児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・強姦・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(強姦罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例違反)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

CGの児童ポルノ

 写真を丸写しにしちゃうと「実在児童の姿態」になっちゃいます。
 一般には写真よりも犯情は軽いと思いますが、実物よりエロく描写することもできるので、一概には言えません。
 写真集の事件の場合は、常に合成・CGなどで被撮影者が実在しないのではという問題があって、実在性が明らかな事件でも、
①画像の不拡散 
②画像の潰れ 
③画素の混合
でCGでないことを確認して検察官がそういう証拠を出してきます。

児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律
第2条(定義)
3 この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
一 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
二 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの

森山野田「よくわかる改正児童買春ポルノ法」
P78
(13) 「その他の物」とは、例示されている写真に類する様々な物をいいます。例えば、アナログ方式のビデオディスクがその例です。なお、絵は例示に挙がっていませんが、実在の児童を描写した絵は、その他の物に含まれ、児童ポルノに当たることもあります。
(14) 「視覚により認識することができる方法により引写したもの」と規定したのは、単に文字や音声で描写するだけの小説や録音テープは、児童ポルノには当たらないことを示すためです。
なお、児童の姿態を視覚により直接認識することができるものには限られず、一定の操作を行うことによって視覚により認識することができれば足り、ビデオテープ、CD-ROM 等も児童ポルノに当たります。

P181
Q34 この法律では絵が規定されていません。絵は児童ポルノには含まれないのでしょうか。
A この法律では、児童ポルノの定義に「絵」を明記していませんが、「絵」は児童ポルノの定義の中の「その他の物」に合まれ、児童ポルノに該当することもあり得ると考えます。
この法律では、児童ポルノとは児童の一定の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものとされており、ここにいう「児童」とは、18 歳未満の実在する児童をいうものです。したがって、絵についても実在する児章の姿態を描写したものと認められるなら、児童ポルノに当たり得ることになります。
・・・
Q39 インターネットなどでは、頭部は実在の児童で、裸の身体の部分をコンピューターグラフィックスで作り合成したようなものが流れていますが、このような行為はこの法律では処罰されるのでしょうか。
A 合成写真を利用したいわゆる「疑似ポルノ(コラージュについても、児童ポルノに当たる場合があります。
この法律では、児童ポルノとは、児童の一定の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう」とされており、ここにいう「児童」 とは、「18 歳に満たない者」すなわち「実在する児童」を意味します。そして、今回の法律の中では、。外国の立法例にあるような疑似ポルノについて明文の規定は置いておりません。
したがって、写真等が「実在する児童の姿態」を描写したものであると認められない限り、児童ポルノには該当しません。
ただ、合成写真等を利用した疑似ポルノの中には、「実在する児童の姿態」 を描写したものであると認定できるものもあると考えられ、このようなものについては、児童ポルノに当たり得ると考えます。どこまで実在の児童の姿態を描写すれば児童ポルノかどうかは、個別具体的な判断です。ただ、実在する児童について、その身体の大部分が描写されている写真を想定すると、そこに描写された児童の姿態は「実在する児童の姿態」に該当することは明らかです。そこで、その写真に描写されていない部分に他人の姿態を付けて合成すれば、児童ポルノに当たる場合もあると考えられます。

警察庁生活安全局少年課執務資料(部内用)「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」解説
4 「視覚により認織することができる方法により描写したもの」と規定されたのは、単に文字や音声で描写するだけであって児童の姿態を視覚により認識することができない小説や録音テープは、児童ポルノに当たらないことを示すためである.
なお、児童の姿態を視覚により直接認識することができるものには限られず、一定の操作を行うことによって視覚により認識することができれば足りる(ビデオテープ、ビデオディスク、CD-ROM等がその例である. ) .
写真等が「実在する児童の姿態」を描写したものであると認められない限り、児童ポルノには該当しないが、合成写真等を利用した疑似ポルノの中には、「実在する児童の姿態」を描写したものであると認定できるものもあり、このようなものについては、本法の児童ポルノに該当し得る(例えば、実在する児童について、その身体の大部分が描写されている写真を想定すると、そこに描写された児童の姿態は「実在する児童の姿態」 に該当する.そこで、
その写真に描写されていない部分に他人の姿態を付けて合成したとしても、ある児童の身体の大部分を描写した部分が「実在する児童の姿態」でなくなるわけではないことから、合成写真についても、児童ポルノに該当し得る. ) .
また、絵画についても、「実在する児童の姿態j を描写したものであると認められれば児童ポルノに当たり得るが、児童が実在していても、その姿態についてはこれを想像して作製したものについては、児童ポルノには該当しない.

