児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・強姦・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(強姦罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例違反)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

winmx 弁護士で検索して相談される方へ

http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&oe=UTF-8&q=WINMX%E3%80%80%E5%BC%81%E8%AD%B7%E5%A3%AB
という検索が増えて、電話の問い合わせも増えています。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041116-00000039-zdn_lp-sci
レコ協加盟7社、ISP8社へ不正アップロードユーザーの情報開示を請求

に反応されているのだと思います。
winnyのユーザーは反応していないようです。
 
 まだ提訴に至っていないのでしょうが、発信者が特定されると、民事刑事の対応が予想されます。

 今できることは、お近くの著作権法に詳しい弁護士に相談されて、早めの対応をされることだと思いますが、「逮捕されそうなんです。お金はありませんので、タダで相談に乗ってください。タダで受任してください。」というのは、奥村弁護士なら笑って聞き流せるが、よそで言ったら怒られるで。

MXの事件ではありませんが、
無料じゃ失礼いうので、お菓子山盛とか、泉州ナス1箱とか、サンドイッチ10人分とか持って来た人がいましたが、年配の方に多いんですが、子どもじゃないんだから。ビール券も困った。飲まないので。

刑の変更クイズ

 実務家にはどの事件の話かばれてしまうと思います。
 児童ポルノの販売は禁じられていますが、実務家からいわせてもらえば、法令適用がわからないから、特に、新旧児童ポルノ法にまたがるような児童ポルノ販売はしないでください。
 今年の改正で、刑の変更がありました。(旧法の販売罪は新法の提供罪に包摂されるという。那覇地裁H16.10.15)
 それについては刑法6条。

刑法第6条(刑の変更)
犯罪後の法律によって刑の変更があったときは、その軽いものによる。
大判昭6・11・26刑集10-634
包括一罪には、その完成前に刑の変更があっても、これを分割することなく、その全体に対して新法を適用する。

 で、児童ポルノ販売行為に適用しようとすると、

①説 併合罪として、改正前の行為には旧法(懲役3年)、改正後の行為には新法(懲役5年)を適用する。
②説 包括一罪として、改正前の行為にも改正後の行為には新法を適用する。

のいずれかになりますが、そもそも改正前から、児童ポルノ販売罪の罪数については、高裁レベルで判断が分かれています。
http://dolus.blog01.linkclub.jp/index.php?itemid=18050
 高裁がいま、一罪説を書いても判例違反、併合罪説を書いても判例違反です。
 高裁レベルでも、罪数もわからないのにに、地裁レベルでよく有罪判決が書けると思います。

改正前
児童ポルノ頒布等)
第七条  児童ポルノを頒布し、販売し、業として貸与し、又は公然と陳列した者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
2  前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。
3  第一項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを外国に輸入し、又は外国から輸出した日本国民も、同項と同様とする。

改正後(H16.7.8施行)
児童ポルノ提供等)
第七条  
1 児童ポルノを提供した者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を提供した者も、同様とする。
4  児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を不特定又は多数の者に提供した者も、同様とする。

 例えば児童ポルノ販売者が
  H16.7.1販売
  H16.8.1販売
という行為をすると、とりあえず新旧の児童ポルノ法を適用すると、
  H16.7.1販売 旧法販売罪(懲役3年)
  H16.8.1販売 新法提供罪(懲役5年)
になります。
 
①説によれば、両罪は併合罪、刑法6条が適用されて、処断刑の上限が7.5年。
②説によれば、両罪は一罪、刑法6条が適用されず、処断刑は5年。

 結局、刑法6条の話というより、児童ポルノ販売罪の罪数問題で解決できそうです。

国選弁護人の苦情は単位会へ

 九州地方と中国地方中部地方中部地方児童ポルノ被告人から相次いで手紙と電話が来ました。

 趣旨はいずれも
    ×月×日に起訴され、○○弁護士が国選弁護人に選任されて、期日は△月△日に迫っているが、○○弁護士はまだ接見に来ない。
    手紙を出しても「期日直前まで接見に行けない。急用なら手紙で相談しろ」という返事。
    国選弁護人を解任して私選を選任したいが、どうすればよいか。
というもの。
 そういう苦情は、選任した裁判所か、所属弁護士会へ言って欲しいものです。奥村弁護士は、児童ポルノ事件弁護人の元締めではありません。

 私選弁護人を選任すればほぼ自動的に国選弁護人は解任されますので、遠慮は要らないと思います。弁護士会で紹介してもらってください。「児童ポルノ法に詳しい弁護士」なんていないので、諦めてください。
 あちこちからいっぺんに言われると奥村弁護士も手が回りません。
 国選弁護人殿、接見しないと、自白事件か否認事件かもわからないじゃないですか。

