児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

提供目的製造罪で製造された媒体を供用物件(刑法19条1項2号)として没収した事例(大阪地裁r02.11.04)

 westlawで回ってきました。

 生成物件(3号)ですよね
 https://okumuraosaka.hatenadiary.jp/entry/2018/06/19/000000

「ノート型パーソナルコンピュータ(大阪地方検察庁平成31年領第1710号符号6)に記録させて保存し,」というのも媒体の特定としてちょい甘い

裁判年月日 令和 2年11月 4日 裁判所名 大阪地裁 裁判区分 判決
事件名 児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反,福井県少年愛護条例違反,強制性交等未遂,強制性交等,青少年の健全な育成に関する条例(昭和56年京都府条例第2号)違反,組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反,秋田県青少年の健全育成と環境浄化に関する条例違反被告事件
文献番号 2020WLJPCA11046011
 
 上記の者に対する児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反,福井県少年愛護条例違反,強制性交等未遂,強制性交等,青少年の健全な育成に関する条例(昭和56年京都府条例第2号)違反,組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反,秋田県青少年の健全育成と環境浄化に関する条例違反被告事件について,当裁判所は,検察官野村すみれ,私選弁護人乾彰夫各出席の上審理し,次のとおり判決する。 

主文
 大阪地方検察庁で保管中の外付けハードディスク1点(平成31年領第1710号符号5),ノート型パーソナルコンピュータ1点(同領号符号6)を没収する。
 訴訟費用は被告人の負担とする。
 
 
理由
 (罪となるべき事実)
 被告人は,
第3 平成30年5月2日付起訴状記載公訴事実
 1 別紙記載のE(当時14歳)が18歳に達しない者であることを知りながら,平成29年8月20日午前8時17分頃から同日午後4時17分頃までの間に,福井市〈以下省略〉eホテル505号室において,単に自己の性的欲望を満たすために同人と性交し,もって青少年に対し,みだらな性行為をした。
 2 同人が18歳に満たない者であることを知りながら,不特定又は多数の者に提供する目的で,前記1の日時頃,同所において,同人に,被告人と性交する姿態をとらせ,これを被告人のビデオカメラで撮影し,その動画データを同ビデオカメラに挿入したSDカードに記録させて保存した上,平成30年2月14日頃,北九州市〈以下省略〉当時の被告人方において,前記動画データを編集した動画データ1点を,パーソナルコンピュータに接続した電磁的記録媒体である外付けハードディスク(大阪地方検察庁平成31年領第1710号符号5)に記録させて保存し,もって児童を相手方とする性交に係る児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した児童ポルノを製造した。

第4 平成30年12月13日付起訴状記載公訴事実
 1 別紙記載のF(当時13歳)が18歳に満たない青少年であることを知りながら,平成29年8月22日午前10時21分頃から同日午後2時50分頃までの間に,京都府久世郡〈以下省略〉fホテル216号室において,性的な道徳観が十分確立していない同人の精神的,知的未熟に乗じ,自己の性欲を満たす目的で同人と性交し,もって青少年に対し淫行した。
 2 同人が18歳に満たない者であることを知りながら,不特定又は多数の者に提供する目的で,前記1の日時頃,同所において,同人に,胸部を露出する姿態をとらせ,これを被告人のビデオカメラで撮影し,その動画データを同ビデオカメラに挿入したSDカードに記録させて保存した上,平成30年2月10日頃,北九州市〈以下省略〉当時の被告人方において,前記動画データ1点を,電磁的記録媒体であるノート型パーソナルコンピュータ(大阪地方検察庁平成31年領第1710号符号6)に記録させて保存し,もって衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。

 (法令の適用)
 没収 刑法19条1項2号,2項本文〔主文の外付けハードディスク1点(大阪地方検察庁平成31年領第1710号符号5)は判示第3の2の犯行の用に供した物で,主文のノート型パーソナルコンピュータ1点(同領号符号6)は判示第4の2の犯行の用に供した物で,いずれも犯人以外の者に属しない〕
 令和2年11月9日
 大阪地方裁判所第5刑事部
 (裁判長裁判官 長瀨敬昭 裁判官 松田克之 裁判官 平山裕也)