園田寿 『解説 児童買春・児童ポルノ法』P29
b. その他の物
1 児童ポルノとは、「写真、ビデオテープその他の物」、すなわち何らかの有体物を記録媒体とする物である。したがって、電磁的な画像データそのものは無体物であり、本法における「児童ポルノ」には該当しない。ただし、児童ポルノに係る画像データが記録されたフロッピーディスクやハードディスク、CD-ROMやMO、LD、DVDなどは、「その他の物」に該当する。
写真、ビデオテープなど視覚によって認識できる媒体が規制対象となっている。刑法175 条のわいせう物頒布等の罪と違って、規制対象に「文書」は含まれていない。したがって、小説などの文章や言葉による表現については、「児童ポルノ」ではない。視覚によって認識できるものであっても、絵については、法案の段階で議論があったが、最終的には規定されなかった。ただし、実在する児童を特定可能な程度にリアルに描写したような絵については、「その他の物」 に該当する場合がある。
・・・
3 「絵」について
写真やビデオは、生きた人聞の描写である。児童ポルノでも生身の子供が被写体となる。たとえそれが演技であったとしても、撮影の際に子供に対する性的虐待がなされたことは間違いない。何よりもこの点が、児童ポルノをいかなる観点、からも正当化できない点となる。
法案段階では児童ポルノの媒体として「絵」が含まれていた。しかし、児童を素材とするポルノチックな絵で表現されているものは、児童を性的な対象とする性癖そのものである。被写体が実在するケースとこれらは区別して考えなければならない。たとえどこの誰とは特定できないが、ランドセルを背負った女児との性行為をリアルに描いたようなイラスト類であっても、それは本法にいう「児童ポルノ」ではなく、「その他の物」にも含まれない。確かに被害児童をリアルに描写した絵は存在しうるが、写真と同程度のリアルな描写の場合には「その他の物」に該当すると解釈することは可能であるし、今後も現実の性的虐待の現場を記録する手段としては、ほとんどが写真やビデオであるだろうから、ことさら「絵」を規定する必要性はない([文献110-57] は、今後「何らかの対応は迫られるのではないか」とする)。
さらにコンビュータによって合成された擬似児童ポルノ(子供の顔を成人女性の下半身と合成したもの)や成人女性を使った擬態児童ポルノ(成人女性にセーラ一服を着せたものなど)も現実に虐待された児童は存在しないために、本法の規制対象となりえない。しかし、将来にわたってそのような解釈が維持されるという保証もない。そのようなものを除外する趣旨ならば、今後その旨を明記すべきだろう。
4 描写されている者が「児童の姿態」 であるということが立証されれば、住所・氏名等、それ以上に被害児童を特定することまでは必要ではない。擬似児童ポルノは、実在する児童の姿態を描写したものでない限りは、規制対象とはならないが、擬似児童ポルノであっても、実在する児童の姿態を描写したものと認定できる場合には、児童ポルノに該当する場合もありうる(たとえば、実在する児童についてその身体の大部分が描写されているような場合や、顔は有名な少女のものであり、下がその少女とは違う写真、あるいは「写真に非常に酷似した、写真と見まがうような模写」も当たりうる)[文献40-29 (1段目)]。
しかし、擬似児童ポルノについては、顔の部分だ付使われた少女については、その少女に対する名誉毀損罪となることはともかく、その少女に対する性的搾取・性的虐待は何ら行われていないわ付であるから、擬似児童ポルノ一般を本法にいう児童ポルノと考えることは解釈論としては無理がある。

