不特定又は多数の者に提供罪の罪数が問題になるので、法令適用も載せてください。載せないのは自信がないからかと思います。
TKC
【文献番号】25624022
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件
大阪地方裁判所令和7年(わ)第1803号、令和7年(わ)第2089号、令和7年(わ)第2815号
令和7年9月30日第2刑事部判決判決要旨
被告人 W1(昭和62年○月○○日生)
主 文
被告人を懲役3年及び罰金70万円に処する。
未決勾留日数中70日をその懲役刑に算入する。
その罰金を完納することができないときは、5000円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置する。
この裁判確定の日から5年間その懲役刑の執行を猶予する。理由の要旨
(罪となるべき事実)
次の各起訴状に記載された各公訴事実と同一であるから、これらを引用する。
第1 令和7年5月23日付け起訴状記載の公訴事実第1
第2 同日付け起訴状記載の公訴事実第2
第3 同日付け起訴状記載の公訴事実第3
第4 同年6月13日付け起訴状記載の公訴事実(別表番号1ないし4)(ただし、公訴事実の本文中「代金合計2万8600円相当」とあるのを「代金合計1万9600円相当」と、別表番号2の代金欄に「1万3500円相当の電子マネー」とあるのを「4500円相当の電子マネー」と、別表の合計欄に「2万8600円相当の電子マネー」とあるのを「1万9600円相当の電子マネー」とそれぞれ訂正する。)
第5 同年8月4日付け起訴状記載の公訴事実
(量刑の理由)
本件は、不特定多数に提供する目的で温浴施設で児童の裸体を撮影して動画データを記録・保存した児童ポルノ製造3件、不特定者への児童ポルノの提供4件、児童ポルノの公然陳列1件からなる事案である。
被告人は、あらかじめ温浴施設を利用する児童のグループ名等を調べた上、誰もが利用できる温浴施設に盗撮のための道具を設置して盗撮しており、計画的で強い犯意に基づく悪質な態様の犯行である。また、被告人は、盗撮して得た動画データを商品として不特定の者に販売したり、閲覧させたりして拡散しており、悪質である。その結果、被害児童の裸体が多くの者に閲覧され、また、更に拡散の危険にさらされたのであって、被害結果は重いものがある。児童の親権者が被告人の厳罰を望むのは当然である。
被告人は、児童ポルノの動画データを販売して利益を得るなどの目的で各犯行に及んでおり、動機は酌むことができない。また、被告人によれば、相応の期間、多数の児童ポルノの動画データを製造し、販売し、多額の利益を得ていたというのであって、本件は常習的な犯行であるといえる。
これらによれば、犯情は悪い。
もっとも、被告人に前科はない。被告人は、捜査段階から事実を認めて反省の態度を示している。そのほか、父親が被告人を監督すると述べていること、父親の勤務先会社が被告人を雇用すると述べていること、当然のこととはいえ、被告人が市立幼稚園職員を懲戒解雇されたこと、被害弁償の実現には至っていないものの、被告人が被害弁償のための金銭を弁護人に預け、被害弁償の意向を示していることなどの被告人のために酌むべき事情が認められる。
本件の被害結果は重大であるものの、本件で起訴された事件の件数や内容、被告人の前科関係、被告人の認否や反省の態度等からすると、被告人を実刑に処するのは相当でない。
被告人に対しては、主文の懲役刑に処し、その刑事責任を明確にした上、懲役刑の執行を猶予するのが相当であるが、本件の重大性に鑑み、その猶予期間は最長期のものとするのが相当である。さらに、この種犯行が経済的に割に合わないことを理解させるため、主文の罰金刑を併科するのが相当であると判断した。
(求刑 懲役3年及び罰金70万円)
大阪地方裁判所第2刑事部
裁判官 近道暁郎令和7年検第8058号
起訴状
令和7年5月23日
大阪地方裁判所 殿
大阪地方検察庁
検察官検事 冨士崎真治
下記被告事件につき公訴を提起する。記
職業 無職 勾留中 W1 昭和62年○月○○日生
公訴事実
被告人は、不特定又は多数の者に提供する目的で
第1 別紙記載の被害者Aが18歳に満たない児童であることを知りながら、令和6年2月11日午後6時頃から同日午後8時頃までの間、別紙記載の宿泊施設男湯脱衣室において、前記被害者Aの全裸の姿態を、被告人が使用する動画撮影機能付きタブレット端末で撮影し、その動画データを同端末の内蔵記録装置に記録して保存した上、同年8月20日午前10時24分頃、徳島県美馬市α大字β字γ××番地×被告人方において、同端末を利用して、同動画データを編集して作成された前記被害者Aの全裸の姿態が記録された動画データ1点を電磁的記録媒体であるマイクロSDカードに記録して保存し
第2 別紙記載の被害者Bが18歳に満たない児童であることを知りながら、同年10月26日午後5時45分頃から同日午後7時頃までの間、前記脱衣室において、前記被害者Bの全裸の姿態を、被告人が使用する同端末で撮影し、その動画データを同端末の内蔵記録装置に記録して保存した上、同年11月18日午後10時4分頃、前記被告人方において、同端末を利用して、同動画データを編集して作成された前記被害者Bの全裸の姿態が記録された動画データ1点を電磁的記録媒体であるマイクロSDカードに記録して保存し
第3 別紙記載の被害者Cが18歳に満たない児童であることを知りながら、同月3日午後7時頃、前記脱衣室において、前記被害者Cの全裸の姿態を、被告人が使用する同端末で撮影し、その動画データを同端末の内蔵記録装置に記録して保存した上、同月18日午後9時58分頃、前記被告人方において、同端末を利用して、同動画データを編集して作成された前記被害者Cの全裸の姿態が記録された動画データ1点を電磁的記録媒体であるマイクロSDカードに記録して保存し
もって衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録に係る記録媒体である児童ポルノを製造したものである。
罪名及び罰条
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反 同法7条7項前段、6項前段、2条3項3号
別紙
被害者A■(当時14歳)
被害者B■(当時9歳)
被害者C■(当時12歳)
宿泊施設 香川県高松市δ×番×号ε2階