児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

強制わいせつ罪(刑法176条)の「わいせつな行為」とは, いたずらに性欲を興奮又は刺激せしめ,かつ,通常人の正常な性的しゅう恥心を害し,善良な性的道徳観念に反する行為をいうとされている(最大判昭32.3.13集11-3-997,名古屋高金沢支判昭36.5.2下刑集35.6399)。(令和4年 新版第2版記載例中心事件送致の手引)

強制わいせつ罪(刑法176条)の「わいせつな行為」とは, いたずらに性欲を興奮又は刺激せしめ,かつ,通常人の正常な性的しゅう恥心を害し,善良な性的道徳観念に反する行為をいうとされている(最大判昭32.3.13集11-3-997,名古屋高金沢支判昭36.5.2下刑集35.6399)。(令和4年 新版第2版記載例中心事件送致の手引)

 そんな最高裁判例はありません。強制わいせつ罪のわいせつの定義はありません。大法廷h29.11.29の判例解説を読みましょう
 最大判昭32.3.13って175条の判例です。

裁判年月日 昭和32年 3月13日 裁判所名 最高裁大法廷 裁判区分 判決
事件番号 昭28(あ)1713号
事件名 猥褻文書販売被告事件 〔チャタレイ夫人事件最高裁判決〕
文献番号 1957WLJPCA03130005

新版第2版記載例中心事件送致の手引
令和4年5月10日新版第2版発行
著者吉田誠治
力 勾留の必要性
近時,裁判官は, ちかん事件の被疑者については, 同種前科があり常習的犯行と認められるものを除き,住居や職業が定まっていれば,否認していても勾留を認めない傾向にある。勾留を必要とする場合は, 逃亡,罪証隠滅通謀のおそれなどを具体的に指摘し,相応する証拠を整える必要がある。
(4) ちかん行為(迷惑防止条例違反と強制わいせつ罪との区別)について
本条例の「人を著しく差恥させ,又は人に不安を覚えさせるような行為」(本条例5条1項1号のいわゆるちかん行為, 同項2号の盗撮及び同項3号の卑わいな言動) とは,都民の善良な風俗環境を害し,法的安全の意識を脅かすような卑わいな言動であって, わいせつな行為に達しないものがこれに当たり。 このような卑わいな言動に該当するかどうかは,健全な社会常識に基づいて, その言動自体のほか,対象となった相手方の年齢その際の周囲の状況等をも考盧して決定すべきものと解されている。例えば, スカートをまくり上げたり, スカートのファスナーを下ろす、 スカート内をのぞき見する、スカートの下からビデオカメラ等で下着等を撮影する行為等がこれに該当する。
一方,強制わいせつ罪(刑法176条)の「わいせつな行為」とは, いたずらに性欲を興奮又は刺激せしめ,かつ,通常人の正常な性的しゅう恥心を害し,善良な性的道徳観念に反する行為をいうとされている(最大判昭32.3.13集11-3-997,名古屋高金沢支判昭365.2下刑集35.6399)。 また,強制わいせつ罪が成立するためには,暴行又は脅迫を手段としてわいせつ行為が行われることが要件とされているが, わいせつ行為自体が暴行と認められれば, 同罪が成立する。
電車内におけるちかん行為が,迷惑防止条例違反の違反行為に当たるのか,強制わいせつ罪の「わいせつ行為」に当たるのか, その基準は必ずしも明らかではなく,具体的な事件の状況下で,接触した部位や行為の内容等に応じて,過去の裁判例等を参考にして決するほかない。
一般的に言えば, 陰部に接触する行為については, スカートやズボンなど着衣の上から接触した場合は,迷惑防止条例の罪が適用され, 直接性器に接触した場合は強制わいせつ罪が適用されるといえる。その中間ともいうべき,スカートの中に手を差し入れて下着の上から陰部に接触した行為については,手や指で押しなでたり,動かしたりしてもてあそぶなどの執勘な態様であれば. 強制わいせつ罪が適用されるといえる