145 - 衆 - 法務委員会 - 12号 平成11年05月14日
池坊委員 私も、そういう意味では、まず意識変革というのが必要と思います。
 先ほど申し上げたように、児童ポルノの存在自体が子供の人権侵害だという考え方は、日本人の中には全然ないと言ってもいいと思うのですね。ですから、まずそれを浸透させることが必要なのではないか。法律というのは、いろいろな段階を経なければ日常生活の中で機能をしてまいりませんから、今大森発議者がおっしゃったように、三年後に見直すことの一つに入れていただけたらなというふうにも思っております。
 それから、国際的には、コンピューター合成の疑似ポルノというのも規制の対象になりつつございます。日本では、コミックは、実在の児童が被害者でなければ対象外になっていると思うのです。
 インターネットなどで、頭部は実在の児童で、裸の体の部分をコンピューターグラフィックスでつくり、合成したものなどが流れておりますけれども、このような行為は、この法案ではどのように処理されていくのでしょうか。
○大森参議院議員 ちょっと整理させていただきます。
 まず、コンピューターグラフィックスなどの合成写真ということですね。これは、児童の姿態そのものは存在するという前提でございましょうか。
池坊委員 つまり、顔はその少女である。つまり、全体が写された場合には、これは当然に対象になりますよね。ただ、それが合成されていて、顔は少女の顔だけれども、体がちょっとグラフィックになっている、だからそのものではないということ。あるいはその逆で、顔はちょっとぼけていて、体が全部その少女の体。いろいろな合成がこれからできると思うのですけれども、そういう場合には、この処罰の対象というのになるのでしょうか。これから巧妙にいろいろな策を弄してくると思いますので、それについてちょっと御説明いただきたい。
○大森参議院議員 児童ポルノとは、実在の児童の姿態を描写したものであります。したがって、絵の場合にもなり得る場合もあるというのは、それが実在する児童の姿態を描写したものであり、性欲を刺激もしくは興奮せしむ、これに当たる場合に、「その他の物」に入り得ると理解しております。
 それから、今おっしゃったように合成写真等とかですが、実在の児童の姿態が頭部のみである場合には、その頭部の部分のみでは、第二条第三項各号の児童の姿態に当たると認められない限り、児童ポルノには当たらないというふうに考えております。
 それから、この問題につきまして、前回、実は木島委員の方から質問をいただきまして、合成写真を利用したいわゆる疑似ポルノについては児童ポルノには当たらないというふうなお答えをいたしました。それで、一部正確でありませんでしたので、改めて述べさせていただきます。
 この法案では、児童ポルノとは児童の一定の「姿態を視覚により認識することができる方法により描写したもの」をいうとされておりまして、ここに言う児童とは、十八歳に満たない者、すなわち実在する児童を意味します。
 今回の法案の中では、外国の立法例にあるような、疑似ポルノについて明文の規定は置いておりません。したがって、写真等が実在する児童の姿態を描写したものであると認められない限り、児童ポルノには該当しないことになります。
 ただ、合成写真等を利用しました疑似ポルノの中には、実在する児童の姿態を描写したものであると認定できるものもあると考えられ、このようなものについては、今回の法案の児童ポルノに当たり得ると考えます。
 ですから、先ほどの御質問ですと、顔が少女で、体が何か全然違うもの、これは各号に当たりにくいと思います。
 それから、体がまさに実在する児童の姿態でありまして、多少手が加えられている部分があるかもしれませんが、その描写物が実在する児童の姿態と認められる場合には、このポルノに当たり得る場合もあるというふうに考えます。
 それから、どういう場合がというのは、具体的な事案における証拠に基づく事実認定の問題となりますが、実在する児童について、その身体の大部分が描写されている写真等を想定いたしますと、そこに描写された児童の姿態は実在する児童の姿態に該当いたします。その写真に描写されていない部分に他人の姿態をつけ加えて合成したとしても、ある児童の身体の大部分を描写した部分が実在する児童の姿態でなくなるわけではない。当たる場合もあり得る。
 非常に複雑な説明になりましたが、こういうことです。
池坊委員 何で細かいことを伺ったかと申しますと、これから業者はいろいろな法の目をくぐって巧妙なことをつくり出していくと思います。このような場合、例えば、顔の部分だけかわいらしい少女が使われた、その少女の心身に大変に深い傷を負わせるのではないかと思いますので、こういうことも含めましてインターネットの規制というのはこれからも必要になってくると思いますので、三年後の見直しの中に私は入れていただきたいというふうに望んでおります。
 次に、警察の方にちょっとお伺いしたいのですが、この法案をつくるきっかけの一つとして、スウェーデンのECPATというNGOがあると思います。これはユニセフからも大変な信頼を得ているNGOでございますが、これに協力するインターポールを通じて警察とも交流があったかのように聞いておりますけれども、これまでにどのような協力をしていらしたかを伺いたいと存じます。
・・・・・・・・・・・
