児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

アダルト動画の販売サイト「AV Market(エーブイ マーケット)」の管理者逮捕について

 まず、児童ポルノ購入者は、画像を削除した方がいいでしょう。できれば物理的破壊。
 さらに、児童ポルノと確認された画像については、購入者にも家宅捜索が入る可能性があります。このサイトには「18歳以上年齢確認済」との表示があるみたいですが、DL購入したが児童っぽかったということで既に警察相談した人もいます。購入者の対応については、愛知県警に問い合わせ中です。
 一般論としては、これまでの捜査実務として
  提供犯を検挙した場合には、購入者も捜査するのが最近のルーティン
  単純所持罪だけでは逮捕されることはない。
  児童ポルノ画像を破棄しておけば刑事処分になることはない。自分で破壊すれば証拠隠滅罪にはならない。
  復元されて児童ポルノ画像について説明を求められると取調が長引くことがあるので、物理的破壊が望ましい。
  削除していても、不意に捜索差押を受けることがある。
ということです。
 「単純所持・逮捕」などと不安を煽るような弁護士サイトは信用しないでください。
 削除・破壊したが、捜索差押を回避したいという場合には、面倒なのでそもそも回避する必要があるのかも含めて、弁護士に直接相談してください。  

 管理者の責任については難しい理屈なので、弁護人に説明しても理解できないと思います。
 画像の委託販売というのは、中立的なサービスということもあるから、winny最判を参考にします。
 刑事責任がある場合の管理者の責任としては幇助説(名古屋高裁)、単独正犯説(東京高裁)があって、はっきりしません。
 詳しい弁護士も来ないので、管理状況を説明するか黙秘するかでしょうね。
 以前、似たようなサイトについて、管理者の弁護人に選任されましたが、管理状況を説明して、起訴猶予になったことがあります。

https://news.yahoo.co.jp/articles/5cf6150599dd6c5ecaca01b5e8182a4ef7b006c6
3人とも容疑を否認している。海外サーバーを使った児童ポルノサイトの運営者の検挙は全国で初めてという。
 サイトはアダルト動画などを売買できる仕組みで、1年で約10億円を超える売り上げがあったという。
 県警少年課によると、3人は2018年1月~昨年6月、アダルト動画の販売サイトを運営し、18歳未満の女児の裸の画像を有料で2人に提供するなどした疑いがある。
 容疑者は「児童ポルノはできるだけ削除するようにしていたが、チェックしきれていなかった。積極的に売っていたわけではない」と供述しているという。
 同サイトにはアダルト動画が並び、中には18歳未満とみられる少女の裸の動画も投稿され、一部に知られた存在だったという。サイトでは会員になると、アダルト動画を売ることができ、客が有料でダウンロードして買う仕組みで、売り上げの半分を運営者らが受け取っていたとみられる。

 同サイトは米国など海外のサーバーを使い、サイトの立ち上げや運営に関わっていた3人は海外に拠点を置き、北海道と行き来していたという。(村上友里)
 《児童ポルノ問題に詳しい奥村徹弁護士の話》 現状、児童ポルノはネットで売買されることが主流で、サイト運営者を摘発しなければ、このようなサイトはなくならない。問題なのは、サイト運営者がどんな責任を持つのか、はっきりしていないことだ。また、プロバイダーの責任もあいまいで、これらの責任を明確化するための法整備が必要だ。

追記
 「もう破棄している。捜索を回避できないのか」という相談を受けまして、警察とも連絡を取っています。
 破棄して相談のために出頭した場合は、警察庁と協議して、アリスクラブのdvd通販事件と同様に、「任意廃棄を含む注意警告に留めるべき事案」として処理してくださいというお願いをしています。
  児ポ対ニュース34号
  任意廃棄を含む注意警告に留めるべき事案
   どのような事案について警告等の措置に留めるべきかは
   事案ごとに警察庁少年課との協議において判断する

追記 7/11
購入者リストも押収された模様。

https://digital.asahi.com/articles/ASN7B6X6FN7BOIPE01Q.html
家宅捜索で押収した資料を分析し、明らかになった児童ポルノ販売サイトの会員情報(県警が氏名などを黒塗りにして公表)=2020年7月10日、愛知県警中村署、藤田大道撮影
県警は関係先約30カ所の捜索でパソコンなど約80点を押収。約2万人分の会員情報もあり、出品者や購入者についても調べている。

