「雇用しようとするときは、第十五条第一項のデータベースを活用するものとする。」は、活用義務


 「活用しなければならない」「活用する義務がある」にしておけばよかった。

「ものとする」
 三つ目は、「ものとする」です。この「ものとする」は、まず、①一定の義務付けを、後述する「しなければならない」よりも弱いニュアンスを持たせて規定しようとするとき、とりわけ行政機関に対して義務付けをしようとする場合に用いられます。
そのほか、
②物事の原則を示そうとするとき、
③解釈上の疑義を避けるために、当然のことを念のため規定するものであることを表そうとするとき、更には、
④ある事項に関する規定を他の類似する事項について当てはめる、いわゆる準用規定における読替規定においても用いられます。
法制執務用語研究会条文の読み方2014

教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律(令和三年法律第五十七号)
https://laws.e-gov.go.jp/law/503AC0000000057
(任命権者等の責務)
第七条 教育職員等を任命し、又は雇用する者は、基本理念にのっとり、教育職員等を任命し、又は雇用しようとするときは、第十五条第一項のデータベースを活用するものとする。

(データベースの整備等)
第十五条 国は、特定免許状失効者等の氏名及び特定免許状失効者等に係る免許状の失効又は取上げの事由、その免許状の失効又は取上げの原因となった事実等に関する情報に係るデータベースの整備その他の特定免許状失効者等に関する正確な情報を把握するために必要な措置を講ずるものとする。
2 都道府県の教育委員会は、当該都道府県において教育職員の免許状を有する者が特定免許状失効者等となったときは、前項の情報を同項のデータベースに迅速に記録することその他必要な措置を講ずるものとする。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250708/k10014857121000.html
活用しなかった理由を学校法人に聞き取ったところ、「活用が義務だと知らなかった」とか、「システム自体を知らなかった」などの回答があったということです。
このデータベースは、4年前に成立した「教員による児童生徒性暴力防止法」に基づき運用が開始され、学校法人が教員を採用する際、性暴力などで処分を受けた経歴がないか、確認するなど活用することが義務づけられています