○木島委員 どこのだれそれという、住所、氏名までは要らないと。しかし、児童ポルノ被写体が実在する児童であることは必要なんですね、再三のこれまでの答弁から。その実在する児童が十八歳未満の児童であるということが立証されればこの罪は成立するというお答えでありました。
 さてそこで、私が一番聞きたい点について質問するのですが、せんだっての質問もそうだったのですが、合成写真の問題であります。私は、この児童ポルノ関連犯罪の最大の脱法行為は、合成写真が広範に流布されるのじゃないか。それを取り締まれなければほとんどこの法律は動かすことができない、ざる法になると思うわけであります。こういうことをやろうとする犯罪者、犯罪集団は罪にならぬように考えて動くわけでありますから、そこがポイントだと思うのです。
 私は、合成写真等も、その写真自体から、今御答弁の、被写体の少女があるいは少年が十八歳未満の児童であるという特定さえできれば、それはもうそれ自体で児童ポルノに当たるのではないかと思っているのです、解釈として。児童の特定というのは、基本的には私は顔で特定できる。基本的には顔でのみ、のみと言うと語弊がありますが、基本的には顔で特定するというのが児童ポルノの特定に当たって必要であり、かつ十分ではないかと思うのです。
 それで質問なんです。
 では、ある少女の顔、首から上が写され、首から下が全部全く別の少女の裸体がくっつけられた、そういう場合です。しかし、写真技術は、前回も言いましたが、非常に高度に発達していますから、これは一体として、その顔が写された被害少女に対するポルノとして私は有罪にしてもいいのじゃないかと思うのです。
 そういう観点から、先日来、またきょうの午前中の大森発議者の答弁の中に、前回の私に対する質問から基本的な点で変わっているのでいいかと思うのですが、具体的な事案における証拠に基づく事実認定の問題です。例えば、実在する児童について、その大部分が描写されている写真を想定すると、そこに描写された児童の姿態は実在する児童の姿態に該当しますという御答弁なんですが、私は、大部分ということになるとちょっと問題なので、もう顔でいいのじゃないかと。
 顔だけが実在する少女が写し出されて、首から下は別の少女の写真が、あらわな姿態が、わいせつはその部分かもしれませんが、合成されたときにも、やはり侵害されているのは、その顔から見出される具体的な十八歳未満の少女の権利が侵害されている、それが流布されるわけですから。そういう解釈でいいんではないかというふうに思うので、これは、これから警察がこの法律を使うときには根本的に大事なところなので、ひとつイエスであるという答弁をいただきたいのですが、いかがでしょうか。
○大森参議院議員 前回、木島委員の方から、合成写真のことで質問を受けました。言いわけをするつもりはありませんが、実は通告をいただいていなかったので、少し思考の整理ができておりませんで、一部不正確なところがありましたので、改めて正確に答弁させていただきたいと思います。
 まず、この法案では、児童ポルノとは、児童の一定の姿態を「視覚により認識することができる方法により描写したもの」をいうとされており、ここにいう児童とは十八歳に満たない者、つまり実在する児童を意味します。そして、今回の法案の中では、外国の立法例にあるような疑似ポルノについて明文の規定は置いておりません。
 したがって、写真等が実在する児童の姿態を描写したものであると認められない限り児童ポルノには該当いたしません。ただ、合成写真等を利用した疑似ポルノの中には、実在する児童の姿態を描写したものであると認定できるものもあると考えられ、このようなものについては、今回の法案の児童ポルノに当たり得ると考えます。
 具体的な事案における証拠に基づく事実認定の問題でありますが、例えば、実在する児童についてその身体の大部分が描写されている写真を想定すると、そこに描写された児童の姿態は実在する児童の姿態に該当いたします。そこで、その写真に描写されていない部分に他人の姿態をつけて合成したとしても、ある児童の身体の大部分を描写した部分が実在する児童の姿態でなくなるわけではありません。
 以上により、合成写真についても、児童ポルノに当たり得る場合があるということになります。
 一応、ここまでお答えいたしまして、先ほど先生が児童の特定は顔ではないかということですが、顔だけで十八歳未満のものか特定できるかどうかということも問題があると思います。
 それから今、首から上が別で、首から下が別の児童ということでしょうか、姿態であると。そうしますと、これはだれの姿態かと、どちらの姿態と考えるかということですけれども、ポルノに該当するかどうかにつきましては、先生は首から上が特定していればいいのではないかとおっしゃるのですが、例えば、この二条三項一号のポルノを例にとりますと、性交に係る児童の姿態とありますので、首から上のその人をもって、そして首から下が別の姿態である、そして、性交の場面というのを想定しますと、果たしてそれをもって、首から下が違うのに、それで性交に係る部分はまさにあそこであるのに、顔をもってそれで特定して、その人を特定するということが言えるかどうかは疑問であると考えております。
    〔委員長退席、橘委員長代理着席〕