追記7/20
 全員が捜索されるのかという質問が多いが、警察がタナー法とか過去の製造事案の記録から児童ポルノと断定した画像・動画の購入者について、メールや決済関係の記録などを精査して、購入者が割り出されたものについて、割り出された順に、全国の警察に割り振って捜索が行われると思われるので、購入者全員が捜索されるわけではないと思います。しかし、何割・何人というのは、いま聞かれても警察にもわからないと思います。

追記7/23
警視庁の事件を参考にしてください。
2017.4.15 ありすdvdで検事に捜索押収(現認される)
2017.5.2 「厳選DVD ショップありす」関係者逮捕(稼働期間2016.1~2017.4)
~~この頃から、購入者の相談増え、警視庁に相談持ち込む~~
2017.9.6 「厳選DVD ショップありす」関係者有罪判決(東京地裁
2017.9.22 検事 罰金50万円(略式命令)
2017.10.21 漫画家捜索(現認される)
2017.11.21 漫画家書類送検
2018.1.1 「児童ポルノ7200人購入名簿 検事、警官ら 200人まず摘発」読売
 ~~このころ、購入者パニック状態~~
2018.2.27 漫画家略式命令(東京簡裁)
2018.3~7月 月島警察に出頭相談(全員、捜索省略して厳重注意)

追記7/24
 弁護士の選び方を聞かれますが、「児童ポルノに強いと宣伝する弁護士」「単純所持罪で逮捕される可能性があるという弁護士」とか「破棄していると起訴されない理由を理論的に説明できない弁護士」には相談しないことでしょう。

追記8/4
 他の弁護士の費用と方針の違いの問い合わせが多くなりましたが、当職の方針は、「自首」ではなく「警察相談」であり、「不起訴」ではなく「厳重注意」であって、報酬は頂いていません。破棄されていれば起訴されませんので。

https://www.saitoyutaka.com/2020/07/4440/
初回相談料5000円、身柄がついていない場合の着手金22万円、不起訴の場合の報酬33万円となります。


8/11追記
 「破棄して捜索回避を相談しようと愛知県警に電話して名前を告げたら、警察が住所・職業を知っていた」という話を聞きました。本当だとすると、購入者の特定が進んでいることになります。

追記8/23
 「破棄したので捜索を避けたい」という無料相談が300件以上あって、相談料などFAQを無料で返しています。有料(相談料は一律22000円です)の相談で、個別事情を聞いて警察相談などの対応の要否・可否を検討しています。捜索を受けても影響がない場合には、「静観」という選択になります。警察相談となるときの着手金は刑事弁護なのでだいたい33~44万円(報酬金は無し)です。クレジットカード払いやクレジットカードによる分割払いも一応可能です。

https://digital.asahi.com/articles/ASN8Q5WKJN8QOIPE00C.html?_requesturl=articles%2FASN8Q5WKJN8QOIPE00C.html&pn=5
海外拠点のアダルト動画の販売サイトの運営者らが摘発された事件に関連し、このサイトで児童ポルノの画像などを売買したとみられる会員ら100人超が警察に申告や相談をしていることが捜査関係者への取材でわかった。愛知県警などは約2万人分の会員名簿を押収。児童ポルノの購入者や出品者を児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑いで調べる方針だ。
 「サイトで児童ポルノを販売した。自首したい」「児童ポルノ動画などを購入した。自分も逮捕されるのか」
 捜査関係者によると、全国の警察に6月以降、サイトの出品者や購入者からこうした相談が相次いでいる。その数は、1カ月で100人以上にのぼる。児童ポルノ問題に詳しい奥村徹弁護士のもとにも、サイトで児童ポルノ動画などを購入したとみられる医師や教員ら約300人が相談に来ているという。


追記9/1
 これまで警察相談の内容を警察にfaxで送ってたんですが、今後は紙で送ってくれと言われました。警察相談を受け付けないというデマがあるようですが、そういうことはないですね。報道にも出てます。

digital.asahi.com
出品者や購入者ら200人超から相談や自己申告が警察に寄せられていた。
県警は、身体の発達状況などから18歳未満とみられる画像や動画について、売買記録などを捜査。容疑が固まり次第、9日にも出品者の男1人を逮捕し、今後は購入者についても同法違反(単純所持)容疑で立件する方針とみられる。

追記9/21
 弁護士経由で書面で警察相談した人には、本籍地の番地・電話番号・メールアドレスなどの誤記について警察から電話で確認が来ています。相談を契機として購入者リストとの突き合わせなどの捜査がされているということです。