:00〜18:00
管理者に必要な個人情報保護法の実務対応
Legal aspect of the Internet
■ 講 師 Moderator / Speakers
岡村 久道
弁護士法人英知法律事務所
Speakers
(予定)
経済産業省
鈴木 正朝
新保 史生
丸山 満彦
江崎 浩

P2P帯域制御の最新状況

8時間ぶっ続けですか?

難易度★★★
https://ssl.medialive.jp/sfm2004ni/forum_W904.html
2004年6月29日(火) 10:00〜18:00
P2P帯域制御の最新状況
1. ワークショップの全体説明
2. P2Pアプリケーションの現状
a) P2Pアプリケーションのこれまで
b) P2Pアプリケーションの最新世界動向
c) P2Pアプリケーションビジネス
d) 今後の展開
3. P2P帯域制御方式
a) 専用装置による対応例
b) ルータによる対応例
4. ネットワークでみたP2P
a) 観測事実
5. 今後のP2P
a) 今後のネットワーク展望
6. パネルディスカッション