○木島委員 だけれども、そういう解釈をやりますと、これはざる法にならざるを得ないし、首から下で特定しようなんという解釈をとったらこれは大変なことになる。捜査官は特定するために被害児童を裸にしなきゃ犯罪立証できないでしょう。そんなことはやるべきではないし、やれないことですよ。
 一般的に、写真がだれの写真かというのは顔で特定できるじゃないですか。普通の写真はみんな衣服をつけていますよ。これはだれの写真かといったら、顔を見て、これは何のたれべえ、これは木島日出夫だと、これは大森礼子だと、大体写真は顔で特定するわけでしょう。(発言する者あり)だからそれでいいんじゃないかという私の質問なのですが、なかなかお認めいただけないので。
 それで、ちょっとポルノとは関係ない判例を一つだけ私披露して、それでいいんじゃないか、顔だけが証明できればいいんじゃないかということで指摘したいのです。最高裁判所の昭和三十六年三月三十日の公文書偽造の判決であります。要するに、実在しない公務所の名義が使用された公文書ですが、これが実在しなくても公文書偽造罪だという、これも解釈としては非常に画期的な解釈なのです。これも、実在する児童のポルノか否かが争点になっているところですから、解釈の基本が非常に似ているというので私御披露しますと、その最高裁判決の要旨を読みます。
 実在しない公務所名義の証明書を作成した場合でも、その形式、外観において、一般人をしてそのような公務所が実在し、その職務権限内において作成した公文書であると誤認させるに足りるものと認められるときは、本罪に当たると。
 だから、実際には実在しないお役所でも、形式、外観で実在するお役所と一般人が誤認するような文書がつくられた場合には公文書偽造罪として、刑法犯有罪であるという最高裁判例があるんですよ。公文書偽造と児童ポルノとは全然罪種が違いますけれども、これは法益です、被害者が実在するか実在しないかという根本的観点からいったら同じなんですね。実在する役所じゃなくても有罪になるという。
 そうしますと、私は、少なくとも顔が実在していれば、下半身は実在しなくて、しかも、その部分でわいせつな分野だというのはおっしゃるとおりです。確かにおっしゃるとおりなんですが、しかし、一体として写真というのは見られるわけですから、一般人がその写真を見たら、ああ、これはあの少女の卑わいな写真、映像だというふうに誤認するような写真であればこの新しい法律の児童ポルノの概念に当たると判断してよろしいんではないかなと私は思うんで、ぜひお認めいただけませんか。
○大森参議院議員 結論を言いますと、認めることはできないと考えます。
 それから、先ほどの首から上と下が違う場合ですが、首から下のところが実在する児童の姿態であることが立証できれば、これは児童ポルノに当たり得る場合があるわけです。ではそれが実在するかどうか裸にしてみないとわからないと先生今おっしゃったのでしょうか、それは一つの立証の目的でございまして、場合によったら、合成の顔の部分を除きまして、この下の部分が十八歳未満の実在する児童の姿態であると判断できる場合は十分あると考えております。例えば八歳ぐらいの女の子の姿態で、下が性交等に係る場面としていけば、それだけで実在する十八歳の児童ということになるんじゃないでしょうか。
○木島委員 では、もうこれで質問はとめます。
 この法律、私どもは賛成なんです。これが成立しますと、基本的には、解釈は、第一義的には捜査官であり、最終的には裁判官なんですが、やはり常識的に……(発言する者あり)まあ、外観主義という言葉は使っていいのかどうかわかりませんが、余り厳密過ぎてしまわないで、顔が特定されて、一体としてその写真がその顔写真の女の子の写真であると認定されれば、名誉が傷つけられるのはやはりその顔写真の女の子なんですよ。下半身の女の子なんて、どこのだれそれかわからないわけですから、そんな者の名誉を守る必要はないんです、わからないんですから。顔写真の女の子の名誉は絶対に守り抜かなきゃいかぬわけですから、私はそれでいいんじゃないかと思うんですが、これは解釈論争ですから、もうやめましょうか。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130711-00000564-yom-soci
 同庁幹部によると、容疑者は2009年12月、約30年前に雑誌に掲載された少女の裸の写真をCGで加工し、昨年12月、島根県の男性に約3000円でダウンロードさせた疑い。
容疑者は「CGなので販売しても大丈夫だと思った」と供述している。しかし、同庁は、CGによる画像でも実在の少女を基に描写すれば児童ポルノにあたると判断した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130711-00000032-mai-soci
逮捕容疑は2009年12月、自宅のパソコンでCGで描写した児童ポルノ16点を含む画像ファイルを製造。インターネットで販売したとしている。08年8月〜13年4月に計208万円を売り上げたとみられる。
 容疑者は容疑を認めているが、「CGは写真ではないので摘発を逃れられるかもしれないと思った」と供述している。ヌード写真集は1980年代に販売され、マニアの間で「伝説」とされていた。同庁少年育成課は「実在する児童を描写したものは明らかな児童ポルノ」と判断した

