児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

少女自らエンコーへ

 朝日新聞は被害者性に疑問があるんでしょうね。
 法律上は、児童が自ら売春していても疑う余地無く「被害児童」。下手に疑うと重くなります。

http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000000612190003
 携帯電話の出会い系サイトなどの掲示板に、児童買春や援助交際を持ちかけるような書き込みをするのは御法度だ。買春などの被害から18歳未満の子どもを守るため、3年前に施行された出会い系サイト規制法で禁じられた。子どもの方から援助交際の相手を募るのも違法だ。しかし、ツーショットダイヤルなどを通じて、自ら犯罪に巻き込まれやすいところへアクセスし、「被害児童」になるケースが後を絶たない。

強制わいせつ+児童ポルノ罪の事例

 強制わいせつ罪と製造罪の罪数を調べているんですが、どうでしょう?
 奥村説は今日のところは観念的競合。

女児へ強制わいせつ 起訴事実を認める=埼玉
2006.12.19 読売新聞社
 インターネットで知り合い、女児のわいせつ画像を交換していた「女児愛好団」が摘発された事件で、強制わいせつや同未遂、児童買春・児童ポルノ禁止法違反の罪に問われた愛知県豊橋市清須町、会社員(33)の公判が18日、さいたま地裁(任介辰哉裁判官)であった。被告は罪状認否で「間違いありません」と述べ、起訴事実を認めた。
 冒頭陳述によると、被告は2004年10月、インターネットで知り合った仲間の男と、千葉県袖ヶ浦市内の倉庫に女児(当時8歳)を連れ込み、下着を脱がそうとするなどした。

Winny判決、ソフト開発者を処罰する基準を明示せよ

 最近なんかこんな論調多いですね。
 幇助の裁判例を集めたわけでもなく、もともと無限定な「幇助犯」に異議を唱えるでもなく。
 奥村もこんなこと書面に書くんですけど、刑事裁判所の仕事は、事実認定・法令適用・量刑に尽きるわけで、そのプロセスでこの事件を解決すれば任務終了です。
 弁護団もベースは被告人に最善の結果を目指している。弁護人は、基準が示されようと、示されまいと、被告人が無罪とか軽い処分になればいいと思っていて、基準が示されても、被告人に不満な処分になることはあってはならないわけですよ。
 当然のことですが、立法じゃなくて刑事裁判ですから、次々立件されて、ある程度判例を集積しないと基準は見えてこないというのが常識じゃないですか?2号、3号が検挙されて初めて基準が見えてくる。
 京都地裁事件の一発勝負で、基準決められたら困るし、次はwinnyじゃないんだから、著作権法違反とは限らないんだから、winny基準は使えないですよ。かえって迷惑。

 たとえば、児童ポルノの流通用のソフトを開発して公開したら、多少無理してでも「正犯」「upした者との共謀共同正犯」で起訴されると思います。感心しないけれど刑事司法にはそれくらいの柔軟性、悪く言えば場当たり的・泥縄的な面がある。

http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/news/061219_winny/
結局のところ、今回の判決でいちばんの問題は、どのような場合に著作権法違反のほう助犯となるのかを、種々の事情による「認識認容」があったのか、なかったのか、ということの認定に委ねてしまったことにあると思います。このような枠組みでは、「いかなる場合に処罰されうるのか」の基準が判断する者によってまちまちになり、恣意的な運用がなされる危険性が高くなります。その結果、ソフト開発行為を萎縮させる効果、すなわち処罰される危険性のあるソフトの開発行為を思いとどまらせる効果が必要以上に強く生じる恐れがあります。
最終的には著作権法を改正して、ほう助犯成立の要件を明確に規定するべきなのかもしれません。しかし、裁判所においても、いかなる場合に著作権侵害のほう助犯が成立するのか、逆に言えばソフト開発者はどのような点に注意しておけば処罰されないですむのか、その要件を明確に示すことが必要であると考えます。

 基準がなくて、裁判所にも作れないんだったら、自分で作ればいいわけで、各種の「ガイドライン」というのがそれですよね。
 たとえば掲示板の児童ポルノについては、厳しい刑事判決が続いたことなどを受けて、プロバイダたちは「削除ガイドライン」を作ってリスクを回避しています。本当は立法的解決がベストであることは承知の上で、立法府の腰が重いところ・手が届かないところを補充している。
 ということで、萎縮・萎縮言ってないで、少しは火の粉を振り払う努力をしましょう。

追記
 児童ポルノ罪の法令適用などを見ていると、地裁レベルでは、
  量刑が先、法令適用(罪数処理など)は後
でやってることが明かですね。
 法令適用なんて、法廷では「関係法条を適用の上」っていうだけでしょ。
 刑法的にみるとほんとはだめなんで、控訴趣意書でも批判するんですけどね。刑事政策的にはそれもありかなあと思うんですよ。
 そう言う意味で、奥村は裁判所のお仕事は評価しておるのでして、さらに、その量刑の理由付けである法令適用をチェックしてくれと吠えているわけです。

「戸塚ヨット」担当の裁判官 三菱自に無罪の裁判官

 簡裁判事は定年が長いので、所長クラスが簡裁にいることがあります。

裁判所法 第50条(定年)
最高裁判所の裁判官は、年齢七十年、高等裁判所地方裁判所又は家庭裁判所の裁判官は、年齢六十五年、簡易裁判所の裁判官は、年齢七十年に達した時に退官する。

 このニュースを取り上げた、大阪ローカルのMBSの情報番組で、元裁判官のコメンテーターが、「簡裁判事は司法試験に合格していない人もいるから・・・(簡裁判決は裁判例としては重くない趣旨)」って言ってました。
   小島裕史裁判長
で検索すると、仕事がわかります。

最高裁人事(10日付)
2002.03.10 朝日新聞社
 定年退官 (名古屋高裁部総括判事)小島裕史

「戸塚ヨット」担当の裁判官 三菱自に無罪の裁判官 [産経新聞 ]
 三菱自動車の虚偽報告事件で無罪判決を言い渡した横浜簡裁の小島裕史裁判官(69)は、名古屋地裁時代に「戸塚ヨットスクール事件」を担当するなど刑事裁判のベテラン。虚偽報告事件の審理は昨年11月の第26回公判から担当した。
 戸塚ヨット事件では、スクールの目的の正当性を認め、傷害致死罪などに問われた校長ら10人全員に猶予判決を言い渡し、遺族などから「体罰容認」と反発された。
 同地裁で審理した昭和63年の「アベック殺人事件」では、犯行当時少年だった主犯格の男に死刑を言い渡し、少年の死刑をめぐり論争となった。
 名古屋高裁時代には、覚せい剤取締法違反罪に問われた男の控訴審判決で、1審の判決書の主文に「懲役」の文字が抜けているとして破棄、審理を差し戻した。

刑事事件の判決書は送達されませんが・・・

 事務所で待ってたりして。

http://www.bnn-s.com/news/06/12/061220151102.html
 弁護士は「(被告)本人は事実認定に誤りがあると話し、控訴する意向を示している。まだ送達されていないが、判決文の内容を精査して控訴する方針」と語っている。

 通常は、謄本交付請求をして、1枚60円の印紙を納めます。

刑事訴訟法
第46条〔謄抄本の請求〕
被告人その他訴訟関係人は、自己の費用で、裁判書又は裁判を記載した調書の謄本又は抄本の交付を請求することができる。