 先日は、
   検察官請求証拠を被告人に確認させないで、国選弁護人が全部同意した
というのもありましたよ。
 これは奥村弁護士には怖くてできません。被告人は体験しているが、弁護人は体験していないので、弁護人には真偽はわからない。
 そもそも謄写費用の節約のために、証拠謄写してないことがあるから注意してください。
http://courtdomino2.courts.go.jp/kshanrei.nsf/webview/27642C03FB01140B49256E6700180854/?OpenDocument
の原判決(奈良地裁H14.11.26)なんて、人も写っていない画像とかフル着衣の児童の姿態が児童ポルノにカウントされていたのに、原審弁護人は気付かず、同意しています。だから原判決と控訴審判決とで、認定された児童ポルノの枚数が違います。

webからのダウンロード販売を「児童ポルノ販売罪」とした事例(奈良地裁H14.11.26 大阪高裁H15.9.18で破棄自判)

http://courtdomino2.courts.go.jp/kshanrei.nsf/webview/27642C03FB01140B49256E6700180854/?OpenDocumentの原判決

 実体法の法令適用を誤っている裁判所に、「犯情悪質である」なんて言われても、説得力もないし、一般予防効果もない。

奈良地裁平成14年11月26日
主文
被告人を懲役2年に処する。
この裁判確定の日から4年間その刑の執行を猶予する。

理由
(罪となるべき事実)
第1
 児童買春
第2 被告人は,
1同年11月21日ころ,買主MHに対して,自己のホームページアドレス及びパスワードをメールで送信して,同人をして、京都市所在の同人方に設置されたパーソナルコンピューター内のハードディスクにダウンロードさせる方法で,児童を相手方とする性交に係る児童の姿態を露骨に撮影した児童ポルノである画像データ9画像,他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態を露骨に撮影した児童ポルノである画像データ4画像及び衣服の全部又は一部を着けないで性器等を露出した児童の姿態を露骨に撮影した児童ポルノである画像データ22画像を含む画像データ40画像を,代金5000円で販売し,
2 同月27日ころ,買主NMに対して,自己のホームページアドレス及びパスワードをメールで送信して,同人をして,名古屋市所在の同人方に設置されたパーソナルコンピューター内のハードディスクにダウンロードさせる方法で,児童を相手方とする性交に係る児童の姿態を露骨に撮影した児童ポルノである画像データ9画像,他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態を露骨に撮影した児童ポルノである画像データ4画像及び衣服の全部又は一部を着けないで性器等を露出した児童の姿態を露骨に撮影した児童ポルノである画像データ21画像を含む画像データ39画像を、代金5000円で販売し,
3 同月27日ころから同月28日ころまでの間,買主NDに対して,自己のホームページアドレス及びパスワードをメールで送信して,同人をして,静岡県所在の同人方に設置されたパーソナルコンピューター内のフロッピーディスクにダウンロードさせる方法で,18歳未満の者である児童児童K(実名)を相手方とする性交又は性交類似行為に係る児童の姿態を露骨に撮影した児童ポルノである画像データ13画像及び衣服の全部又は一部をつけないで性器等を露出した児童である児童K(実名)の姿態を露骨に描写した児童ポルノである画像データ12画像を含む画像データ36画像並びに児童を相手方とする性交に係る児童の姿態を露骨に撮影した児童ポルノである画像データ9画像,他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態を露骨に撮影した児童ポルノである画像データ4画像及び衣服の全部又は一部を着けないで性器等を露出した児童の姿態を露骨に撮影した児童ポルノである画像データ22画像を含む画像データ40画像を,代金合計1万円で販売した。

(法令の適用)
罰条
第1 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律4条
第2 包括して同法律7条1項
刑種の選択 いずれも懲役刑
併合罪の処理
 刑法45前段、47条本文,10条(犯情の重い第2の罪の刑に法定の加重)
刑の執行猶予 刑法25条1項
(量刑の理由)
 本件は,携帯電話機を対償として供与する約束で児童と性交を行うとともに,インターネットを利用して児童ポルノ画像を3名に販売したという児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反の事案である。
 児童ポルノ画像販売の事案についてみると,被告人が児童買春の際撮影した画像をインターネットを通じて販売したものであるが,その多くが被害児童の性器や被告人との性交場面を露骨に撮影したものであり,しかも,被害児童が所属する学校名等,同児童を特定できるような内容も含むなど,態様は誠に悪質であり,児童の心身に与えた有害な影響には深刻なものがあると思料される。被告人は,販売価格を当初3万円に設定したものの売れないため値段を下げるなど,積極的に犯行に及んでおり,本件により実際に利得している点に照らしても,犯情悪質である。
そこで,主文のとおり判決する。
(検察官伊藤浩之出席)
(求刑懲役2年)
平成14年11月26日
奈良地方裁判所
裁判官品川しのぶ