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201307/2013071100306&rel=y&g=soc
 逮捕容疑は2009年12月、自宅のパソコンで12〜13歳の少女の写真などを参考にCGで児童ポルノ画像を作製。昨年12月、計34枚をまとめた画像集2冊をインターネットで島根県の男性に2940円で販売した疑い。
 同課によると、容疑者は「かつての少女モデルを精緻に描写」などと宣伝。1980〜90年代の少女写真集などを参考に、写真そっくりのCGを描いていた。これまでに計約1400冊をネットで販売し、約200万円を売り上げたという。

 タイトルを画像検索してはいけません。
 元が写真集だとすると、CG製造当時は多分児童ではないので、児童の基準日が問題になりますね。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130711/crm13071113120003-n1.htm
CGは写真と見分けがつかないほど精細で、同課は「2次創作物であっても、実在の少女の裸を基にしたものであれば少女の権利を侵害するため、今後も取り締まっていく」としている。
 逮捕容疑は21年12月、18歳未満の実在の少女の裸を描いたCGを含む画像集「聖少女伝説2」を製造、24年12月、島根県の男性に「聖少女伝説2」など2点を2940円で販売したとしている。
 同法をめぐっては、児童ポルノの単純所持などを罰する改正案が国会で継続審議中。マンガやアニメと、児童の権利を侵害するわいせつ行為などとの関連性についての「調査研究」を盛り込んだ附則が、一部議員やアニメ業界などから「表現の自由を侵害する」との批判を受け、議論を呼んでいる。


 こういう会議録もあって、「児童ポルノに類する漫画等、すなわち、漫画、アニメ、コンピューターグラフィック、疑似児童ポルノの規制や、いわゆるブロッキングの措置に関する検討規定を設ける」という改正は実現されていません。

171 - 衆 - 法務委員会 - 12号 平成21年06月26日
○森山(眞)議員 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、自由民主党及び公明党の提出者を代表して、その趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 まず、本法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 児童ポルノの所持、提供等の行為は、描写された児童の心身に有害な影響を与え続けるのみならず、このような行為が社会に広がることにより、児童を性欲の対象としてとらえる風潮を助長し、ひいては身体的及び精神的に未熟である児童一般の成長に重大な影響を与え得るものであります。したがって、児童ポルノについては、法律の施行状況や児童の権利の擁護に関する国際的動向を踏まえつつ、厳しく規制していかなければなりません。
 私は、平成十一年に各党議員の御協力をいただきまして児童買春、児童ポルノ禁止法の成立に骨を折りましたが、あれから十年たちまして、世の中の様子は大きく変わりました。特に、インターネット等の発達により、映像が瞬時に世界じゅうに広がるようになりました。この法律が施行され、さらに平成十六年の改正によって厳罰化され、それなりに効果を上げてはきましたが、今日の状況は、児童の売買等に関する児童の権利条約選択議定書等の国際条約を初め、児童ポルノをより厳格に取り締まるべしとする国際的潮流があり、我が国の現行法については、G8諸国のうち六カ国が罰則をもって禁止している児童ポルノの単純所持が禁止されておらず、このことが児童ポルノの蔓延を助長しているとの国内外の批判が高まっており、我が国の信用にもかかわる問題になっています。また、インターネットを通じた児童ポルノの拡散による被害の拡大についても看過できない状況となっております。
 そこで、児童ポルノをめぐるかかる国内外の状況と、平成十六年改正時に三年を目途とする検討規定が置かれたことを踏まえ、児童ポルノについてさらに厳格な規制を設け、もって児童の権利の擁護に資することとするため、本法律案を提出することとした次第であります。
 次に、本法律案の内容について御説明申し上げます。
 第一に、適用上の注意規定を明確化しております。すなわち、この法律の適用に当たっては、国民の権利を不当に侵害しないように留意し、児童に対する性的搾取及び性的虐待から児童を保護しその権利を擁護するとの本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあってはならないものとしております。
 第二に、児童ポルノ所持等の禁止規定を設けております。すなわち、何人もみだりに児童ポルノを所持等してはならないものとしております。
 第三に、自己の性的好奇心を満たす目的での児童ポルノの所持等についての罰則を設けております。すなわち、自己の性的好奇心を満たす目的で児童ポルノを所持した者は、一年以下の懲役または百万円以下の罰金に処するものとしております。なお、罰則の適用については、施行後一年間は適用しないということにしております。
 第四に、インターネットの利用に係る事業者の努力規定を設けることとしております。すなわち、インターネットの利用に係る事業者は、捜査機関への協力、管理権限に基づく情報送信防止措置その他のインターネットを利用した児童ポルノの所持、提供等の行為の防止に資するための措置を講ずるよう努めるものとしております。
 第五に、児童ポルノに類する漫画等、すなわち、漫画、アニメ、コンピューターグラフィック、疑似児童ポルノの規制や、いわゆるブロッキングの措置に関する検討規定を設けることとしております。すなわち、児童ポルノに類する漫画等の規制及びインターネットによる児童ポルノに係る情報の閲覧の制限については、改正法施行後三年を目途として、児童ポルノに類する漫画等と児童の権利を侵害する行為との関連性に関する調査研究及びブロッキングの技術の開発の状況等を勘案しつつ検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとしております。
 以上が、この法律案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

追記
 現物をみたんだが、モデルAの写真を何枚か並べて頭の中で合成したりして実在しない姿態を書いたんだな。児童は実在するが、姿態は実在しないんだ。児童を尋問しても、「その絵は私ですが、私はそのようなポーズを取っていません」ということになる。これは難しいなあ。